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高知学90 車で辿る歩き遍路道 4、清滝寺から峠と入江を巡って須崎まで

歩き遍路の道を辿っている.

以前は一日30kmを楽に歩けたのだが、今は安直に軽自動車である.

しかし歩きたいとは思う.

今回は短いのだが、土佐市の塚地坂を歩くことにした.

 

2018年4月22日 暫定版

 

1.土佐市

 

山の中腹にある35番清滝寺から、もと来た道を戻って土佐市街に入る.

「土佐市」とはあまりに漠然とした名であり、山間部には「土佐町」があるから尚更である.

和紙の伝統を継ぐ製紙の町・高岡と、海岸の漁業の町・宇佐が合併してできた市である.

両町は山が隔てていて、その峠道が塚地坂である.

今は800mほどのトンネルがあり簡単に往来できるが、これが無ければ合併はあり得なかっただろう.

 

(高岡の旧道)

 

高岡には昔からの旧道、その外側につくった広い新道、さらにバイパスがある.

古い街道筋によくある構成で、旧道には商店が並び、空を電柱と電線が覆っている.

 

(波介川)

 

しかし一歩外に出ると、和紙を育んだ波介川、仁淀川の清流である.

 

2.塚地坂

 

(塚地坂の登り口)

 

塚地坂は峠の標高190m、長さ2kmで、「高齢者」の歩きに手頃だが、国の史跡に指定されている.

遍路道であるが、もともと行き来の多い街道で、長年に渡る道普請が行われている.

トンネル入口横の登り口は広場になっていて、車を停めた.

 

(峠道)

 

野鳥の声を聞きながら、落葉を踏んで登る.

海水を飲むというアオバトの声も聞こえた.

 

(峠から)

 

峠の頂上から、これから向かう横浪半島が望める.

荷を背負って休み易い竹のベンチがつくられている.

 

(石仏)

 

峠の麓には、天保、寛永などと刻まれたお墓や野仏が多い.

病があって、峠で力尽きたのだろう.

俗名を記したものもある.

遍路は行倒れたとしても、国元には知らせないことになっていた.

いくら待っても帰って来ないので、身内が「大工の留吉をご存知ありませんか」と捜索に出たこともあっただろう.

「そういえば」ということになって、悲嘆に暮れながら墓石を置いたのかもしれない.

 

(安政地震の碑)

 

安政地震の被害、教訓をびっしりと記した碑がある.

ここまで津波が届いた.

それより150年前の宝永地震も述べられている.

物欲に捉われず、ともかく逃げよ、ということらしい.

 

3.青龍寺

 

(浦ノ内湾口)

 

(青龍寺と蟹ヶ池)

 

 

 

 

 

 

(つづく)

高知学89 京柱峠を越えて、祖谷の山上で泊まる

屋島で敗れた平家が落ち延びたという祖谷は、かずら橋もあり、「秘境」として有名である.

一方、観光客、観光バスが多数来て混雑するので、どこが秘境?という気もする.

しかし本当の祖谷は、その奥、剣山の麓までにあるのだが、行く人は少ない.

中でもかずら橋の奥にある落合は、急な斜面に広がる集落で、重要伝統的建造物群保存地区となっている.

古民家を修復して展示する例は多いが、ここが異なるのは、8軒の民家に実際に宿泊できることである.

蒸気機関車と同様、公園にある動かない「静態保存」ではなく、実際に使われる「動態保存」なのである.

それも「昔暮らし体験」ではなく、茅葺き民家を生かしながら、内部はゆったりしたセンスの良い山のリゾートである.

3人で泊まったが、一致した意見は「1泊では惜しかったね!」であった.

 

(落合の宿:天一方)

 

2018年4月7日 最終版

 

1.観光と自治体

 

ところで本ホームページは「高知学」なので、地理に詳しい方なら「祖谷は高知県だったかなあ」と思われるかもしれない.

祖谷は徳島県である.

しかし、鳴門や阿波踊りの徳島観光の後、同じ徳島県ではあるが、距離的に隔たった西端の祖谷まで回る人は少ない.

よく聞くのは、高知観光に向かう途中、祖谷と大歩危(これも徳島県)に寄って来たというケースである.

実際、祖谷にもっとも近い県庁所在地は高知である.

観光は自治体の視察旅行ではないから、県域を越えた広域的な観光対応が、四国全体に効果をもたらすと思われる.

