25 高知はビヤホールで子供会?敬老会は呑み会?そして宴会の仕組み

高知のお酒は、居酒屋以外にもあちこちで展開される.

ビヤホールと敬老会を覗いてみよう.

そこには、他府県では絶対に見られない情景がある.

ビヤホールには子ども会があり、敬老会には盃の応酬がある.

さらに、宴会を盛り上げる遊びは、結局酒を大量に呑むことが目的である.

 

2017年4月25日 修正版

 

1.ビヤホール

 

(ビヤホールのあるホテル)

 

夏の飲み会といえば、ビヤホールである.

高知も同様である.

普通ビヤホールというと、仕事帰りのサラリーマンが連れ立って、というイメージである.

しかし高知にはビジネス街というものがないので、普段の飲み会を屋上で、という展開である.

ビヤ庭園や、ビールの入れ方がうまいとされるビヤホールもある.

しかし、もっともポピュラーな場所は、Sホテルの屋上である.

ホテルそのものは、高知を代表して格調が高い.

屋上ビヤホールも昔からなのであるが、これは極めて大衆的である.

ただ酔客がロビーでうろうろしても困るので、外から専用エレベータで上る.

入口で3,000円を払う.

後は飲み放題、食べ放題で、ビールは自動スタンドで銘柄を選び、自分で入れる.

食べ物はバイキングである.

ただあまりにも皆の飲む量が多いせいか、最近料理の質が落ち気味なのは残念であるが.

家族連れもあるので、子供は半額になる.

あるとき、やたらに子供が多い.

家族連れにしては多すぎる、

果たせるかな、テーブルに「××町子供会様」とあった.

もちろんビールは飲まないが、ソフトドリンクは飲み放題である.

バイキングには、子供の好きな、焼きそば、タコ焼き、唐揚げ、ピザがあり、フルーツ、デザートも食べ放題である.

ハタと膝を打った.

これは格好の夏休み子供会会場である.

しかしビヤホールで子供会とは、そもそも高知以外では思いつかないのではないだろうか.

 

⒉.身近な酔っ払い

 

地元新聞のキャラクターは、つなぎを着た大きいイヌ君である.

毎週、イヌ君と新聞社の女性にまつわる4コマ漫画が掲載されている.

その中でよく出るのは、プシュッと缶ビールを開ける、うー・酔った、などというシーンである.

キャラクターは子供向けのように思うのだが.

ことほど左様に、高知の子供は酔っ払い慣れしている.

反面教師になっているとも考えられる.

「またあんな馬鹿をやっている」

「大人になってもああはなりたくない」

他地域のように、呑めもしない酒を粋がって飲んで醜態をさらす、ということは少ないのではないか.

 

3.敬老会

 

毎年秋に、町内で市の主催の敬老会がある.

「後期高齢者」が招待される.

まずホールで、小学生の作文朗読、コーラス、地元伝統の盆踊り披露などがある.

その後折詰と1合瓶が配られ、福祉センターで懇親会を行う.

 

敬老会

(敬老会懇親会会場.ただし開会前)

 

出席しないと、民生委員の方が家まで届けてくれるので、お手数をかけては申し訳ないと参加した.

果たせるかな、予想通りこれはまさしく呑み会であった.

テーブルには既にビール瓶が置かれている.

何しろ年寄りばかりなので、全員揃うのに時間がかかる.

席に着いた者から呑み始める.

やがて開会である.

挨拶は「始めましょう.乾杯」の二言のみ.

直ちにカラオケが始まる.

応酬も始まる.

毎年のことであり、福祉職員の方も慣れたもので、次々とビールを運んでくれる.

潤沢に用意されているようで、この辺りで、などというようなことはない.

順次、燗をつけた大徳利が各テーブルに運ばれてきて、宴会はますます盛り上がる.

わしはこれでなければ、とペットボトルに詰めた持参の焼酎を取り出す人もいる.

ついにお開きとなる.

しかし各地に送ってくれるマイクロバスに、誰一人として、足がふらついて乗るのに難儀することがないのは、さすがである.

 

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4.宴会グッズ

 

正統的?な宴会では、座を盛り上げる仕組みがある.

1)箸拳

3本の箸を相手に見られないように背後に隠し、相手はその本数を当てる.

負ければ盃の酒を干す.

芸妓さんが相手のイメージだが、スポーツ的な地域の大会もある.

先日ある地区で、中学の女子生徒が優勝したそうだが、まさか酒がかかったわけではあるまい.

2)可く杯

ひょっとこ、おかめ、天狗の三つの盃とコマがセットになっている.

「べろべろのー神さんは 正直な神さんで…」(節回しは料亭で訊ねていただきたい)

と囃しながらコマを回す.

コマの各面には絵が描かれていて、止まったコマの先が指示する人はその絵の盃で飲む.

天狗は大きく、半合あまり入る.

子どもは牛乳やジュースで飲むとゲームになる.

 

べく杯

(べく杯.天狗を飲み干す)

 

3)菊の花

人数分の盃を用意して逆さにする.

一つだけ、親が花びらを入れておく.

「菊の花、菊の花」と囃しながら、一人づつ表返す.

花が入ってなければ酒を注ぐ.

順に返すが、出れば、それまで入れられた盃を全部飲み干す.

 

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(菊の花)

 

いずれにしても、高知の宴席の仕組みは、大量に酒を呑み干すようになっている.

