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78 高知の観光船.のどかな浦戸湾と、スリルの足摺岬

あまり知られていないが、高知にも海の観光船がある.

浦戸湾と足摺岬で乗ってみよう.

・陸の展望台から見下ろすのと、海面から見上げる眺めは違う

・道路は必ずしも海岸を通っていないので、見る場所は限られる.

・陸では足が地に着いているが、海では波任せで揺れる

浦戸は入江なので揺れはしないが、足摺は波が荒いと欠航である.

そこが怖いという人と、スリリングだという人に分かれる.

 

2017年10月16日 最終版

 

1.浦戸湾

 

(高知市街)

 

高知市は太平洋に面しているイメージだが、実際は7km離れた浦戸湾の奥にある.

写真のアーチ型の橋の、左のたもとの先に見える森が高知城である.

かつての城下は、この橋の右奥一部だけであった.

国分川と鏡川の合流地点にあり、周囲は山と川と湿地に囲まれている.

龍馬の時代、狭い空間に様々な階級が暮らし、何かとストレスが大きかったことだろう.

 

(浦戸湾)

 

浦戸湾は、中がくびれたひょうたん型になっている.

その先に太平洋が見える.

桂浜は彼方の山の左端である.

 

2.浦戸湾観光船

 

(観光船、右は巡視艇)

 

観光船は昔、蒸気船のためにつくられた、埋立地の桟橋から出る.

向うはセメント工場だが、生産を止め、石灰石の搬出に使われている.

 

(船から見た市街)

 

湾には島や暗礁が多く、あちこちに浮標がある.

航行の妨げになるので、爆破された島もある.

 

(湾の最狭部)

 

「よさこい節」の月の名所は桂浜だが、実際は山越えで遠く、この辺りでの月見が多かったようだ.

 

(造船所)

 

昔は松林が連なっていたが、東側は埋め立てられ、造船所や市場がある.

湾内では、1メートルを越える巨大魚のアカメも釣れる.

ボラも跳ねている.

 

(クルス)

 

湾には干潟が広がっていて、大きい船は湾内に入ることができなかった.

1596年、メキシコに向かっていたスぺインの大型帆船、サン・フェリペが台風で遭難し、土佐沖を漂流した.

長曾我部元親がこの付近に誘導、擱座させる.

積荷は入手する(当時の日本で救助の際のルールであった).

乗員の事情聴取の中で、スペインは宣教師を前に立てて、領土を拡張しているという発言があった.

報告を受けた豊臣秀吉は、切支丹弾圧に乗り出し「26聖人」を磔にする結果となる.

この辺りを「クルス」と呼んでいるのは、ここに由来するとされる.

坂本龍馬は「大政奉還」が不首尾に終わった場合、クーデターも決意していた.

長崎でライフル銃1,000挺を購入し、土佐の板垣退助が率いる藩兵に届けた.

その時もここで積替えた.

暗殺の1か月余り前である.

 

(浦戸大橋)

 

湾口には1972年、東西の海岸を結ぶ浦戸大橋が架けられた.

 

(桂浜)

 

観光船は桂浜に近づく.

海から見ると大きい浜ではないが、前は太平洋である.

蒸気船が夢でなくなり、狭い城下と浦戸湾を出て、日本各地を行き来し、万国と応対する.

龍馬を始め一党は、これからの活動に胸を躍らせつつ離れたことだろう.

 

3.渡船

 

(御畳瀬の渡船)

 

浦戸大橋は車は便利だが、歩道はないに等しいし、バイク、自転車もつらい.

そのため、昔からあった湾口の御畳瀬(みませ)と種崎を結ぶ県営渡船が、今も運行されている.

1時間に1本、5分の航海で、無料である.

32番禅師峰寺と33番雪蹊寺を結ぶルートなので、お遍路さんもよく利用する.

 

(浦戸大橋)

 

(種崎)

 

津波警戒のため、桟橋の扉は常に閉ざされ、乗降の時だけ開かれる.