「箱根で遊んで伊豆の温泉に泊まる」という場合、「神奈川県で遊んで静岡県に泊まる」という意識はない.

ガイドブックは「伊豆・箱根」であり、「四国」である.

 

 

2.祖谷への道

 

祖谷に向かう道は三つある.

第一は、阿波池田から祖谷渓の断崖の上を通る道である.

昔はこれしかなく、細い道であって、バスも通るが大変スリリングであった.

いま、途中に旅館があり、谷底の温泉までケーブルカーで降りることを売りにしている.

 

(祖谷温泉のケーブルカー)

 

第二は、JR大歩危駅から近年につくられたトンネルを通って来る道である.

最短距離で、今はほとんどがこのルートである.

 

(かずら橋の駐車場)

 

最近、広大な駐車場がつくられている.

以前は細い道を辿り、小さな商店の駐車場に車を留め、山道をかずら橋に下った.

秘境にはるばる来た、という気持ちで祖谷蕎麦を食べた.

今は、橋を渡って土産物をひやかし、トイレ休憩で出てゆく「立寄り観光地」になっている.

 

3.京柱峠から

 

第3のルートは、高知県の大豊町から国道439号線を通り、京柱峠を越えて奥祖谷に向かう.

これは「酷道よさく」として有名で、相当マニアックである.

今回、さらに輪をかけて、JR大杉付近から山に上がり、吉野川南岸の棚田地域を通って439に出ることにした.

 

(大豊町穴内)

 

この道は山上の棚田集落を結ぶ「スカイライン」で、眺望が素晴らしく時々通る.

特に八畝(ようね)、怒田(ぬた)の辺りは、棚田と家々が谷底から山頂近くまで広がっている.

 

(秋の八畝、怒田)

 

山を下って439号線に合流し、標高1,150mの高知・徳島県境の京柱峠に上る.

東西とも眺めはよいが、積雪で冬季は通行止めになる.

 

(京柱峠、高知側)

 

(京柱峠、徳島側)

 

徳島側の左の重なった山並みの向こうに、これから向かう落合の斜面が茶色く見えている.

峠を下り川沿いに出ると、そこはもう「祖谷らしい祖谷」である.

歴史民俗資料館があって、以前に係のおばさんがこんなことを言っていた.

「道で蛇が車にひかれていると、可哀そうに思って、いつも道の脇に移した.

あるときバックに失敗して車が崖から落ち、生きるか死ぬかの大怪我をした.

夢に蛇が出てきて、傷を舐めてくれた.

今こうして動けるのは、そのおかげと思っている」

 

4.落合

 

奥に進み、「かずら橋」から1日4回のバスで30分のところが落合である.

古民家を改修した宿泊施設がある.

これは東洋文化研究家のアレックス・カー氏がプロデュースし、NPOが運営するものである.

氏の「ニッポン景観論」(2014年、集英社)は、日本各地で見られる電線、看板、建設がもたらす醜悪な景観を、モンタージュ写真と共に徹底して批判した快著である.

その対応を具現化しているのがここである.

 

(落合、フロントから)

 

チエックインは麓の廃校になった小学校で行う.

8棟ある家々はそれぞれ貸切だが、元は民家なので構成はまちまちである.

今回は「天一方」と名付けられた家に泊まった.

 

(ダイニングから、京柱峠が見える)

 

ダイニングとリビング、寝室になる2室、浴室、トイレ2箇所がある.

 

(リビング)

 

向かいの山は、高知・徳島県境になる1,900mの三嶺で、雪が残っている.

部屋の上は茅葺きの屋根裏だが、床暖房と二重ガラスで暖かい.

エアコン、温風暖房機もあるが、巧みに隠されている.

 

 

(キッチン)

 

食事はケータリングも頼めるが、一通りの設備があるので自炊にした.

大阪のうどんすきセットを取り寄せ、土鍋、徳利、お猪口と共に持参した.

 

 

(朝の天一方)

 

集落を貫く1本の電線はあるが、各棟の引込口、エアコンの室外機など全く目に入らない.

 

5.観光施策

 

ここには豪華絢爛ではないが、最高を目指した結果があり、それ故「滞在したい観光地」となっている.

観光振興というと、ゆるキャラ、B級グルメ、イベントが定番である.

夏祭りと夜店の延長である.

近場の人は来るが、全国、海外から呼ぶ結果にはならないように思える.

落合は保存地区のため、建設には三好市を通じた国の補助金が利用されている.

