32 JR四国のバースデイ切符で四国東部を回る

JR四国にバースデイ切符がある.

誕生月に3日間、10,280円で、四国内の特急グリーン車が乗り放題になるお得な切符である.

最寄駅、土佐くろしお鉄道(切符に含まれる)夜須を出発して、高松、徳島、室戸と、四国の東半分を1周した.

ただし、阿佐海岸鉄道と室戸岬を回るバスは、料金が別になる.

朝7時に出発し、夜7時に帰った.

 

(2017年3月14日 修正版)

 

 

ごめん・なはり線 夜須714発、後免736着

 

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(通学生の朝)

 

普段は1両だが、通学時は2両である.

よく晴れて青い海が広がっている.

スマホをいじったり、ノートを広げたり、通学生たちに朝日が射しこんできた.

 

土讃線 後免809 発 南風6号 宇多津955着

澄み切った冬空の下、凛とした空気をついて列車が次々やってくる.

朝の駅は、通勤、通学客で活気がある.

乗車する特急がやってきた.

グリーン席に落ち着いたところで、急坂をぐんぐん登る.

昔は蒸気機関車が前後について、「なんだ坂、こんな坂」と喘ぎながら登ったのであるが.

 

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(高知工科大学付近の坂を上る)

 

今朝は冷え込んだ.

大歩危、小歩危の辺りでは、水温より気温が低いのか、激流の飛沫から湯気が上がっている.

 

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(小歩危)

 

予讃線 宇多津1020発 いしづち10号 高松1038着

電車の世界にやってきた.

ディーゼル車のおかげで早く来れたのだが、やかましいことはやかましい.

欧州のように、機関車が引けば静かだろうが、急勾配、急曲線では無理がある.

 

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(場内よし!)

 

町に出た.

兵庫町商店街、県庁の辺りはうどん激戦区である.

セルフうどんは各地に展開され、手軽な昼食として愛用する.

しかしおおむね全国的外食チェーンによるものである(讃岐風ネーミングはあるが).

さすが香川では地元店が強いが、なんとなく庇を貸して母屋を取られた感がしないでもない.

 

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(高松の商店街)

 

高徳線 高松1206発 うずしお11号 徳島1304 着

途中、讃岐白鳥は手袋の産地で、工場や販売店が多い.

以前「これは石川遼の手袋をつくっている職人のものですよ」などというので、思わず買ったことがあった.

車窓で気が付くのは、ソーラーパネルを設置した土地がどんどん増殖していることである.

今や日本の田園風景をつくる要素の一つと言ってよい.

地主の遊休地が利益を生んでいるのだが、小さな土地に無秩序に広がる状態は、景観としていかがなものか.

 

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(播磨灘を見下ろす)

 

大坂峠のトンネルを抜けると徳島県で、蓮根や鳴門金時 の畑が広がる.

徳島で昼食し、ワインなど飲む.

鉄道旅行のよいところで、車の運転ではこうはゆかない.

 

牟岐線 徳島1420発 むろと6号 牟岐1531着

牟岐線は海岸線に沿ってはいるのだが、海が見えるのはわずかで、ほとんどは山の中である.

特急はここで終わり.

日が傾いてきた.

 

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(牟岐駅)

 

牟岐線 牟岐1607発 海部1621着

阿佐海岸鉄道 海部1627発 甲浦1638着

牟岐からは山が海に迫り出してくる.

工事が困難であったため、最近につくられた区間で、新幹線的にトンネルが連続する.

海部でJRが終点になり、阿佐海岸鉄道に乗り換える.

 

海部

(阿佐海岸鉄道 海部.左はJR)

 

といってもレールは連続している.

もともとこの線区は室戸を回って高知に至る計画であった.

しかし国鉄時代に中止になり、工事が進んでいた部分を第3セクターとして運営しているのである.

巨額の費用を難工事に投じて、延長されることはもうないであろう.

室戸でも鉄道への「悲願」の声は聞かれない.

270円を支払う.

 

高知東部交通バス 甲浦1644発 奈半利1832着

終点、甲浦では2人が降りた.

町外れで周辺には何もない.

こんなところでバスに置いてゆかれたらどうしようもないが、一人の老婦人がベンチにいるので、まだ来ていないようだ.

間もなくバスがやってきた.

 

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(甲浦駅)

 

ここから海岸の道が続く.

この道がなかった時代、お遍路さんは波打際を歩くしかなかった.

バスの高い位置から見ると、改めてその厳しさがわかる.

 

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(室戸への道)

 

転がっている岩石を絶えず登り下りする.

大きい波にさらわれる危険もある.

しかし今でも危険はある.

歩道のない場所がある.

人家がなく、交通量が少ないので、車は70、80キロと飛ばしている.

白い遍路装束は目立つので、交通事故防止には役立つが.

この時間になると、歩いている人も、バスに乗ってくる人もいない.

ところどころにある民宿には明るく灯がともっている.

 

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(室戸の残照)

 

室戸岬を回るころ、西の空だけが赤い.

このバスは通学バスを兼ねていて、途中室戸高校に寄り道する.

十数人の高校生が乗ってきた.

女子生徒は一人、また一人と集落で降りて行ったが、数名の男子高校生は、後部座席に陣取って、大声で他愛のない話をしている.

これは懐かしい光景である.

昔、高校生の下校時に汽車に乗り合わせると、体をぶつけあってふざけたりで大変騒がしかったが、今はスマホで静かである.

 

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もっとも揺れるバスではスマホはやり難いのかもしれない.

彼らは奈半利の町で降りた.

1時間の長いバス通学である.

 

ごめん・なはり線 奈半利1835発 夜須1917 着

バス代2,340円を払い、鉄道に乗り換えて、出発した夜須に戻った.

赤いテールランプを光らせて列車は去る.

 

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(おわり)

 

2015年12月25日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一