37  高知移住非公式ガイド 1:移住での人間関係、よそ者の心構え

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都会から地方への移住が望まれている.

移住での心構えは何だろうか.

新しい土地に住む場合、居住地、近隣との人間関係が最重要であることは言うまでもない.

それは、だれかが面倒をみてくれるものではない.

自分で築き上げるものである.

特に、高知は異文化の土地である.

3回に渡って述べる.

 

2017年3月24日 修正版

1.まえおき

 

これから述べる内容は、個人的な身辺の体験談ではないことを、お断りしておきたい.

大阪、東京では、古い村と新しい住宅地が混じった地域で暮らしてきた.

また日本各地を、仕事や旅行で歩いた.

高知については、移住して以降20年の中で、各地で見聞したケースを基にしている.

 

(写真は本文と関係ありません)

 

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2.移住

 

全国どこの自治体でも、移住者の誘致で述べていることは、ほぼ同じである.

1)生活費が安い

2)食べ物がうまい

3)人々が親切である

ホームページを見ると、観光ムードの写真で、何やら不動産業者の広告のようである.

しかし、人間社会、万事桃源郷のようにはゆかないのもまた真実である.

 

3.人間関係

 

地方への移住を考える場合、当たり前のようだが、大変誤解を生みやすいことがある.

「都会の人間関係で疲れたから、田舎の自然の中で過ごしたい」

 

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たしかに田舎に自然はある.

一方、都会での行動範囲は広く、そこで接触する人間は、ほとんどが不特定多数である.

しかし、田舎はクローズドな空間であり、周囲は顔を見知った少数の人間である.

それだけ人間関係は濃密である.

昔、ある山間部の工場を見学した.

「今月の目標」として、「告げ口、陰口はやめましょう」と掲示がされていた.

 

4.移住に伴う問題

 

田舎では、「よそ者」は嫌われるという.

しかしそれは、おおむね移住者に原因があるように思われる.

1)水路の補修、畦道の草刈り、清掃など、村の作業に出てこない

都会ではすべて自治体がやってくれる.

しかし田舎では、全部自分たちでやらなくてはならない.

これらの労働に対して、役場が「田役」として、地域の自治会に補助金を出す場合もある.

2)村の祭り、冠婚葬祭、防災訓練など、地域の行事に参加しない

共同体の維持には必須であるが、これらに参加しないようでは、村の一員とは認められない.

逆に言えば、上の2点さえ満足すれば、「よそ者」ではなくなる.

いくら過疎でも、これらができなければ、移住したとしても、単なる自治体施策の人数合わせでしかない.

「3年以内の離職者」となってしまう.

 

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5.移住者の心構え

 

移住者は、その地域にとっての「新入社員」である.

その心構えは参考になる.

以下は、日本経済新聞に掲載された「新社会人の心得」である.

1)訊くは一時の恥、訊かぬは末代の恥

(何でも訊けるのは最初の内だけ)

2)先輩や上司に好かれるよう努力する

(助けてあげたいと周囲に思わせる)

3)報、連、相

(報告、連絡、相談を欠かさない)

4)進んで雑用を引き受ける

(雑用をこなす内に仕事を覚える)

5)基本を大事に

(謙虚な気持ちで向き合う)

移住者に当てはまるのではないだろうか.

「これができるようなら、田舎に来ないわい」という人もいるかもしれないが.

 

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6.四国の文化

 

北海道から鹿児島まで、仕事で全国各地の工場を訪問した.

その中でもっとも印象に残ったのは、四国である.

何かいいところがあれば取り入れようという姿勢を感じる.

素直な意見交換ができる.

こちらも、何か共同でやりたい、役に立ちたい、という気持ちになる.

何故なのだろうか.

それは「四国島」という島国だからではないかと思われる.

九州も北海道も「島国」なのだが、それぞれ福岡、札幌を「首都」とする独立国である.

何かしらそこには独自の思想があって、他の介入を許さない印象がある.

四国にはこのような「首都」がない.

小規模な地域が、それぞれに島外とつながっている.

「なにするものぞ」の大国意識はなく、フレンドリーである.

東京から移住する機会があったとき、四国は良いと思った.

 

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7.高知に住む

 

移住は高知になった.

四国各県には行ったが、高知は周辺地域だけで、主要部には行ったことがない.

関係する工場が無かったからである.

その理由は、あまりにも用地の買収が進まなかったため、と聞いていた.

未知の土地だったので、期待した.

 

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どこに住むか、ということになる.

土地を手に入れ、家を建てた.

住み始めて、仕事をして、あちこちを訪ね、多くの人と接した.

直ちに、高知が日本の中で、非常に変わった文化の土地であることを知った.

そう思ううちに20 年近く経ったが、今もその印象は変わらない.

その2では、どこが変わっているのか、なぜそうなるのか、移住者はどう対応すればよいのか、考えてみよう.

 

リンク:高知の移住非公式ガイド 2

                 高知の別荘地

 

(おわり)

 

2016年2月21日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一