59 JR四国のバースデイ切符で四国西部を回る

JR四国の「バースデイ切符」.

誕生月の3日間、特急グリーン車乗り放題で10,280円、同伴者も同じ金額のお得な切符である.

12月が誕生月で、毎年利用する.

いつも、乗り回す体力勝負になっているので、ウチのお母さんは遠慮する.

土讃線土佐山田を朝出て西に宿毛へ.

宿毛から宇和島へバスに乗るが、これは切符の範囲外で別途支払い.

宇和島から松山、丸亀を経由し、夜に土佐山田へ戻る.

 

2017年1月1日 最終版

 

 

  1. 土讃線

 

%e5%b1%b1%e7%94%b0%e3%81%ae%e6%9c%9d

(土佐山田)

 

非電化の駅には架線が無く、凛とした空が広い.

高知城が朝日を受けている.

しかし、北の山並には、厚い雪雲がかかる.

西に、土佐久礼は海岸である.

運転席のディスプレイには、「津波浸水区間」などと表示されている.

ここから12km登る.

 

sakawoagaru

(久礼坂を登る)

 

登ったところは四万十川流域である.

窪川からは、土佐くろしお鉄道線となる.

長髪の運転士と、女性車掌に代わる.

その先の川奥信号場で予土線と分岐し、ループ線となって1周して下り、この駅の真下に出てくる.

トンネル内の一定の曲率なので、ループを通っている実感はないが、運転席の前を見ているとかなりの急曲線である.

 

zuidouwoderu

(トンネルを出る)

 

出ると海岸になる.

四万十川は、このループで降りてきた標高差によって、河口まで流れているわけである.

 

kaiganwomiorosu

(沿線の海岸)

 

2.宿毛線

 

中村1037着   宿毛行普通列車1041発

 

特急は中村迄で、宿毛には乗り換える.

以前は、ほとんどの特急が宿毛迄運行されていたが、今は乗客減と経費節減で、上下併せて3本だけである.

しかし普通車両の窓は大きく、インテリアも明るい.

 

sukumosensyanaikaitei_edited-1

(普通列車宿毛行)

 

simantowowataru

(四万十川)

 

四万十川の長い橋梁を渡る.

 

3.宇和島へ

 

1037  宿毛着  1042 宇和島行バス発

 

「ミッシングリンク」という言葉がある.

もともとは、猿人と人類の間を繋ぐ化石が見つからないことを意味している.

しかし昨今では、もっぱら環状となるべき高速道路の未開通区間として使われる.

四国の鉄道ならば、東の甲浦から室戸を回って奈半利まで、西の宿毛から宇和島までが「ミッシング」である.

高速道路も似たような区間が「ミッシング」である.

高速道路のミッシングリンクは大いに叫ばれるが、鉄道のミッシングリンク解消の「悲願」は聞かれない.

 

sukumoeki

(宿毛駅前)

 

車内に、時折澄んだ鈴の音が聞こえる.

老婦人のお遍路さんのものである.

どのような発心かはわからないが、バス、鉄道を乗り継ぐのも回数が多い訳ではないし、なかなか大変である.

40番、観自在寺のお参りである.

自分の車でこの辺りは通っているが、町は大体バイパスである.

バスは律儀に旧道の町々を通るので、印象は大分異なる.

城辺など、バスターミナル、ビジネスホテルや長い商店街があって、意外に大きい町である.

ただ多くはシャッターを閉ざしているが.

近くの山は白い.

豊後水道から吹きつける西風が冷たいのだろう.

宇和島に近づくころ雨が降り出してきた.

1,800円を支払って降りる.

 

uwajimaeki

(宇和島駅)

 

4.松山へ

 

宇和島1228着 予讃線特急宇和海18号 1358発

 

uwajimaekikounai

(宇和島駅ホーム)

 

宇和島城へとも思っていたが、慌ててコンビニ傘を買うような降りである.

地元の料理は何回か食べているので、横丁の落ち着いたラーメン屋に入った.

松山との間の特急宇和海は、松山でも宇和島でも、すぐに折り返す効率的な運用である.