 

 

4.足摺岬

 

(足摺岬)

 

足摺岬の展望台には、NHKの遠隔操作カメラがあって、天気予報や台風中継でお馴染みの景色である.

海から見るとどうだろう.

観光船が運行されている.

 

(海上から見た足摺岬)

 

(観光船)

 

船は漁船である.

当日の天気予報では波高1.5mで、高知の海で普通である.

縦横に揺れるが、遊園地の設備のように、悲鳴を上げるようなものではない.

船長さんによれば、凪ならば更に岬に近づけるそうだ.

 

(岩壁)

 

岩壁は荒波で侵食され、脈理が浮き出ている.

秋は磯釣りでグレのシーズンである.

 

(洞窟)

 

足摺岬には洞窟も多い.

ただ狭いので、カプリ島のように通り抜けはできない.

夕陽が洞内に一直線に射す日があるそうだ.

 

(臼碆)

 

船の先に、突き出た臼碆(うすばえ)が見える.

黒潮が最初に陸に当るところというのが頷ける.

 

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(おわり)

 

 

77 高知の山で産業を見る.壮大な発電所と鉱山

山の産業というと林業だが.

しかし、エネルギーを生み出す発電所は、山の中に多い.

また、生活に欠かせない資源をつくる鉱山は、山の中である.

高知のこれら産業の現場は、ダイナミックである.

風力発電所、鳥形山鉱山、揚水発電所を訪ねる.

 

2017年9月29日 最終版

 

 

1.風力発電

 

(葉山風力発電所)

 

須崎から梼原に至る国道197号線で津野町を通ると、山に風車が並んでいるのが見える.

標高1,000mにあるので、60kmほど離れた自宅からも晴れた日には見え、双眼鏡では回っているのがわかる.

 

(山の上)

 

風力発電機は、1台1,000kW(1MW)のものが20基あるので、合計2万kWである.

小さいダムの水力発電に等しいが、風のないときは動かないし、強風の時は破壊されないように停止する.

一般に風力発電機の稼働率は40%以下とされるので、それなら8,oookW以下である.

1基なら400kWで、四万十川沿いに大正時代につくられた、小さな松葉川水力発電所に近い.

それに比べれば、取水や水路が要らないから簡単である.

 

(風力発電)

 

今日は風が良く、ヒュンヒュンと音を立てて回っている.

実はこの発電所は四国電力のものではなく、電力自由化に伴って大阪ガスが建設したものである.

 

(風車の基部)

 

1基が点検作業中であった.

高さは60mで、エレベータがあるという.

いま上昇中だそうで、開いた扉から電子音が聞こえてくる.

タワーの先端は揺れるだろうし、足元を見るのは、想像しただけでも怖い.

 

2.鳥形山

 

(鳥形山鉱山)

 

高知と愛媛の県境である、四国カルストに近いところに鳥形山がある.

ここは年間1,345万トンを産出する日本最大の石灰鉱山である.

石灰は高炉での鉄の生産に欠かせない.

新日鉄が採掘し、千葉の君津製鉄所に運ばれる.

 

(鳥形山)

 

鳥形山は順次上から削られ、標高1,200mのところで採掘が行われている.

自宅から平らになった山頂と、なだれた岩石がよく見える.

上ることができるが、裏からになり、採掘の現場は見えない.

 

(ゲート)

 

一帯は発破があり、危険で立入りができない.

 

(風力発電所から見た鳥形山)

 

しかし、葉山風力発電所からは、全体がよく見える.

12時、発破開始のサイレンが鳴る.

やがてドンという音と共に、白煙が上がった.

というのはウソで、5km離れているので、白煙が上がって15秒で音が届く.

 

(なだれ落ちる岩石)

 

端の方が崩され、岩石がなだれ落ちる.

180トンダンプが動いているはずだが、ほとんどわからない.

 

(須崎湾)

 

風力発電所から、須崎湾が見える.

石灰岩は須崎まで、この山々をトンネルで貫いた、24時間運転のコンベヤで運ばれる.

