57 高知の山のドライブ:瓶ヶ森の霧氷、天狗高原の夜明け

このエントリーをはてなブックマークに追加

四国を縦断して、背骨のように高い山が連なっている.

これらの山々が、各県の県境になっている.

そこには山岳道路もある.

東には、徳島県の標高1,954mの剣山がある.

そこから西に、1,500mクラスの山がずっと続く.

愛媛県の石鎚山は、西日本最高で1,982mである.

南に進むと、石灰岩のカルスト台地である、1,485mの天狗高原である.

石鎚山系の瓶ヶ森と天狗高原を訪ねてみよう.

 

2017年4月23日 最終版

 

 

1.  瓶ヶ森

 

(町道 瓶ヶ森線)

 

高い山の多くは、頂上かなり近くまで自動車道がある.

石鎚山には、北側からはロープウエイがあり、南側からは「スカイライン」で登ることができる.

ただし鎖を伝って登るなど、修行、登山の覚悟が必要で、観光気分では行けない.

愛媛県は、その瀬戸内沿岸がほとんど工場地帯になっているので、大変富裕である.

従って、県道の石鎚スカイラインは2車線で整備されている.

一方、瓶ヶ森は1,896mでやや低いが、車道から見通しの良い笹原を通って、頂上まで1時間もかからない.

小学生でも容易である.

こちらは、高知県の領域で、石鎚に繋がる尾根を通る林道で行く.

林道は「いの町道」なので狭い.

しかし、広いと自然破壊は進む.

ときどき大きく崩れ、町が維持するだけでも大変である.

 

kamegamorimuhyou

(沿道の山々)

 

北面から稜線にかけて、枝葉は桜が咲いたように白い.

似た高さの、屋久島、宮之浦岳は海から尖って聳えている.

海岸から頂上には直線距離で15kmほどである.

石鎚も海岸から山頂まで、同じような距離で近い.

石鎚山系は、あたかも屋久島が連なったような壁になって、海に面している.

北風は壁に当たり、急上昇し、急冷される.

そこで木々に霧氷を咲かせることになる.

 

muhyounoki

(霧氷)

 

瓶ヶ森まで登るつもりであったが、ガスの中である.

翌日にして、1,450mにある山荘に早々と向かった.

珈琲を飲みに立寄っているツーリングの若者たちはいるが、宿泊は我々だけである.

部屋を用意していただき、炬燵で昼寝やら持ってきた本を読むやら、夕方になった.

山荘は吉野川の源流域にあり、ブナ林から滲み出る水はまことに清冽である.

食後、薪の燃える前で、喉に染み入る水を肴に、白ワインを1本空けてしまった.

 

makinoakari

(山荘の火)

 

山荘の管理者の娘さんは小学生だが、通学では、麓に車で30分送ってスクールバスに乗せる.

バスは30分かかって学校に着く.

帰りも同じで、1時間以上はかかる.

町道は12月から積雪で通行止めになる.

山荘も11月末で閉ざし、一家5人は下に降りる.

 

isidutinoasa

(朝の石鎚山)

 

翌朝は晴れて、石鎚と海岸の町が見える.

管理者一家に見送られて、瓶ヶ森に向かう.

気温が高まり、霧氷が滴り落ちる.

 

 

kamegamorisantyou

(瓶ヶ森山頂)

 

2.天狗高原

 

四国の山は石灰岩質のところが多い.

天狗高原は、侵食され、広大な土地に石灰岩が点々と露出するカルストになっている.

昔は焼畑農業が行われたが、現在は一面ススキの原になっている.

 

tengunosusuki

(天狗高原)

 

tengunomiti

(夕暮れのカルスト台地)

 

 

登るにはいくつかのルートがある.

一般的には、197号から2車線の東津野城川林道を通る.

地図などでは、国道、県道を通るルートが示されるが、こちらは逆に狭くて、屈曲が多い.

林道は、1969年に計画がつくられた、土佐清水から伊野北部に至る、延長188kmの幹線林道計画の一部なのである.

本来の伐採、運搬の用というより、観光路線になっている.

これより北にある小田池川林道も、同じように大規模だが、どこにも繋がっていないので交通量はゼロに近い.

繋がれば観光路線になる要素はあるのだが.

今回は梼原から、龍馬脱藩の道、韮ヶ峠に上がった.

高原の道は、尾根を緩やかなうねりで続いている.

春から夏は牛が放牧されるが、今は牛舎に戻っている.

 

tengusou

(宿舎の朝)

 

高原にはT荘がある.

山の上に旅館があるイメージで、格別変わってはいないが、夜には星の観察会がある.

高知市内から車で2時間程度、町営バスもあり、日帰りが十分可能である.

泊り客も多い.

山上の道は冬季閉鎖されるが、ここは年中の営業である.

ただ下から登る車道には、厳冬に積雪、凍結がある.

 

tengunoyuki

(橇遊び)

 

高知で雪遊びができるところはほとんどない.

ここには元スキー場の斜面があり、子どもたちがレンタル橇で遊ぶ.

上は結構急斜面で、速度が出てひっくり返ったり、ぶつかったりしているが、高知ではすべて自己責任である.

高原で泊まるには晴天に限る.

雨なら雲の中である.

秋の朝、日の出前5時半には、ほとんどの泊り客が表に出てくる.

朝日が昇る.

 

tengunoasahi

(高原の朝日)

 

低い谷間は雲海である.

tennguunkai

(麓を見下ろす)

 

関連記事リンク:高知の雪国・梼原と脱藩の峠

楮佐古林道のダート道

高知学トップページに戻る

 

(おわり)

2016年11月19日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一