高知にも一棟貸切や古民家再生の宿泊施設があるが、多様な仕組みを利用して、最高を目指すことができる援助をしてほしいものだ.

(おわり)

 

2018年4月2日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

高知学88 高知の海の楽しみ.釣りとマリンスポーツ

高知県は東から西まで、太平洋に面している.

海岸からすぐ山になるから、山国でもあるのだが、何と言っても海のイメージが強い.

瀬戸内の、穏やかな海に島々が重なるのんびりした風景ではない.

また、日本海のように北風が荒れ狂う厳しい海とも違う.

水平線の彼方には異国がある.

高知の海の楽しみを探る.

 

(室戸岬)

 

2018年3月18日 最終版

 

1.釣り

 

(手結港)

 

近くの手結(てい)港の堤防は、穏やかな入江に面している.

釣果が多く、ファミリー恰好の釣場となっている.

一家で竿とお弁当を持って出かける.

「小鮒釣りし」ではなく、「小鯵釣りし彼の海」である.

鳥もファミリーの一員として、傍でお裾分けを待っている.

 

(琴ヶ浜)

 

夕方の海岸では、車を降りて釣竿を出す仕事帰りの人をよく見る.

この人は「エギ」と呼ばれる疑似餌で、イカを狙っているようだ.

よく行くスーパーには釣具売場があり、さまざまなエギが置かれている.

 

(エギ)

 

(吉川漁港)

 

億はするだろうトローリングの高速艇の横で、のんびりと竿を出す.

これも同じ釣りである.

地元新聞には毎週釣り面があり、釣り人と釣果も載せている.

先日は、55cmのヒラメを釣り上げた、5歳の子どもの写真であった.

釣歴4年と書かれていた.

子どものコメント:「力が要ったが、がんばって回しました」

母親のコメント:「お腹にいるときから釣りに行っています」

 

(足摺岬)

 

(ウナギ捕り)

 

近くの川では、老男性がウナギ捕りをしている.

流れのあちこちに石を積んでおく.

適当なときに石を崩して、中に潜んだウナギを捕まえる.

積んだり崩したり手間が大変だが、これは四万十川でもやっていた.

ウナギを捕る筒状の仕掛けをホームセンターで売っているが、これは横取りする奴が出るらしい.

 

⒉.水族館

 

定置網は、沖合に大規模な配置の網を置くものである.

魚が網の壁に沿って泳いでいるうちに、袋の鼠になる仕組みである.

室戸の先の椎名漁港で、定置網から帰ってきた運搬船を見た.

船倉一杯が魚で埋まり、クレーンともっこで荷卸しする.

巨大な青いプラスチックのコンテナがたちまち一杯になり、次々に積み上げられる.

 

(ウミガメ)

 

定置網にはいろいろのお客が入ってくる.

ウミガメも入る.

ウミガメの卵は砂浜で孵化するが、その後の行動は全くわかっていないという.

漁師が持って帰ってくれたものを、保護団体が計測し、足にタグを付ける.

速い! 海に戻した途端、全速力で逃亡し、あっという間に姿を消した.

 

(ジンベエザメの子ども)

 

足摺では時々ジンベエザメが入る.

黒潮に乗って南の海からやってくるのである.

大阪の水族館の出張所があって、これをある期間育成する.

5mを超えるものが居たことがあって、巨大な水槽でも曲がると尾がつかえる.

大きすぎるので再び海に戻したそうだ.

ジンベエザメと一緒に沖で泳ぐ催しもある.

タイワンイトマキエイを見たことがある.

幅3mで、頭に二本の長い角が突き出ている.

大阪に持って行ったが、残念なことに死んでしまったらしい.

 

3.海水浴

 

太平洋の波が寄せる高知の海岸は、砂浜が少なく、また離岸流が激しいため、意外に海水浴場がない.

しかし注意すれば波打際では遊べる.

 

(赤岡、どろめ祭りの海岸)

 

高知市の東、赤岡では毎年「どろめ祭り」が行われる.

大人はテントで酒盛りだが、その間子どもたちは波打際で遊ぶ.

 

(夜須の海水浴場)

 

近くの海岸にある公園「ヤ・シィパーク」の浜は海水浴場になっている.

かつて夏のレジャーといえば海水浴であったのだが、最近は意外に人気薄らしい.

今はどこにでも屋内プールがあり、水泳教室があり、年中泳ぐことができる.

子どもは、塩辛くて波がある海を敬遠する.