 

 

(積替所)

 

コンベヤは9区間に分かれていて、谷間に出たところに積替所がある.

 

3.揚水発電

 

高知から愛媛県西条に至る国道194号線、寒風山トンネルの近くに、本川揚水発電所がある.

一定出力で運転する原子力発電所を始め、使用量が減る夜間には電力が余る.

電池に充電して貯蔵する.

その電池が揚水発電所である.

水力発電所の上下に貯水池を設ける.

昼間は上から下に水を流して発電し、下に貯める.

夜になって電力が余ると、発電機をモータに切換え、逆回転させてポンプとし、下に貯まった水を上に揚げる.

本川発電所の出力は61.5万kWである.

魚梁瀬ダムの水力発電所は14.5万kWだから、格段に大きい.

普通のダムは、雨水を貯めてチビチビ使うのだが、ここでは昼間に上池をカラにしても、夜にまた満杯にできる.

本川発電所の流量は毎秒140立方メートルである.

ただ、ポンプの効率や流水の運動ロスがあるから、発電出力は、揚げるに要する電力の70%程度である.

エネルギーを使う電池だが、他にこれだけの大電力を蓄える方法はない.

 

(本川地下発電所)

 

発電所は地下300mにある.

 

(大橋ダム湖)

 

下池は大橋ダム湖で、水面下に取水・放水口がある.

壁面に水面が上下した跡が残っている.

入口から発電所まで約1km、作業トンネルが通じている.

 

(作業道)

 

地下室の長さは100m、深さは50mで、5階になっている.

地下1階は点検分解時の作業室で、2台の発電機兼モータの上端が見える.

 

(発電機の上端.手前は水車)

 

見学者のために、出力アップで不要になった水車が置いてある.

水車は25トンのステンレス鋳鋼製で、螺旋状に穴が鋳込まれ、プロペラになっている.

点検時には作業者が穴に潜り込む.

そういうと、見学の小学生は、必ず「入りたい!」というそうだ.

 

(水車の軸)

 

地下2階は発電機、地下3階では発電機と水車を結ぶ軸が見える.

その下に、案内羽根の移動機構と水車がある.

伊方原子力発電所3号機の出力は89万kW、坂出火力発電所は4基で138万kWであり、これらのバッファとなる.

一方、四国最大の西条太陽光発電所は、3.3万kW(33MW、風力発電機の33台分)である.

発電所の規模としては小さいし、夜間は発電しない.

しかし、太陽光発電所は大小各地にあるので、対応が必要となっている.

真夏の昼間、各発電所はフルに運転される.

秋口、エアコンは切られ、工場は5時に終業した.

しかし日はまだ高く、太陽光発電は続く.

そのため、吸収するよう、夕方に揚水を始めることがあるそうだ.

 

(稲村ダム)

 

車で40分山道を上がると、ロックフィルダムの上池、稲村ダムに達する.

発電所への落差は560mである.

これは黒四ダムに等しい.

ここまで水を押し上げるのだ.

 

 

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日本を支える港の須崎

四万十川を源流から上流

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(おわり)

 

2017年9月23日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

76 四万十川を源流から下る-のどかな上流を窪川まで

四万十川のイメージは、沈下橋のある、ゆったりと流れる幅広い川である.

源流から始まり、南に向かう窪川までの上流、方向を変え西に向かう中流、そして南に河口に至る下流に分けられる.

イメージとして持たれているのは下流なのだが、上流、中流にもそれぞれの良さがある.

上流を探ってみよう.

 

2017年9月14日 最終版

 

 

1.源流

 

四万十川は四国最長の川で、源流点から河口まで250kmある.

しかし直線で結ぶと、たった60kmである.

それだけ寄り道をし、屈曲して流れているのである.

 

(源流の山)

 

源流点は、標高1,336mの不入(いらず)山にある.

昔、名の通り、藩が伐採を禁じていた.

国有林で、西側は森林鉄道が敷かれて伐り出された.

しかし、今も30%が自然林で、明治期の樹齢120年の造林地もあるという.

 

(源流点近く)

 

源流点には林道を上って行く.

