61  ごめん・なはり線で高知の呑み鉄.高知一高い酒、日本一海に近い駅

鉄道ファンが増えるとともに、いろんなジャンルができている.

その中に「呑み鉄」という分野があるらしい.

鉄道に乗って、呑みながら旅をする.

降りて、付近の居酒屋や酒蔵を訪問しては呑む.

高知ではどこがあるだろうか.

土佐くろしお鉄道、ごめんなはり線である.

JR土讃線を後免で分かれ、終点奈半利まで42.7km、第三セクターの鉄道である.

真っ直ぐ行けば1時間だが、途中下車を繰り返して乗ってみよう.

 

2017年1月29日 最終版

 

1.吉川

 

(吉川)

 

後免を発車した1両の列車は、野市を出ると田園になり、吉川に着く.

最初の酒蔵、どぶろく工房香南がある.

右に畦道を歩けば約1kmである.

 

(どぶろく工房香南)

 

元はコンクリート工場で、鶏や山羊が遊んでいる.

だれも酒蔵とは思わないであろう.

ところが、ここで作るどぶろくは、3年連続、全国の優秀賞を受けている.

米、水、酵母など、徹底してこだわった結果である.

ごめん・なはり線では、このどぶろくを呑む列車が運行される.

500mL、2,500 円のものを買う.

しかし、あるじの探求心は留まることがないようで、今度750mLで4,500円のどぶろくを売り出した.

高級レストランのワインリストに載る価格帯である.

定評の「土佐鶴天平」を上回り、高知でもっとも高価な酒が現れた.

 

2.赤岡

 

(赤岡)

 

赤岡から海岸に出る.

高木酒造「豊の梅」は近い.

しらす(ちりめん)の直売所がある.

これを肴に岸壁で呑む.

高知で観光客に、「しらす丼」はどこで食べられるかと訊かれる.

あまりにも日常的なので答えに窮する.

スーパーやコンビニでご飯を買って温めてもらう.

そこにシラスをぶっかけて食べる.

なくなれば継ぎ足す.

100や200gはあっという間になくなる.

好みで醤油などもらっておいて、かけてもよい.

 

3.夜須

 

(夜須の海岸)

 

夜須には海水浴場があり、砂浜にはボードウォークがある.

ここは絶対ビールだろう.

インド料理店があり、テラスで生ビールとナンを摂ることもできる.

 

4.西分

 

(西分駅に入る)

 

夜須からトンネルを出ると、琴が浜に沿って7km走る.

ハイライトである.

西分のホームは海に面している.

聞こえるのは、波の音と松を渡る風の音だけである.

海に近い駅は北海道や東北にもあるが、寂しくて、海を楽しむ気になり難い.

四国にも他にあるが、傍を国道が通ってうるさい.

ごめん・なはり線でも、隣の和食(わじき)は列車交換の駅で、ホームが二本あり、さほど景色はよくない.

その先の赤野ではホームが山を向いている.

JR始め、ほとんどの全国の鉄道を乗ってきたが、西分が間違いなく、日本でもっとも海に近い駅と断言できる.

 

(西分のホーム)

 

ここで呑むのは何がよいだろうか.

ビールや酒でもよいが、ほとんど乗降客はないとはいえ、無人駅を独占しての酒盛りはよくない.

それなら下の砂浜に出ればよい.

ここはひとつシェリーはどうか.

高速で通過する快速列車など眺めながら舐める.

 

(松林を走る)

 

5.煙突

 

田舎で車窓から煙突が見えると、そこは造り酒屋である.

米を蒸すときに使うもので、酒蔵のシンボルである.

今では薪を使わないから、使われてはいないが.

 

(響灘)

 

西分駅を下ると、響灘の煙突が見える.

白い煉瓦で名を入れた、低いが凝った作りである.

いまは醸造をやっていないが、コンビニ的酒屋をやっているので、呑み鉄の酒を仕入れることができる.

 

(志ら菊)

 

一つ先、和食(わじき)駅からは北に仙頭酒造、「志ら菊」の煙突が見える.

 

(玉川)

 

さらに次の赤野からは、旧道にある有光酒造「玉川、安芸虎」の酒蔵が近い.

安芸に着けば、これも旧道に、菊水酒造「菊水」がある.

さらに安田まで行けば、一帯は酒の宝庫である.

町中には、南酒造「玉ノ井」の古いたたずまいが見られる.

冷用酒「南」が高知でよく呑まれている.

海岸には、高知一で全国銘柄「土佐鶴」の本拠がある.

ただし、主力工場は台地の上にあるので、「司牡丹」の佐川と違って、街中にはあまり酒の香がしない.

もう一駅、田野では、濱の鶴酒造「美丈夫」が、がんばっている.

 

(美丈夫)

 

6.奈半利

 

次駅、奈半利が終点である.

ホームは高架の3階で、1本の線路がぷっつりと終っている.

それぞれの蔵で買い求めた酒が重い.

 

 

 

同じ階にイタリアンがあるので、休んでゆこう.

パスタでワインをやり、鉄橋を渡って次の列車がやってくるのを待つ.

 

(奈半利駅で)

 

高知のI石灰会社では、このほどワインの醸造を始めた.

良質の石灰質の土地、シャブリに匹敵する完成を願いつつ、高知の飲み鉄の旅を終える.

 

関連記事リンク:高知のどぶろくと酒蔵

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(おわり)

 

2017年1月18日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

60 高知で魚グルメ.カツオ、ヨコワ、イシモチ、クエ、イワシ

およそ高知で食品を売るならば、カツオを扱わない店は、地域の存在として認められない.