そのため、基地に戻らず、ホームに停車中に給油ができるようになっている.

 

mikanbatake

(法華津峠へ)

 

法華津峠に向けて登る.

一帯はみかん畑である.

大体は取りいれされているが、ところどころ電燈がついたように橙色の実が残る.

 

amenohatake

(雨上がり)

 

やがて雨は止み、雲だけが残る.

 

matuyamaekitokkyuu

(松山)

 

松山は高架化準備中で、車両基地、貨物ターミナルの移転工事が進められている.

乗換に便利なように、岡山行、宇和島行特急が、同じホームに付き合わせて停車する姿がなくなる日は遠くない.

 

5.予讃線

 

松山1628発 しおかぜ26号 丸亀1830 着

 

松山の改札で切符を見せると、駅員に「おめでとうございます」と言われた.

繁華街の大街道まで路面電車に乗る.

「坊っちゃん列車」に出会う.

乗務員は、吹きさらしだし、終点での人力による方向転換などハードな仕事である.

しかし、誇りを持ってやっている様子は、観光客にうれしい.

 

yuugatasetouti

(瀬戸の夕暮れ)

 

瀬戸内の島に冬の夕暮れの雲が広がる.

丸亀で土讃線に乗り換える.

 

marugametokkyuu

(電車特急しおかぜ)

 

駅前の猪熊玄一郎美術館のエントランスに明かりが点る.

 

marugameekimae

(丸亀駅前)

 

6.土讃線で帰る

 

丸亀1846発 南風21号  土佐山田2037着

 

土讃線は阿波池田を過ぎると山の中である.

窓外は真っ暗で、時折ぽつりと灯が見える.

他に誰もいない車室の中に、エンジンの音が絶え間なく高く低く響き、闇の中を右に左に曲がる.

この旅が行方知らずで、いつまでも続くような気持になる.

疲れたのかもしれない.

 

yamadanotuki

(土佐山田)

 

夜の駅は無人である.

切符を集めて回る車掌の向こうに月が見える.

 

関連記事リンク:特急グリーン車乗り放題で四国東部を回る

        鍋焼きラーメンの須崎が日本を支える

高知学トップページに戻る

 

(おわり)

 

 

2016年12月25日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

58 高知でジビエ料理.ハクビシン、シカ、イノシシ.肉の販売店は?

毎年、高知県民の投票によって、高知でお勧めの料理店を選出する、「高知家グルメガイド」の催しがある.

結果はパンフレットになって、観光案内所などで配布される.

これまで、鰹たたきの店が、1位を続けて獲得していた.

ところが2016年では、高知市内のジビエレストラン、Nが県内1 位となった.

周辺での「選挙運動」があったのかもしれないが、高知イコール鰹たたき、の固定観念を破る「快挙」である.

女店主、Nさんは高知のジビエ料理の開拓者である.

シカといえば、シカドッグにシカソーセージ、イノシシといえば猪鍋、といった、よくあるレシピではない.

ロースト、グリル、アヒージョなど、ワインが合う洗練された料理である.

身辺では、ジビエ料理にハクビシンが加わった.

 

 

 

2016年12月21日 最終版

 

1.ハクビシン

 

hakubisinwokinnjyodeedited-1

(近所の茂みで)

 

ハクビシンは、タヌキ位の大きさの小動物である.

日本固有の種ではないが、いつ渡来したのかは不明なので、特定外来動物ではない.

果実が好きで、ミカン畑を荒らす.

カキやイチジクなど、熟してきて、明日辺りが食べごろかと思っていると、次の日はもうハクビシンにやられている、という話をよく聞く.

味覚の鋭い、なかなかのグルメなのである.

自宅近くの林にもいるらしく、前の側溝を走っていた.

 

jibieparty

(ハクビシンパーティ)

 

町内の人が、落し罠で2匹を捕らえたというので、8人で自宅で焼肉パーティを行うことになった.

熟達の職人?が備長炭で焼く.

ベジタリアンで、グルメなハクビシンが不味かろうはずはない.