品川ナンバーの車に出会ったが、行き違いは不得手のようで、こちらが後戻りした.

車道に碑があり、そこから25分登山道を歩けば、源流点に達する.

 

2.谷を出る

 

(山を出た四万十川.津野町中村)

 

四万十川の特徴は、甚だしく蛇行していることである.

流域の傾斜が緩やかで、かつ水量が非常に多いためである.

蛇行によって山は次々に削られ、土砂がその間に滞積する.

それが川沿いに豊かな水田をつくる.

渓谷を出たところだが、もう蛇行が始まっている.

 

(津野町の菓子工場)

 

津野町が名物にしている、菓子「満天の星」の工場がある.

町の急傾斜地でつくられるお茶も名産である.

カフェが併設されているし、高知市内にもアンテナショップがあり、町のなかなかの努力である.

 

3.沈下橋

 

(高樋沈下橋)

 

源流から10kmほどのところに、最初の沈下橋がある.

お母さんが子ども3人を遊ばせる、のどかな光景である.

ただ、これは地元の人だからできることである.

ここ2週間ほど雨が無く、さすがの四万十川の水量も減った.

普通なら砂利の河原がほとんど隠れていて、流れも速い.

第一、沈下橋があるのは、それを越える出水があるということである.

左の水田の際まで、浸かるのではないか.

10kmでもうこれだけの水量があるのだから、一帯の降雨は激しい.

それが豊かな森林と「最後の清流」をつくっている.

 

(久万秋、飲料水工場)

 

「四万十の水」の工場がある.

付近には自然の湧水があり、四万十の知名度を利用しただけのネーミングではない.

 

(長野沈下橋)

 

沈下橋の多くは、今も生活道として使われている.

アユやウナギを捕る姿が見られる.

 

(一斗俵沈下橋)

 

一斗俵(いっとひょう)は1935、昭和10年につくられた現存最古の沈下橋で、登録有形文化財である.

沈下橋はのどかに見えるが、付近での水遊びは極めて危険である.

川の中に橋脚の異物が立っているので、水中に渦が巻き、複雑な流れと深い淵ができる.

表面からはわからないので、よく水難事故が起きる.

ここでは、橋のたもとに大小二つの救命浮輪が置かれている.

 

4.小さな発電所

 

(水路橋)

 

道路に沿って、鉄製の構造物が続いている.

これは発電用の水路である.

 

(発電用水路)

 

四万十川に小さな堰があり、そこから引いている.

農業用水に近いが、現役で、電力会社の係員が点検を行っていた.

 

(松葉川発電所)

 

末端には、1925、大正14年につくられた発電所がある.

ここまでの落差は30m弱、長い水路で稼いできた.

最大出力は320kWで、多くのダム式発電所は2-4万kWだから、その1/100の、可愛らしい発電所である.

 

5.川に沿って

 

四万十川に沿って下るには、川の左岸(東岸)の道が普通であって広い.

これで十分にのんびりしているが、右岸(西岸)はさらにのんびりしている.

 

(右岸の道)

 

道は狭いが、通るのは地元の軽か、デイサービスの老人の送迎車くらいである.

行き違いに戸惑っていれば、向こうが気をきかせて譲ってくれる.

 

(暮れる四万十川)

 

川岸の草がなぎ倒されて茶色になっている.

先日の大雨のとき、ここまで水が来たのだろう.

 

 

(窪川、西川角)

 

小さな集落をときどき抜ける.

道に沿う用水路は、清冽な流れである.

民宿もある.

寂しければ、窪川の夜の街に繰り出すこともできる.

やがて、コンビニやホームセンターが現れ、窪川の町に入る.

四万十川はここで直角に流れを変え、向こうの山裾を流れてゆく.

 

(四万十川にかかる橋.手前が窪川の街)

 

高知に来て四万十川に行きたいという人は多い.

しかし、中村など下流に行くなら、一泊しないとハードスケジュールになる.

「上流」は近いし、沈下橋もあって、「ミニ四万十川」として十分に味わえる.