刺身にせよ、たたきにせよ、短冊にせよ、切身にせよ、県民の主食に近い.

では、どのように高知県民は食べているのだろうか.

また、カツオ以外にはあるのだろうか.

獲る、買う、食べる、に対する県民の関わりはどうか.

高知の魚グルメを探ってみよう.

 

 

 

2017年1月14日 最終版

 

1.我家のメニュー

 

個人的ながら、我家から始める.

カツオのたたきであるが、ブロックを買って、食べる直前に焼く.

 

tatakiwoyaku

(カツオを焼く)

 

年末、いつもの魚屋に、予めカツオを頼んだら、入るか入らないかわからない、と言われた.

遠洋の冷凍でなく、近海ものだからそうなる.

わからないから予約というわけにもいかない.

しかし、そこはさすがに高知で、見事なブロックが手に入った.

個人の家では、藁焼きは難しいので、ガスの火で炙る.

電磁調理器では焼けないから、このためにガスにしている.

脂が滲み出て滴り、パチパチと線香花火のように弾ぜる.

 

kinmenohimono

(キンメダイの干物)

 

来客メニューの一つはキンメダイの干物である.

魚屋で真っ向唐竹割りに捌いてもらい、塩水につけた後、網の箱に入れて天日で干す.

見た目もきれいだが、ほっこりとした味で、酒もごはんも進む.

先日は家の中のコンロで焼いたので、翌日も部屋に炉端の香がした.

 

urumeiwasi

(ウルメイワシ)

 

近所の方から、「たくさん釣れたので」とイワシのお裾分けを頂戴した.

ムチムチ、ピカピカとしている.

スーパーでも売っていて、十分に新しい.

しかし、一本釣り(1本の糸に針を複数つけるサビキだが)の直送にはかなわない.

早速鮨にした.

 

2. ニベ

 

(西分漁港)

 

近くの漁港に行ってみた.

仲買と魚屋のご夫婦、地元スーパー主人の顔が見える.

これが今日並ぶのだろう.

見慣れない大きい魚が揚がっているので、訊くと「ニベ」との答えだった.

別名はイシモチで、耳石が大きいところから、そういうらしい.

また、「頼みをにべもなく断る」は、これに由来する.

ニベからつくる膠は強力だが、でないと縁が薄いということによるそうだ.

 

3.ヨコワ

 

(ヨコワ)

 

12月、地元スーパーの棚にはヨコワのブロックがずらりと並んだ.

高知では「ヨコ」と呼ぶ.

マグロは粘っこい、しかしハマチはあっさりし過ぎる.

その中間の舌触りで、どの魚よりも刺身が好きである.

漁師によれば、何年も獲れなかったが、今年は異常に獲れているという.

ただ、これはクロマグロの子供であり、漁はあまり好ましくないとされてはいるが.

 

4.クエ

 

(安芸の鮮魚店)

 

年末、安芸の鮮魚店に行ったら、クエが出ていた.

 

(クエとキンメダイ)

 

キンメダイも深海魚で高いが、クエは9,600円と破格の値段である.

正月、大人数で鍋や刺身などやるのだろう.

1月に行ったら、鍋用に切身を売っていた.

大きい魚だが、でれっとした身ではなく、ちりちりと締まった筋肉質である.

うまそうだが、やはり一盛り1,500円と高価である.

 

5.ボラ

 

(手結 黄堤防)

 

近くの手結港、黄色の灯台がある堤防は、穏やかな入江に面している.

釣果が多く、ファミリー恰好の釣場となっている.

鳥もファミリーの一員である.

一家で竿とお弁当を持ち、出かける.

近所の小学生S君は釣りが好きで、下の漁港に自転車で行く.

お母さんからは、二人で行くこと、ライフジャケットを必ずつけること、厳命されているらしい.

「小鮒釣りし」ではなく、「小鯵釣りし あの海」である.

 

(琴が浜)

 

夕方の海岸では、車を降りて釣竿を出す仕事帰りの人をよく見る.

浜に竿を立て、じっくり取り組むのもいるが、この人は手軽なイカ狙いらしい.

この少し沖では、この2,3日、ボラがよく跳ねている.

写真に撮ろうとするが、なかなか難しい.

望遠なので視野が狭く、どこで跳ねるか予測がつかない.

何回かやっている内に要領がわかってきた.

群れで一定の移動をしているようだ.

そのあたりに波が立つ.

そこを狙ってシャッターを押す.

能登の七尾湾のボラ待ち櫓は、その下の網の上に群れが来たところで引き揚げ、一網打尽にするのだそうだ.

 

(跳躍!)

 

なぜ跳ねるかは、わかっていないという.

群れで周囲が狭苦しくなって、脱出するのかもしれない.

勢いよく、かなりの距離を飛んでいる.

学校の水泳で飛び込みに失敗して、腹を打つのと同じで、岸までバシッという着水の音が聞こえてくる.

痛くないのだろうか.

ボラの味は水質によるそうだ.

下の堤防を根城にする釣師は、この辺りは水が良いので美味い、と言っていた.

ウチのお母さんは、ボラを捌きたくない.

つぶらな瞳で、鼻先が丸く、口も控えめである.

どことなく人の顔に似ている.

 

 

リンク:

魚を獲る、買う、食べる

室戸岬と室戸の魚

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(おわり)

 

2017年1月8日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一