脂は少なく、ほろほろとした柔らかさで、コンビーフに似た食感である.

もちろん、けもの臭さなどない.

 

hakubisinsityuu

(ハクビシンのシチュー)

 

余った骨付き肉でシチューをつくった.

 

2.ジビエフェスタ

 

zibiehuesutakaijyou

(山の会場)

 

毎年秋、標高730m、大豊町の山の上にある「ゆとりすとパーク」でジビエフェスタが開かれる.

もともと前記Nさんが始めに企画した催しである.

ジビエに関するいろいろな出店がある.

 

sisimaruyaki

(イノシシの丸焼き)

 

丸焼きは、焼いてさばくのが追い付かず、長蛇の列である.

ローストやグリルなど、買い求めてすぐ山を下りる人が多いようで、時間が経っていないのにもう売り切れである.

ジビエの人気は大変高いようだ.

ただ山の上で、風は強いし、日が陰ると寒い.

屋外のテントやテーブルではゆっくりできない.

そう言ってはなんだが、出店もよくある焼きそばやカレーが多く、B級的雰囲気である.

以前は室内で、その場でシェフがジビエを調理したり、輸入生ビールやワインがあって、A級的に落ち着いて食事が楽しめたのだが.

地元工房の肉を使った、山の民宿Mのシカ肉ミンチのペンネを食べた.

丁寧に料理されていた.

 

3.北海道のジビエ

 

10月に北海道、釧路から根室にかけて旅行した.

根釧原野、湿原を6日間歩いた.

ホテル、民宿で5泊したが、その間の夕食は次の内容である.

カニ、イクラ、ウニ(いずれも地元回転寿司で)、柳カレイ、宗八カレイ、ホッケ、ニシン、サンマ.

魚には食傷して、エゾシカも多いことだし、釧路でジビエ料理を探したが、見つからなかった.

 

ezosikanature

(エゾシカ)

 

釧路・根室近辺は、特にエゾシカと車の衝突事故が多く、年間500件に上るという.

高知では、土讃線の同じ特急が、続けて2度シカをはねる事故があった.

レンタカーを借りるとき、このプランでは、シカとぶつかっても車両保険は出ないからと注意された.

危険個所を示す、エゾシカ衝突事故マップを渡された.

風連湖に行ったが、国道傍の草叢で2頭が草を食べていた.

ネイチャーセンターでは5頭に出会った.

所員の説明では、原生花園の草を荒らしていて、対策に追われているそうだ.

 

4.高知のジビエ

 

もし、高知で5泊6日の旅行をするとして、夕食はどうなるだろうか.

まず1日目、鰹たたきは確実である.

2,3日目も寿司、生簀、貝類など魚で行けそうである(ただし、高知には寿司屋、生簀、炉端が意外に少ない).

4,5日目はどうか.

イタリアン、中華などあるが、東京で食べられるものを、旅行に来て食べる気はしない.

そこでジビエである.

高知観光の楽しみを大いに広げてくれる.

 

5.ジビエの原材料

 

高知も、イノシシ、シカの農作、森林被害がひどく、年間ほぼ各2万頭が駆除されている.

しかし、それでもまだ自然減には至らない.

 

駆除された動物は、ほとんどその場に埋められる.

もったいない、食べては、という気もする.

しかし、我々が牛や豚をおいしく食べられるのは、一定の場所で、絶命後、瞬時に解体されるからである.

野生動物に対して、これを行うことは大変難しい.

銃砲にせよ、罠にせよ、止めをさした後、すぐに血管、気管を切断し、血を出す.

シカは、少なくとも1時間以内に処理する必要がある.

大変手間がかかるし、そのような狩りの場所は限られる.

ジビエは極めて貴重な食材なのである.

 

inosikakoubou

(猪鹿工房O)

 

今回、大豊町、岩原の山にある猪鹿工房Oで1.5kgを買った.

 

リンク:高知のジビエ.シカ、イノシシを食べる

高知で魚を獲る、買う、食べる

高知学トップページに戻る

 

(おわり)

 

2016年12月9日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一