 

(おわり)

 

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コミュニティバス、仁淀川、中土佐、安芸

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2017年9月10日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

75 コミュニティバスで高知を観光3 仁淀川町、中土佐町、安芸市

市町村が運営するコミュニティバス.

地域の状況に合わせ、それぞれに特色がある.

田舎のバスだが、昔のように女車掌はいない.

しかし買物をアシストする、おばさんメッセンジャーは乗っている.

話し好きの運転手さんがいて、格好の高知の観光となる.

31路線ある仁淀川町、緑ナンバーの中土佐町、安芸市の山奥を訪ねよう.

 

2017年8月29日 最終版

 

1.仁淀川町

 

(コミュニティバスが行く.長屋)

 

仁淀川町は、高知の山間部、仁淀川流域に広がる.

仁淀川は急流の渓谷である.

川沿いに集落をつくることは困難で、山腹に家々が集まっている.

 

(国道から見上げる寺村.火曜日にバスがある)

 

町はこの12年で人口が2,200人減少し、現在は5,650人、平均年令は60.4才である.

160ある集落は散在しているので、コミュニティバスの路線は31にも上る.

それぞれが万遍なく週に1往復で、曜日が決められている.

バスは山の集落を朝に出て、午後集落に戻る.

その間3時間ほどあって、買物、通院に充てることができる.

どこでも片道200円となっている.

 

(役場のある「大崎駅」を出るバス)

 

時刻だけ見ると、バスが1週間山の上にいるようだが、もちろんそうではない.

回送で山に行き、山から戻るのである.

これはなかなか乗るのが難しい.

事前に連絡すれば、回送バスに乗れないことはないらしいが.

帰りの便は、乗客がいないと運休になる.

町には大きいスーパーがないので、まとまった買い物は、国道を走る路線バスで、越知、佐川に出る.

コミュニティバスのダイヤはその接続が意識されている.

31路線のダイヤ、乗務員の勤務体系など、その編成は大変難しそうだ.

 

(手前の桜、向こうの宗津とも、金曜日にバスがある)

 

(ひょうたん桜)

 

厳しい地域だが、山上の明るく開けた土地で、暗い印象はない.

ひょうたん形のつぼみをつける「仁淀のひょうたん桜」は有名で、たくさんの花見客が来る.

 

2.中土佐町高樋線

 

高知県内ほとんどのコミュニティバスは、市町村がその自家用車で運営する白ナンバーバスである.

ところが、中土佐町、四万十町だけは、都営バスなどと同じ、緑ナンバーの路線バス事業になっている.

事業者は有限会社の地元タクシーである.

 

(仁淀川町営の白ナンバーバス)

 

(四万十町の緑ナンバーバス.米奥)

 

事業用なら国交省の所管で、市町村営と違い、諸手続、管理など、より面倒と想像する.

どうしてそうなっているかはわからないが、既存路線バスの支線肩代わりという位置づけなのかもしれない.

 

(大野見.コミュニティバスが路線バスに接続)

 

中土佐町は、海岸の久礼と、四万十川の上流である大野見が、合併してできた.

コミュニティバスは、それぞれの地区で独立に運行され、その間に既存の路線バスがある.

大野見発のコミュニティバスは、路線バスから乗り継いできた老夫婦の家の前で止まる.

見ず知らずの我々にも、丁寧に挨拶をして降りられた.

 

(沈下橋)

 

集落を出て、小さな沈下橋を渡る.

四万十川に沈下橋は多いが、バスが通るのはここだけだろう.

 

(スーパー、みどり屋)

 

田畑の中に1軒のスーパーがある.

どうしてこんなところにあるのか、不思議に思うが、お客は多い.

名物は鶏の唐揚げだそうで、種々の味付けの冷凍パックが店内で売られている.

おばさんが一人乗ってきた.

やがてバスは1軒の家の前で止まり、出てきた主婦に刺身のパックを手渡した.

運転手によれば、おばさんはこのバスを利用して乳酸飲料の配達をやっているが、買物のメッセンジャーもやるらしい.