大人は紫外線を気にする.

昔、日焼けを競った「黒んぼ大会(差別用語だが)」が嘘のようだ.

 

(吉川の海岸)

 

4.マリンスポーツ

 

マリンスポーツの代表はサーフィンである.

高知では東から西まで、あちこちにスポットがある.

そのために移住する人もいて、海岸に西海岸風の住宅が建っていたりする.

玄関横にサーフボードを置いている住宅もよく見るが、ただの飾りではなさそうだ.

町内にはサーフショップがある.

 

(仁淀川河口)

 

近くの夜須川河口の入江には、台風が近づくとサーファーが集まってくる.

荒波に乗り出そうというのではない.

外洋からの波及で、湾内に緩やかな波が安定して立つ.

ビギナーの練習に好適なのである.

 

(ヨット教室)

 

夜須の浜ではヨット教室が開かれている.

一人乗りディンギーが多数置かれているが、大学のクラブのものだ.

これらが外洋に出ることはないが、たまに沖合を行くキャビン付ヨットを見ることがある.

室戸岬を回ってやってきたのだろう.

 

(琴ヶ浜で)

 

隣村の琴ヶ浜は、浜と松林が5km続く.

ただ荒い波が寄せる砂利の浜なので、時折釣り人を見るくらいである.

人がいないので、モーターグライダーの離発着に好適だ.

時折ゴルフ場を越えて、我家の上空までやってくる.

 

関連記事リンク:

四万十川と孤独な海水浴

断崖の入江を宿毛から柏島

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(おわり)

 

2018年3月13日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

高知学87 高知の食卓、高知の食事 2

高知の食卓の主役は、何といっても魚である.

カツオだけではなく、太平洋からはいろいろの魚が揚がってくる.

鮮度は申し分ないが、高級魚であるほど、頭の上を通過してどこかに行ってしまうのだが.

今回は、タイ、ヒラメ、サメ、シイラ、アジとしよう.

 

2018年3月6日 最終版

 

 

1.タイ

 

春先、近くの西分(にしぶん)漁港には「鯛の日」がある.

いつかはわからない.

「鯛網」を使って、タイが大量に揚がる.

 

(西分漁港)

 

夕方、漁港に行ったら、丁度「鯛の日」であった.

タイが次々と発泡スチロールの箱に収められる.

一箱に5匹ほど入れられるが、袋に入ったLサイズは1匹だけで、箱にその重さが書かれている.

箱に入りきらなくて、尻尾がはみ出ているものもある.

最大は4.1kgで、「東京」と行先が書かれている.

優勝祝、当選祝にふさわしい.

 

(トラックに積む)

 

一つのパレットに箱が70個くらい、トラックに5パレット積んでいたから、一箱5匹とすると1,750匹になる.

鯛網はシラスを採る方法と似ている.

バッチと呼ばれる袋状の網を沖で2隻の船の間に下ろして、タイの群れをぐるりと囲む.

シラスは軽いから、これを狭めて海上で揚げるが、タイは重いのでそうはいかない.

網を狭めながら、時間をかけて浜に近づけ、最後は地引網の要領で、網の左右を2台の重機で引き上げる.

近くの直販市にこのタイが出た.

大きいのは千円台だが、二人では食べきれないので、700円にした.

 

(春の鯛)

 

この日は刺身とあら煮、翌日は寿司にした.

 

2.ヒラメ

 

タイと来れば、浦島太郎の昔からヒラメである.

昼前、近くの手結(てい)漁港に寄ったら、腰の曲がったご夫婦が、漁船からタイとヒラメを上げていた.

 

(魚を上げる)

 

老婦人では無理で、漁協の女性職員が走り寄って手伝う.

ヒラメは1kgのものが何枚か揚がっている.

 

(ヒラメ)

 

近くに居た人の話では、この人は以前シイラ漁をしていたが、体力的にきついので、今は凪の日だけ刺し網漁をしているそうだ.

夕方、魚の通り道に網を張る.

ヒラメは夜行性があって網に刺さるので、それを翌日の朝引き上げる.

ただしこれを狙ってサメが来るから、これも揚がる.

 

(シュモクザメ)

 

シュモクザメと普通の「サメ」型のサメがあるが、招かれざる客で、扱いはぞんざいだ.

皮に近いところを酢味噌で食べれば美味いそうだが、好んで食べるものでもないように思う.

