47 四万十川の沈下橋と中村の夜、孤独な海水浴

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高知を代表する観光地として、四万十川がある.

長さは約200km、河口が中村である.

四国では、早明浦ダムがあり、高知の奥から徳島まで流れる、吉野川の方が長いように思える.

しかし四万十川は、山の間を緩やかな勾配で、あちこちと蛇行するため、それよりも長い.

四万十川は、上流、中流、下流に分けられる.

河口近くの海岸は穏やかである.

 

2017年3月31日 修正版

 

 

1.四万十川の流域

 

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(朝の四万十川、中村)

 

上流は渓谷から出て、のどかな田園を流れる.

中流は著しく蛇行している.

もう少しで、三日月湖ができそうなところが多い.

下流には長い沈下橋があり、川幅が広い.

一般の「四万十川」イメージである.

 

⒉ 沈下橋

 

沈下橋は、流れや流下物に逆らう欄干がなく、増水のときは水面下に沈む.

降雨量が多く、川の増水が頻繁な高知でよく見られる.

川幅が広かったり、谷が深かったり、橋脚の高い架橋工事が困難であった時代につくられた.

 

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(三里沈下橋)

 

増水のときには、もちろん渡れない.

しかし、多少水を被ったくらいなら渡れるという.

その際のコツは、対岸のたもとの一点を見つめて歩き、足元を見ないことだそうだ.

下を見ながら歩くと、流れに惑わされ、方向を見失って踏み外す.

まあ真似しない方が良さそうだが.

 

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(内川川 古尾)

 

四万十川は川幅が広いので、長い沈下橋である.

一方、合流する後川の支流には、可愛い沈下橋が見られる.

対岸に立つ家や野良に向かう、個人的?な橋である.

上流に廃校になった小学校があった.

大きい運動場や体育館があるが、プールだけがない.

近くに居た人に訊くと、「みんな川で泳いだからね」との答えであった.

 

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(内川川、竹屋敷)

 

最小の沈下橋は、丸木橋の発展形である.

車で橋を渡っても、右にも、左にも行けそうにない.

 

3.水難事故

 

毎年、四万十川、仁淀川、物部川のどこかで水難事故がある.

事故まで至らなくても、泳いでいた若者がやっとの思いで岸にたどり着き、倒れ込む姿を見る.

想像してみてもいただきたい.

沈下橋をはるかに越える激流が、川幅一杯に流れる光景を.

昔は降雨後一日で増水したが、山の保水力がなくなったので、今は半日で増水する.

それだけ流れは激しくなる.

そのような激流の状況や、川での危険の対応を記した観光パンフレットはない.

あるのは、のどかな風景、河原で無邪気に遊ぶ風景である.

しかし、その中に危険は潜む.

激流で川底が削られ、急に深い淵ができて、渦が水面下に巻いている.

流された砂利が部分的に積もり、踏み込むと崩れる.

静かな川面からはわからない.

川には、人を狙って引き込もうとするカッパが住んでいると思った方がよい.

カヌーやラフティングでは、ライフジャケットを付け、インストラクターが時間をかけてティーチングを行うのだが.

 

4.中村

 

中村は高知県で2番目に大きい町である.

高知から中村に特急で1時間40分、高松には2時間だからそう変りない.

東西に長い高知県の、西部の中心となっている.

特に産業はないし、港もない.

江戸時代から、行政出先機関と商業の町であった.

今も国や県の出先合同庁舎があり、企業の出張所もある.

ホテルも多い.

そんなこともあって、夜の居酒屋は数十近いだろう.

またそのレベルも高い.

 

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(夜の中村)

 

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(昼の中村)

 

通りごとに、品の良い街灯が並んでいる.

ただし、夜は良いが、昼は電柱と電線が見苦しい.

 

5.河口

 

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(四万十川の河口、遠くに中村)

 

中村は河口の町だが、実際の河口は6kmほど先である.

川幅は広く、1kmほどある.

高知の居酒屋メニューの定番は、テナガエビの唐揚げとアオサノリの天ぷらで、二つとも四万十川の産物である.

ところが、いまアオノリ、アオサノリは非常に不作だという.

生育には塩分が必要だが、河口に土砂が堆積し、海水が流れ込まないためだそうだ.

 

6.孤独な海水浴

 

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(入野海岸)

 

中村の東、入野海岸は長い白浜と松林が続く.

遠浅で、長い波が寄せ、サーフィンのスポットである.

しかし、離岸流があるとのことで、遊泳禁止になっていた.

今年再チエックの結果、西の端は可能ということになり、海水浴場が開かれた.

しかし、だれもいない.

監視小屋の二人の若者は所在なげである.

近付くと、むっくり起き上がったが、海水浴客でないと見て、再び寝転がった.

その後、サーファーがサメに噛まれる事故が起こってはいるが.

 

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(布漁港)

 

中村は足摺岬への入口である.

国道は山の中を通っているが、河口から海岸沿いに狭い道を辿ることもできる.

小さな漁港の傍に浜があって、女の子が一人、浮輪で水に入ったり、砂を寄せたりしている.

監視のテントでラジオを聞いている男性に、「一人では寂しいね」と話しかけた.

「去年までずっと兄ちゃんと二人で来ていたのだが」との答えであった.

兄ちゃんは外に行ったのか、それとも「妹なんかと」ということなのか.

 

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(おわり)

2016年7月15日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一