38 高知移住非公式ガイド 2:いごっそう・はちきんとの付き合い

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高知の文化、三つが特徴である.

1)狩猟民族

2)お山の大将

3)いごっそう、はちきん

具体的なケースを基にして、理解していただく.

なお内容は、特定の個人、団体に関するものではない.

ばらつきはあるから、もちろんすべての高知を表わすということではない.

 

(本文と写真は関係ありません)

 

2017年7月28日 修正版

 

 

1.狩猟民族

 

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未知の世界である高知に来たとき、その異文化との接触は、予想を上回るものであった.

日本人は農耕民族と言われる.

しかし、高知は狩猟民族である.

農業では、米は二期作が行われたくらいだから、いつ植えてもよい.

他の土地のように、村中総出で田植え、ではなく、個々の判断による.

漁業では、クジラやカツオの一本釣りなど、まさに狩猟である.

林業も一旦山に入れば、作業は各人の判断と技量による.

冬、仕事のないときは、シカやイノシシの狩猟を行っていた.

 

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⒉.お山の大将

 

狩猟民族として、何事も個人の判断によるとすれば、集団への帰属は重要でない.

各人が独立して、それぞれ基準を持っている.

自分が世界の中心である.

みんなが「お山の大将」である.

そのような人たちを「いごっそう」「はちきん」と称する.

高知の宴会は、一見大声で議論が交わされているように見える.

しかし、これは結論を出すための「議論」ではなく、各人が自説を大声で述べる「演説会場」なのである.

また、高知に多い喫茶店で、女性が交わしている会話は、ある課題について、それぞれが「所信表明」を行っているのである.

これらの際、間違っても「お言葉を返すようですが」などと言ってはならない.

それは相手の意見、ひいては人格を全面否定することになるからである.

相手を上回る声量で、自説を述べればそれでよい.

 

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一般に、「いごっそう」「はちきん」は、こだわり、信念、明朗、活発、など、南国的な開放感と陽気さがあり、好ましい.

しかしウルトラクラスとなると、自己中心の結果が、摩擦を生じることになる.

その事例である.

 

3. 土地の境界

 

 

狩猟の結果、手に入れた土地は、いかなることがあっても死守される.

第三者から見て、どうというところでないにしても、である.

20年前来たとき、各地にある、広い道が突然部分的に狭くなる奇観に驚いたが、20年経ってもまだ同じところが同じように狭い.

これが他の地方なら、皆がそうするのなら、皆に役立つのなら、と折れるだろうが、いごっそうは「いやなものはいや」なのである.

市道より県道、県道より国道、相手が巨大であるほど、「我が闘争」には張り合いが出てくる.

 

4. 水路

 

住居では排水を生じる.

下水道がない場合、現在では個別に浄化槽を設置し、処理することが一般的である.

しかし、浄化後の水をどこに流すかである.

自分のテリトリーをその水が通過することを認めない.

自己の空間に他人の生活が侵入することになる.

この際、「法令で定められた水質基準を満たしている」などというと、火に油を注ぐことになる.

なぜなら、その人自身が法規であり、基準であることを無視しているからである.

 

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5.   騒音

 

上の二つは、土地を買う、借りる場合に限られるが、「騒音」は少し身近である.

近くの家の話し声がうるさい、というクレームである.

ただ、これは何デシベルという音量をいうのではない.

最近、自治体では「防災無線」として、あちこちで大スピーカーを、鉄柱の上に取り付けている.

朝6時の割れ鐘のようなチャイムを始めに、役場のお知らせが、大音量で長々と頭上に響き渡る.

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しかしこれは問われない.

単なる機械的騒音だからである.

いくら小さくても他人の音は、生活空間に侵入することが許されない.

対策は、離れたところに住む、塀を立てる、ということになる.

 

6. 知的テリトリー

 

上の三つは、妥当性はともかく、現象ははっきりしている.

しかし、これは難しい.

要は、その人が経験を積んだ、あるいは得意とする分野に、他人が侵入して得々と所見を述べる、という行為が許せない.

どの地方でも、成功者や、脚光を浴びる人へのねたみは存在する.

学会などでも、通説と異なる見解への反発は存在する.

これらとは違う.

獲物があろうがなかろうが、考えが妥当であろうがなかろうが、「領海侵犯」自体が許せないのである.

こじれると「裁判所に訴える!」(高知では日常用語であり「決意表明」と受け取ればよい)ということになる.

 

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その3では、これらを踏まえて、高知が移住に適した地域であること、そのための心得を述べよう.

 

リンク:

いごっそう、はちきんとは何か、いいのか、悪いのか

高知の移住非公式ガイド 3

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(おわり)

2016年3月6日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一