テレビで見たオーストラリアの居酒屋では、ミンチにしてパイに入れていた.

 

(家に戻る)

 

老夫婦は船に戻って帰って行ったが、腰の曲がったドライバーが10トン車を運転している趣であった.

 

(ヒラメとアジ)

 

このヒラメは大き過ぎて家庭では持て余す.

さりとて切身にして売るには勿体ない.

やはり「業務用」だろう.

小さいヒラメが手に入ったことがあって、釣りのお裾分けのアジと共に寿司にした.

エンガワは刺身である.

 

3.シイラ

 

(シイラ)

 

シイラは、高知で年中よく獲れる.

大きい魚で体長2mにもなり、カジキマグロと共にトローリング競技のターゲットでもある.

 

(シイラ漁のヤマモモ)

 

漁は、はるかの沖合に長い竹を組んだ筏を置き、下にヤマモモの枝を吊るす.

シイラは物陰に集まる習性があり、そのあたりをぐるぐる回り出すので、そこを捕らえる.

1か所で0.5トン揚がることがあるという.

刺身や切身で売っていて、沢山獲れるし大きいので安いが、大味ではある.

フライにして、フイッシュアンドチップスで売り出すのがよいと思っているのだが.

 

4.アジ

 

アジは高知でもっとも大衆的な魚である.

大きいの、小さいの、年中売り場にある.

刺身、寿司、塩焼き、干物、何でもよいが、アジのフライは総菜、弁当の定番である.

 

(地元スーパーの総菜売場)

 

直販所に活締めアジが出ていた.

何の動物でも絶命後すぐ血を抜かないと、血液が滞留して味が落ちる.

魚もそうで、活締めは船上ですぐ頭を切って血を流す.

しかし魚は生き造りでわかるように、血を出してもまだ筋肉は動いている.

そのままだと筋肉が疲労して老廃物が溜まり、鮮度が落ちる.

そのため背骨に針金を通し、神経を除く.

アジでは初めて見た.

漁師さんも工夫を凝らすが、見た目悪いのが難点かもしれない.

 

(活締めアジ)

 

5.シラス

 

シラスはチリメンとも言われるが、イワシの稚魚であり、高知の沿岸一帯が漁場である.

 

(シラス漁)

 

2艘の船が組になり、間に渡した細かい網をゆっくり引いて集める.

年中漁がある.

 

(ドロメ)

 

生のものがドロメで、毎日直販市にパックが山盛りになっている.

生だから、その日のものを、その日中に食べなくてはならない.

いつも夕方には無くなっているから、高知の人はとてもドロメが好きなのだなあと感心する.

ニンニクの葉のぬたをつけて食べるが、これもパックを売っている.

「のれそれ」というのがあるが、これはアナゴの稚魚である.

ドロメを茹でたものがシラスである.

茹で上がったものが「釜茹で」、その後30分ほど天日で干したものが「釜揚げ」、さらに干したものが「かちり」である.

炊き立てのご飯にシラスを山盛りにして、レモンと醤油を落としてかっ込む.

シラスが少なくなれば、どんどん継ぎ足す.

 

(シラス丼)

 

6.肉

 

では、高知では魚しか食べないのか.

いや、高知県民がファミリーやグループで外食となると、まず焼肉である.

人口当たりの焼肉屋数は日本有数ではないか.

いずれ探訪しよう.

 

関連記事リンク:

高知で魚グルメ

高知の食事、高知の食卓 1

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(おわり)

 

2018年3月3日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

高知学86 高知の岬と灯台、海の風景

高知県は、室戸の東から足摺の西まで、海に面している.

海は高知を特徴づける風景である.

その中でも、岬とそこにある灯台は、海のシンボルである.

また、海はダイナミックであり、常に動いている.

毎日潮の干満は2回あるが、大潮のときに潮位の差は2m近くになる.

台風では穏やかだった海が一変する.

それによって浜の姿は変わり、海岸は崩れる.

 

2018年2月23日 最終版

 

1.室戸岬

 

(室戸岬に近づく)

 

徳島方面から来ると、室戸岬に近づくにつれ、山がますます海岸から聳え立ってくる.

火山の溶岩丘のように、むくむくと隆起している.

いま岬は、南海トラフの沈み込みに引き込まれて、年間7mm沈下している.

やがて耐えきれなくなって、跳ね上がって地震を起こし、この山はさらに高くなる.

