高知学120 高知の村5 三原村、鴨の小川にどぶろく

高知の村、第5回は三原村です.

高知の人でも、三原村がどこか知らない人がいるでしょう.

足摺岬が先端の西の地域ですが、海岸は宿毛市、土佐清水市、四万十市、大月町で占められ、残った山間が三原村なのです.

しかし険しい山ではなく大部分が平らで、水田が広がっています.

置き去りにならないように生まれたのが、その米を生かした「どぶろく特区」であり、「三原村のどぶろく」なら場所はともかく知る人は多いのです.

 

2020年1月24日 最終版

 

 

1.三原村へ

(三原村)

 

どこでもそう思うのだが、その土地を味わうには、そそくさと日帰りで行くのではなく、泊まってあちこち巡るのがよい.

どぶろくは工場ではなく、個人的につくる場合が認められている.

三原村では7軒の農家がどぶろくをつくっているが、同時にほとんどが民宿を営んでいる.

その一つに泊まることにした.

中村から宿毛に至る高速道路の平田ICから入るのが順路である.

 

(中筋川ダム)

 

三原村に入る手前にダムがあるが、ダム湖に無数の点が見える.

鴨だ.

ダム湖は蛍湖とも呼ばれ、夏は蛍が多いらしい.

三原村から流入する水がよいのだろう.

 

(小川)

 

翌朝、小川の渕にやはり鴨がいたので、車を降りたら一斉に飛び立った.

気付いたのだが、最近どこでも小川はコンクリートの護岸になっている.

しかし三原村は昔のままの土手である.

台地状の土地で、険しい山々から来る急な出水がないためであろう.

だから鴨も蛍もいるのだ.

 

2. 三原村で泊る

 

(下切)

 

コンクリートの護岸をつくらない代り、というわけでもないだろうが、三原村の道路はかなり整備されている.

どぶろくを買いに2回来ているが、目指す民宿の印象が変っているので、訊くと最近前に広い道路ができたためだ.

 

(夕食)

 

夕食はサービスで二人にどぶろく1本付で、キノコ尽くし.

鍋、煮物、天ぷら、なます…そして土鍋のキノコ飯、1年分のキノコを食べた気がした.

昔は中華料理店でしか出会わなかったキクラゲが、最近はスーパーで売っている.

このお宅でも栽培しているそうだ.

これで馬路村で犬君が見つけたというトリュフができれば完全だ.

 

(民宿から)

 

足摺に近く高知県でも南端なのだが、山間で気温が下がる.

車の窓に残った昨夜の雨が凍り付いていて、おかみさんが薬缶の湯を持って来てくれた.

 

(神社)

 

三原村では集落ごとに結構大きい神社がある.

ご主人が話していたが、老朽で本殿を建て替えることになった.

宮大工に頼むお金は到底ない.

そこでCADを基にプレカットで部材を製作し、集落一同で組み立て、200万円で済んだという.

ないものは人を当てにせず、自分たちでつくるという気風なのだろう.

どぶろくもその現れかもしれない.

 

3.三原村を歩く

 

三原村を西から東へ縦断した.

 

(朝もや)

 

昨夜の雨は上がって、朝日で水蒸気が立ち込める.

西に行けば宿毛に至るが、村境で引き返し、今度は西へ.

 

(よろずや)

 

集落にはよろずや、つまり昔からのコンビニがあるので日常は不自由がない.

役場付近には農協の店もある.

道路の擁壁の工事をやっていて、時間制限の通行になっている.

どこでもそうだが、毎時00分から10分間が通行できる時間である.

昨夕ここではガードマンが迂回路を教えてくれて、畔道だったが支障なく通過した.

東に走るとまた時間制限に出会った.

20分あるので、教えてくれた迂回路に入った.

 

(森の道)

 

狭くはないが、森の中で見通しが効かない.

集落もない、出会う車もない、もちろんカーナビにも出ない.

右に左に、上に下に、どんどん走るが、とんでもないところに向かっているのではないかと不安になる.

 

(三原村の山)

 

少し開けて、見える景色は山ばかりだ.

三原村は平らなところと思っていたが、山も深い.

しかしついに下に県道が見え、一安心.

 

4.どぶろく農家

 

(看板)

 

どぶろくは主にその家の主婦が醸造している.

以前はつくっている家の前に幟が立っていて、それを目印に回って買っていた.

しかし留守の時に求められないので、今は会社をつくって一元的に売っている.

ただ「どぶろくマップ」もあるので、巡っても買える.

何でも行政頼みでなく、自分たちでつくり、販売し、ビジネスを広げて民宿もやる、そこがよいところだろう.

減農薬、無農薬の米にも取り組んでいる.

どうしても減収になり、半分の場合もあるそうで、裏付けの分析にもお金がかかるという.

 

(集落活動センターの販売)

 

いま「日本酒離れ」があり、どぶろくもその影響があるようだ.

どぶろくというと「村の酒盛り」のイメージがあるが、少し甘いし、麹は美容、健康によいから女性向と思うが.

 

(遍路宿)

 

三原村では時々お遍路さんに出会う.

足摺岬の38番金剛福寺から平田にある39番延光寺まで、山道だが三原村横断が最短ルートになる.

山を抜けたところに遍路宿があるので安心だ.

 

 

(トマトの温室)

 

三原村にはトマトの大温室がある.

ここは全量カゴメ向けだが、自前のハウスもあって、小瓶のトマトジュースがつくられている.

なかなか濃い味であった.

 

 

関連記事リンク:

28 三原、吉川のどぶろく

62 馬路、魚梁瀬の森林鉄道

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(おわり)

 

2020年1月20日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一