 

リンク:高知の居酒屋三つ

    高知の酒の飲み方教えます

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(おわり)

 

2015年9月27日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

24  高知は東京とどこが違う?人口か?生活費か?

高知から東京に行くことがある.

行けば、ああ東京だなあ、帰れば、ああ高知だなあ、と感じる.

どこが違うのだろうか.

思うのは、「田舎のネズミ」の童話である.

田舎のネズミのところに、都会のネズミが来る.

芋や野菜の切れ端でご馳走する.

都会のネズミはいう.

「君はこんなものばかり食べているのか.一度都会に来てみたまえ」

田舎のネズミは都会に行く.

くすねたチーズやハムでご馳走される.

「ああおいしい.都会はすばらしいね」

ところが、その様子を伺っていたネコが飛びかかる.

危うくネコから逃れた田舎のネズミは、やっとの思いで田舎に戻る.

「もう都会はごめんだ.やっぱり田舎が良い」

断わっておくが、高知が貧乏だというわけではない.

都会がずる賢いというわけではない.

生活の違いである.

 

 

(2017年3月13日 修正版)

 

1.人口密度

 

skytree

(マンションの52階から見た東京)

 

taihuu

(台風が近づく高知の岬)

 

東京都の人口は1,300万人余り、高知は73万人である.

人口密度は、東京は6,106人/平方km、高知は104人である.

東京の1/60、つまり高知では、一人当たり東京の60倍の土地で過していることになる.

随分過疎のように思われる.

しかし高知の人口密度は、フランスやオーストリアと同じである.

これらの国が過疎で困っているという話は聞かない.

むしろ生活にゆとりがあるとも感じられる.

フランスは、延々と広がる平野と農地の田舎である.

高知は険しい山である.

フランスは平面だが、高知の土地は3次元である.

投影面積でなく、展開した面積では、フランスよりずっと一人当たりの土地は広い.

高知は土地持ちなのである.

高知の最大の美点は、人が少ない、ということではないだろうか.

もちろん、人口増加策は不要である、というわけではないが.

 

⒉.鉄道の駅

 

人口の差を肌で感じるのは鉄道の駅である.

小田急新宿駅の、昼間の「閑散」時でも、急行は5、6分ごとに発着する.

扉が開くと、並んで待っていた乗客が、10両の電車に吸い込まれる.

ラッシュのホームなら、次の電車を待つ人、またその次を待つ人、さらにその次の次を待つ人の三つの列ができる.

急行以外にも、特急、各駅停車が別のホームから発着する.

 

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(昼間の小田急新宿駅)

 

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(高知の路面電車、県庁前)

 

高知駅を発着するJRは、多くて30分、ないしは1時間ごとである.

市内の路面電車は数分おきだが、これは1両である.

 

3.家に帰る

 

以前東京に住んでいた.

新宿から混んだ電車に立って40分、ニュータウンの駅に戻る.

夜の駅前の緑に、やれやれ帰ってきた、と一息つく.

ここからバスで10分、家近くのバス停にたどり着く.

バスが終わっていればタクシーである.

この時間、少しでも早くタクシーに乗るべく、電車を降りた客は一斉に走り出す.

遅れをとると、次の電車で着いた客がもう走ってくる.

 

nagayama

(多摩ニュータウン 永山駅前)

 

いま高知で最寄駅を降りると、街灯がぽつりぽつり灯るが、辺りは闇である.

ほっとする、というより、誰もいないなあ、と思う.

タクシーは呼べば来るが、30分歩いて帰ることもある.

 

ヤシーパーク駅

(ごめん・なはり線、夜須駅)

 

4.高知の生活費

 

高知の生活費はどうか.

よく地方は生活費が安いと言われる.

本当にそうだろうか.

高知で取れる旬のもの、たとえば野菜ならナス、ニラ、ピーマンなどは安い.

魚なら揚がりたてのアジ、サバ、養殖の盛んなタイ、カンパチなどは安い.

東京と値段が同じとしても、ものは比較にならない.

ただ肉類は同じだし、全国チエーンの衣料品は、高知が安い訳ではない.

「高知の物価は安い、生活費がかからない」というより、「お金のかかる生活をする必要がない」と言う方が正しい.

たとえば、上下各1,000円の服装で、どこに出かけても引け目は感じない.

何々はあそこでなくては、買うならあの店、などと、通の吟味の必要はない.

ただ安さは、折り込みチラシで厳しくチエックされている.

そもそも店があるわけではなく、ちょっとした買物は、高知市内の商店街か、イオンに限られる.

車は基本的に軽である.

田舎道は狭いから適合もしている.

ただし、公共交通機関が少ないので、一人1台である.

家族全部でトータルすれば、一家に1台の高級セダンと変わりないとも言えるが.

さらに言うなら、軽トラで十分である.

ホームセンターで大物を買って帰るのに便利である.

冠婚葬祭、これで乗り付けて何の違和感もない.

却って「お仕事でお忙しい中、まことにありがとうございます」と感謝される.

 

ginza

(銀座の夜)

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obiyamati

(高知の帯屋町)

 

人の少ない空間を誰はばかることなく闊歩し、 万事お金をかけずに満足する、これが高知の生活である.

一人当たり所得が、全国一低い現状を肯定しているわけではないが.

 

関連記事リンク:高知は日本のどこにある?

        高知への移住

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(おわり)

2015年9月17日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一