観光の主な目的は、食べることとショッピングです.
京都、金沢、高山など有名観光地で賑わっている場所がそうです.
パリ、ヴェネチア、サンフランシスコも同じで、国籍を問わず行動は変わりありません.
高知のショッピングで一番高価なものは珊瑚です.
珊瑚の原木の入札が行われるのは日本では高知だけで、過去の最高額は1億円でした.
2015年5月19日 初版
2019年11月24日 修正版
1.お茶屋餅
(峠の旧道)
昔、高知城下から東に行くとき、平地を抜けるとまず「手結山坂」を登る.
峠というには低く標高50mほどであるが、頂上には茶店があり餅を売っていた.
その後車道がつくられ今はトンネルであるが、旧街道は残っている.
落葉が散り敷き、早春には椿の花が落ちている.
坂本龍馬も岩崎弥太郎も通った道であり、今にも編笠の侍が出てきそうだ.
茶店は現在国道傍に移り「お茶屋餅」を売っている.
⒉.芋ケンピ
芋ケンピは、さつま芋を短冊に切って揚げたもので、ポテトチップスの甘味版である.
あちこちで売っていて、単純なようだが、大小、甘辛、いろいろあって好みが分かれる.
店頭では揚げたてを売ってもいる.
(芋ケンピを売るレストラン)
3.塩
海水を天日干しにした塩は人気がある.
海がきれいで日照時間が長い高知では、あちこちの海岸で塩がつくられている.
味が少しづつ違うのは、海水の成分に微妙な差があるためかもしれない.
高いが、一切の作業を人手で行う「完全手づくり」もある.
(田野町、塩二郎製塩所)
4.果物
文旦、水晶文旦、小夏、スイカ、メロンなど豊富である.
自宅近くの丘では、江本ご夫妻が「アンテナスイカ」を育てている.
ハウスの天井から吊り下げて空中でスイカを育てる.
釣るための蔓の部分が二つ突き出てアンテナのように見えるのだ.
フルーツトマトは最高級品が1kgで1万円である.
トマトジュースも自然の味だが、糖度によって値段に差があり、1Lで1,000円から500mLで5,600円まである.
5.酒
(安田町 南酒造場)
高知には蔵元が18ある.
それぞれで数種類の酒があるので、とても全制覇とはゆかない.
高いところでは、土佐鶴天平の720mLで3,800円、大正町栗焼酎の5,700円.
もっとも県民が日々このような高い酒を呑んでいるわけではなく、あちこちに手頃な宴会銘柄が存在する.
6.珊瑚
珊瑚には、造礁珊瑚と宝石珊瑚の2種類がある.
前者は光合成が必要なので、水深20mまでで育つ.
高知の海岸にも広く分布していて、大小の破片が浜に打ち上げられている.
白色だがいろいろな風合があり、高知では拾うことには支障ないが、取引は国際的に禁じられている.
ただ宝飾としての価値はない.
後者は桃太郎が持ち帰った赤やピンクのもので、水深300mくらいで育つ.
石の錘をつけた網を海底で引いて採取する.
免許が必要であり、網の数、期間、時間が厳しく規制されている.
年に1回、住んでいる市内で宝石珊瑚原木の入札が行われる.
日本の珊瑚の90%が取引される.
珊瑚はほとんど日本で産出されるので、世界の珊瑚の80%が高知で取引されている.
バイヤーは珊瑚の入ったケースを見定め、順に入札が行われる.
価格を記したバイヤーの帳面が宙を舞い、開札される.
漁師さんは背後で固唾を呑んで見守っている.
おおむね1ケースで2、3百万円程度が多いが、2015年の最高値は一本7,500万円であった.
前年は1億円であった.
足摺岬に近い土佐清水市では、珊瑚の産出が年間20億円に上るという.
(珊瑚原木の入札)
原材料で終わるのはもったいない.
高知でも宝飾品の販売はされている.
しかし失礼ながら、旅館の浴衣姿で土産物を冷やかすイメージなのは残念だ.
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(おわり)