15 高知の別荘地.どんなところ?だれがいる?別荘の心構えは?

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高知は海に面した温暖な土地である.

高知は別荘に適している.

東京から高知に引越すとき、予定の土地は、別荘地として造成されたところであった.

参考のため、首都圏で別荘地として知られる、伊豆高原を訪ねてみた.

結論として、伊豆高原と高知は、ロケーションにしても、別荘の使われ方にしても、何ら変わりはない.

高知の別荘の現状を述べ、別荘を使う上での「別荘学」を考える.

 

(2017年4月8日 修正版)

 

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1.高知の別荘地

 

(高知の海)

 

近隣である、香南市から芸西村にかけての別荘地の現状報告である.

 

1)別荘地A

 

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(別荘地A)

 

以下A、B、Cは、昔「別荘ブーム」の頃に、不動産会社によって造成された土地である.

別荘地なのであるが、特段交通が不便なところではないので、最近は永住者が増えている.

Aは、国道55号のUホテルに近い、海に面した断崖の上で、もっとも別荘地らしい.

そのこともあって、早くから立派な別荘が建っている.

ウオーキングで調べたが、36軒あって、永住が13、手入れされている別荘が8、残り15は放置された空家である.

今も新しく別荘や住宅が建てられているが、空家が多いと何か寂しい雰囲気になってしまう.

 

⒉) 別荘地B

 

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(別荘地B)

 

住んでいるので詳しい.

18年前は15軒で、永住6、別荘3、空家6であった.

現在は28軒で、永住18、別荘5、空家5である.

人口は18年前、大人16、子供9であった.

現在は、大人43、子供13で、大幅な人口増加である.

空地が多かったので、新築が容易であったためである.

 

3)別荘地C

 

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(別荘地C)

 

国道から山に1kmほど入るので、閑静だが子供の通学は不便になる.

ただし、通学バスは寄ってくれるようだ.

最近宅地としての使用を諦めたのか、ソーラー発電施設をつくった土地が目立つ.

そうすると住宅地と工場地帯が入り混じった印象になる.

 

4)別荘地D

 

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(別荘地D)

 

研修施設の法人が造成した土地で、眺望は抜群である.

真下にKゴルフ場が見えるが、山腹を直下するわけにはゆかない.

海岸から曲がりくねった山道を20分はかかる.

日常の居住には不便であり、ここはやはり別荘地である.

天体観測ドームを設けた別荘もある.

 

5)別荘地E

 

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(別荘地E)

 

別荘地というより、自然発生的に住宅が集まった地域である.

以前古い老人ホームがあり、暗い印象であったが、移転したので雰囲気が変わった.

ただ計画的につくられていない.

道路が狭いのと、いい景観と思って建てても、すぐ前に別の家が建ったりするので、注意を要する.

 

2.別荘学

 

1)別荘は仙人の生活ではない

林の中や渓流沿いの道を走ると、とんでもない山の中に、朽ちた建物がぽつんと立っているのを見る.

別荘の残骸である.

人里離れた自然の中で、散策や読書に釣り、といった高邁な考えでつくったのであろうが、これは成り立たない.

草木は茂る、谷川は雨で濁る、虫も多い、買い物も容易でない、など自然との格闘で、ひと月で逃げ出したくなるのではないか.

過疎地の最後の住人を自分で作っているようなものである.

 

 

2)別荘は普段の家以上に快適でなくてはならない

別荘だから、田舎暮らしだから、ということで簡素な小屋が建てられていることがあるが、これも捨てられている.

一部屋で十分、隙間風も自然のうち、トイレはポットン、などと修行ではない.

わざわざ時間と金をかけて不自由な生活に来ることはない.

普段の住家より快適であって初めて、来ようという気持ちになる.

3)別荘は仕事の場である

軽井沢などに作家や画家が別荘を構えている.

これは静かな環境で仕事をするためのものである.

普通人でも、別荘に来て仕事をすることを楽しみにすると「別荘生活」が成り立つ.

近くにある別荘は、大阪で商売をしている女性の持ち物である.

年1回しか来ないが、来ると高圧噴水機を持って家を洗い、盛大に洗濯をしている.

これが楽しみらしい.

また、別の家で週末に来る人は、エンジン芝刈機で芝生の手入れをすることを主な目的にしているようだ.

別荘は仕事のためにある.

4)別荘は維持費がかかる

昔の軽井沢では、じいや・ばあや、が居て別荘を守っていた.

今はシルバー人材センターがその役を果たしている.

前述の女性の別荘には、週1回シルバーの人が来て、内外の手入れや掃除をしている.

これくらいしないと、1軒を維持することは困難である.

半年や年に1回の手入れでは、次第にみすぼらしくなる.

5)別荘は日本人に馴まない

 

アメリカ人作家、ポール・セローの「海の王国」は、英国の海岸を徒歩と鉄道で一周した紀行である.

ロンドンに住む人たちが海岸で過ごす様子を次のように書いている.

「夫婦が乗った車が前を海に向けて並んでいる.

海岸には物置ほどの小さなバンガローが連なっている.

泊まることはできないが、所有したり、借りたりすることができる.

そこで人たちは、ぼんやり海を眺めるか、新聞を読んでいる.

サンドイッチを食べ、お茶を飲んでいる.

会話を交わすことはない.」

海岸に来て20年近くになるが、このような人たちを見たことがない.

自分にしても、浜に寝転んで波の音を聞き、青い空を行く雲を眺めていると、いいなあ、と思う.

3分もすると、さて、と立ち上がる.

日がな一日寝ていると、変な人がいる、と通報されかねない.

リゾート地のパンフレットには、「時間がゆっくり流れる」、「非日常の世界で多忙を忘れ」などと書いてある.

実際に行けば、「スキューバで疲れた!さあディナーショー!次はテラピー!カラオケ!」と忙しく動くことは間違いない.

別荘も同じである.

最初は面白いが、やがて何をするの、ということになり、バーベキューで使うのが関の山となる.

日本人は絶えず何かをしていないと落ち着かない民族らしく、のんびり、ぼんやり、は馴染まないようだ.

 

付記:

津波浸水マップ、および豪雨による浸水・崖崩れのハザードマップが自治体で公表されている.

 

リンク:高知の移住非公式ガイド 1 

    宿毛から柏島の断崖と入江

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(おわり)

2015年4月16日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一