バスとタッグを組んだ地域生活支援である.

 

(高樋沈下橋)

 

沿線の高樋(たかひ)に四万十川最奥の沈下橋がある.

車窓からシャッターを押すと、運転手に、停めるから降りてゆっくり撮るようにと言われた.

事業用緑ナンバーだと雰囲気が違うかと思ったが、白ナンバーと何ら変わりはない.

 

(終点)

 

まもなく終点である.

バスは3方向に運行され、それぞれが週2日、一日に3-4往復走る.

根元の部分は重なっているので、日曜を除く毎日になる.

運賃は100円.

 

3.安芸市東川線

 

高知県東部の川は、山から直線的に流れ出る急流である.

その一つ、伊尾木川を安芸市のコミュニティバスが遡る.

市の時刻表では、1時間くらいの大井までは日に5往復、2時間かかる最奥の別役までは、週2日に2往復となっている.

自分の車で通っているが、週2日にせよ、定期運行できるだけの住人がいるとは思えない.

 

(安芸市バス、奈比賀)

 

安芸市バスの色は鮮やかで目立つ.

地味な色だと、視力の衰えた高齢者には見つけ難い.

やってきたバスに乗り、運転手に「別役まで」と告げた.

動き出したバスが止まって、「それは事前に申し込まないと」という.

案の定、デマンド区間になっているのである.

終点まで行くことは、月に一度あるかないかだそうだ.

「では大井まで」と言うと、何人か居た乗客は、口々に「それは無理だ.大井から歩くと別役まで5時間かかるよ」と言ってくれる.

自分としては、このバスに乗るだけでもよかったのだが、せっかく皆さんが親切に言ってくださるので、「出直します」とバスを降りた.

デマンドの往復が2時間となると、そのために車両と運転手を手配することになる.

頼めば対応してくれるだろうが、住民でもない者が物好きで乗るのはやはり気が引ける.

 

(大井.デマンド運行のあるときは車を留置する)

 

そこで思い付いたのが、安芸市に「ふるさと納税」をすることである.

住民税を払っているようなものだから、大きな顔?で乗れるというものだ.

 

 

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(おわり)

 

2017年8月26日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

74 高知の夏祭り、絵金、よさこい、夜須盆踊り

夏は祭りの季節である.

高知でも、8月初めのよさこい祭りをピークに、各地で祭りが行われる.

7月の赤岡絵金祭りがトップ、そして高知最大のよさこい祭り.

各地がそれに続く.

 

2017年8月18日 最終版

 

 

1.絵金祭り

 

幕末から明治にかけ、高知に絵師の金蔵(略して絵金)がいた.

江戸で狩野派を学び、高知の城下で活動したが、贋作の疑いをかけられて追放される.

やがて高知東部の赤岡に滞在し、依頼に応じ、芝居絵を多く描く.

赤岡は香宗川の河口にあり、富裕な商業の町であった.

時計、眼鏡、宝石の店が3軒あることからも賑わいがわかる.

昔からの家並があり、電柱、電線がなければ、いい町になるが.

 

(赤岡の旧道)

 

7月の夜、各家所蔵の芝居絵屏風が20点あまり、旧道沿いの店先に、ろうそくの明かりで照らされて展示される.

絵金祭りである.

 

(屏風絵の展示)

 

ただ、血飛沫が飛ぶ、など凄惨な絵なので、あまり子ども向きではない.

夜店もあるが、広場のビヤガーデン、ライブ、仮設バーなど、どちらかと言えば大人の祭りである.

 

(弁天座)

 

祭りに併せ、町内の芝居小屋、弁天座では、地域の人たちによる「絵金歌舞伎」が上演される.

三番叟などとともに、新作、絵金の生涯が加わった.

 

(ラスト、スタッフが総出)

 

着ぐるみや悪魔、外国人の侍が出たり、場面転換も早く、子どもが楽しめる歌舞伎であった.

絵に歌舞伎に、高知で一番ユニークな夏祭りである.