 

(室戸岬灯台)

 

室戸岬は太平洋に突き出た難所であり、1899(明治32)年に灯台が設置された.

照葉樹林の中に聳え立っている.

最初は石油ランプを使っていた.

灯台もコンクリートではなく鉄製で、リベットで組み立てられている.

 

(灯台のレンズ)

 

灯台の近くには、札所の最御崎(ほつみさき)寺があり、少し歩くと真正面に灯台が現れる.

どのガイドブックにもこの写真が出ているが、これは誰でも撮れる.

公開されていて、塔に登ることができる灯台はある.

しかし、このように正面から相対するところはまずないだろう.

灯台は、それぞれに決められた時間で点滅して、船から識別できるようになっている.

しかし石油ランプや大光源は点滅が困難なので、投光レンズを回転させて閃光にしている.

普段は中に入れないが、年1回、見学の催しがある.

 

2.羽根岬

 

近くの海岸に行くと、東に長く伸びた台地が見える.

室戸岬も同じ形なのだが、手前に似た形の岬が突き出ていて、その陰になって見えない.

夕方、岬には灯台の明かりがともる.

30km離れた羽根岬灯台である.

灯台は、GPS始め電波航法の発達によって役割が低下しているという.

しかし小さな漁船はあるし、視認できる「暗夜の灯」には安心感があるだろう.

 

(丘の上の羽根岬灯台)

 

灯台は海から見えればよいので、陸地から見上げてもなかなか見えない場合がある.

羽根岬もそうで、形も「白亜」の円筒形ではなく箱型であり、余計わからない.

 

3興津岬

 

我家の近くにホテルがあり、そのチャペルの横の林の間に、遠くに時間をおいて灯る光が見える.

 

(興津岬灯台の光)

 

天気の悪い日や、大気が霞んでいるときは見えない.

空気が澄んでいるときは、海面に反射する光もわかる.

これは洋上を66km離れた、興津岬灯台である.

この距離は、東京都心から小田原間に相当する.

ただし我家は海抜40mだが、海岸に行くと地球は丸いので見えない.

 

(興津岬の山)

 

どんな灯台なのか、行ってみた.

国道を外れ山を下って行くと、興津の集落が見える.

2kmの砂浜があって、夏は海水浴場になる.

灯台があるのは、中央の山の上である.

 

(いりこを干す)

 

海岸でいりこを干している人たちに道を尋ねた.

狭いが、小さな車なら行けると言う.

ついでに味見をさせてくれた.

 

(興津岬灯台)

 

舗装されていない山道を、曲がりに曲がって上ると灯台が現れた.

昔は「灯台守」が居て、家族共々住んで運用していた.

いま、どこも自動化されて、官舎の跡は空地になっている.

 

(山頂から)

 

「灯台下暗し」で、塔の下の周りは樹林になって海がほとんど見えない.

しかし更に上がるとお堂があって、見渡せる.

花が植えられているので、下から檀家が上がってくるのだろう.

 

5.足摺岬

 

足摺は室戸と共に、高知の海を東西に仕切っている.

同様に札所の金剛福寺がある.

 

(足摺岬灯台)

 

写真は展望台から見た灯台で、定番の撮影スポットだ.

NHKの固定カメラがあって、台風中継でお馴染みの風景でもある.

 

(海から見る灯台)

 

小さな観光船に乗って、海から見る岬にはまた別の迫力がある.

 

 

6.佐田岬

 

高知の岬だけ記して、四国の他の岬をパスするのは片手落ちであろう.

徳島県には蒲生田(かもだ)岬があり、離島もあるのだが、少し迫力に乏しい.

愛媛県には佐田岬がある.

付け根の八幡浜から50kmあって、これを往復することになるためか、意外に観光客が少ない.

 

(佐田岬灯台)

 

駐車場に車を停めると、土産物を売るおばさんたちが寄ってくる.

互いの競争もあるらしい.

中国の観光地では馴染みの光景だが、愛媛の女性もなかなか商売熱心のようだ.

灯台は見えているが、歩くと20分かかる.

遠くに九州の山が見えている.

半島の根元に伊方原子力発電所がある.

阿蘇山噴火の火砕流が到達する場合の対応を検討すべき、との判決が出ている.

もしそうなれば大分、別府は壊滅だが、この海が埋まり、四国と九州が地続きになるわけだ.

 

関連記事リンク:

室戸岬と室戸の魚

浦戸湾と足摺の観光船

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(おわり)

 

2018年2月18日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

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