 

2.よさこい祭り

 

よさこい祭りは、1954年に、徳島の阿波踊りに対抗して始まった.

 

(徳島の阿波踊り)

 

当初は、いかにも阿波踊りの二番煎じであったが、1980年代にコンセプトを覆す大ブレークをした.

指揮と掛け声を行うトラック(地方車という)が先導する.

背面一杯のスピーカーから、大音響で音楽が流される.

「よさこい節」の一節を入れれば、あとはロック、レゲエ、和太鼓、何でもよし.

トラック上でバンド演奏のこともある.

 

(じかた車)

 

(踊り子さん)

 

踊りはマスゲームで、振付けは自由である.

手にした鳴子を打ち鳴らす、前進する、それだけが条件である.

衣装はチームごとに趣向を凝らすが、「よさこいファッション」というほかはない、派手かつ奇抜なデザインである.

 

(休憩中)

 

踊り、鳴り物、衣装など、基本には変わりがない阿波踊りとは大違いである.

そこが、個性を重んじ、自己顕示欲が強い?高知県民にアピールした理由であろう.

よさこいには、200チームあまり、18,000人が参加するが、ほとんどのチームは踊り子を公募する.

1チームは最大150人である.

5月、それぞれの公募の要項が、スーパーなどに置かれた掲示板、ネット、チラシで公開される.

参加費は、衣装、弁当、移動のバス代などが含まれるが、4万から2万円である.

有名であるほど高く、実績のないところは安い.

これを見比べて、自分の売り、衣装デザイン、クチコミを基にして応募する.

自分がその中でアピールできるかどうかが重要である.

チームとしての表彰はあるが、それと別に個人表彰がある.

9箇所の競演場(踊るだけの場所は他に7箇所)ごとに審査員がいて、優れた踊り子に、その場でメダルをかける.

 

(メダルをもらう)

 

有名なチームがいいかというと、そこでは目立ち難いということがある.

メダルが重なるほど、実績となり、自己のタレント性が高まるというものである.

札幌には飛び火した「よさこいそーらん」があるが、踊りのスタイルは似ていても、札幌市民がこの意識を持っているとは思えない.

 

3.手結盆踊り

 

夏祭りの三大要素は、花火、夜店、踊りである.

どれが欠けても夏祭りらしくない.

いま、盆踊りの輪に積極的に入る人は少ない.

子どもの頃、大阪の南河内に住んでいた.

古くからの集落で行われる河内音頭は、先端カジュアルウェアで踊る若い男女の交歓の場であった.

先日のテレビでは、踊りはもっぱら保存会風の人たちで、河内音頭よお前もか、と感じたのだが.

といってこれが無ければ、ただの花火大会である.

高知の夜須町・手結(てい)には、鎌倉時代の念仏踊りの流れとされる、400年来の踊りがある.

 

(手結の踊り)

 

音頭は4曲続き、それぞれに踊りがある.

歌詞にストーリーはなく、時代と共に順次フレーズがつけ加わってできたものと思われる.

音曲も民謡のようなメロディはないが、ご婦人が朗々と大声で歌い上げる.

踊りは地元で練習会があるが、学校では地域の文化として習う.

小さい子どもは友達を真似て踊る.

 

(夜店)

 

催しは海水浴場で行われるが、鉄道には臨時列車が出る.

夜店も賑わう.

航空路に近いので、花火は最終便が着陸してから始まる.

盆踊り開始から花火の終了まで、3時間近くあることも関係するだろう.

 

(花火の観客)

 

花火は海水浴場で行われる.

砂浜、階段になった護岸、ボードウォーク、芝生が観客席である.

ブルーシートで席を確保したりもするが、広いので、争ってということではない.

 

(水中花火)

 

花火は防波堤から打ち上げられるが、海面に向けて発射することもある.

水面で爆発し、波に映える.

 

(上空から)

 

近くの漁港や、丘でも見ることができるが、やはり頭上に降ってくるような至近距離に迫力がある.

 

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(おわり)

 

2017年8月7日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

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