高知学101 高知の酒の呑み方.日本一多い高知の喫茶店.高知学総集編2

おかげさまで高知学の記事が100となりましたので、過去の記事を振り返り、総集版をつくっています.

第2回は高知の酒と喫茶店です.

高知と言えば酒が連想されます.

高知の文化はまず、いごっそうの酒と宴席の議論で代表されるでしょう.

また高知は日本一人口当たりの喫茶店数が多いのです.

支えているのは、はちきんの議論です.

高知を支えている居酒屋と喫茶店を探ります.

 

(文中のピンクの部分をクリックすると、その記事が読めます)

 

2018年10月25日 最終版

 

 

1.酒の呑み方

 

高知県民は酒が強い.

ただ全く飲まない人もいるし、アル中が多いわけでもない.

普段は呑まないが、何かあれば(その頻度が問題だが)際限なく飲む人が多いように思う.

しかし同じ日本民族、遺伝的に強いとは考えられない.

若い時からの鍛錬?の結果ではないか.

 

(ひろめ市場の朝)

 

高知を代表する観光スポットとなった、屋内屋台村の「ひろめ市場」.

開店は10時ごろだが、すでに大ジョッキが重なっている.

 

(浜松町の朝)

 

以前、東京の浜松町にJR直営の食堂があり、早朝からやっているので、ホテルに泊まった後の朝食に度々利用した.

最初に入ったとき、ビールや酎ハイで盛り上がっているグループに、ここはアル中の巣かと驚いた.

しかし、これは夜間の工事に従事した人たちのアフターファイブなのである.

一人で瓶ビールを傾けているおばさんもいる.

つれあいに先立たれ、深夜の皿洗いの仕事をして蒲田あたりのアパートに帰る前、束の間のやすらぎなのかと想像したりする.

 

(連休の高知市内)

 

連休など食堂のオープンスペースが観光客で賑わっているが、皆昼間からビールやワインを飲んでいる.

親しい仲間の団体旅行での旅館の朝食は、「メシの前にビールだビールだ」となる.

旅の開放感だ.

一方、旅であっても新橋駅頭などで朝からこれをやると、白い眼で見られるだろう.

高知は良識?の束縛を外す解放区である.

それぞれが「お山の大将」なのだから、自分が好きなときに好きなように呑む.

「俺が(私が)自分の金で呑むのに文句あっか!」なのだ.

呑み方と宴席のマナーを会得し、高知の有名居酒屋にお出ましいただきたい.

 

2.酒席の展開

 

(どろめ祭り)

 

酒で有名な催しは、赤岡の大杯飲み干しで、男は1升、女は5合飲むタイムを競う.

10秒台でないと優勝の見込みはない.

ただ大人はテントの中で自分たちの応酬に忙しく、見ているのは子どもが多い.

次世代のチャレンジャーだ.

 

(敬老会)

 

秋、地域の敬老の催し、結局は後期高齢者の呑み会が開催される.

高知での酒席は、敬老会、ビヤホールの子ども会と展開されるのだ.

 

 

(町内の居酒屋)

 

夜になると、町内の小さな居酒屋に赤提灯の灯がともる.

 

(野中の道)

 

月に照らされながら野中の一本道を帰る.

踏み外さないように注意しながら.

遠くに波の音が聞こえる.

 

3.喫茶店

 

(伝統の喫茶店、安芸市)

 

高知は人口当たりで日本で一番喫茶店が多い.

支えているのは女性である.

 

(土佐山田のインドカフェ)

 

こじゃれた店はたちまちSNSで拡散し、立地によらず女性が集まる.

女性たちはここで議論する.

しかし高知ではすべて自分が中心であり、他人も自分と同じ考えで当り前と思っている.

したがって男性の居酒屋と同じで、これは「議論」ではなく、自分の意見表明の場である.

高知では、忖度、調整、摺合わせなどあり得ないのだ.

喧嘩別れになりそうだが、お互いに相手の大将の「お山」を心得ているので、そうはならない.

 

4.看板のない店

 

高知の女性の夢の一つは、自分で喫茶店を開くことである.

お金儲けではなく、みんなと楽しく話したいから、という.

気楽な!と思われるかもしれないが、実はそのような店が望ましい.

高知の店は主客共に楽しむことが基本である.

県外のお客を高知市内の料理屋に招待した.

お客を差し置いて仲居さんがぐいぐい呑むので、目を丸くした.

 

(土佐山田の日本料理店)

 

看板など無くてよい.

わからなければ訊いてくればよい.

これが真の高知の飲食店である.

 

 

(おわり)

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高知学総集編1 高知県民の行動

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2018年10月20日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

高知学100 いごっそう・はちきんと高知県民の行動.高知学総集編1

おかげさまで高知学の記事が100編となりました.

これを機会に、総集編として、よく読まれた記事を中心にしながら、改めて「高知学」を見直してみます.

最初は、高知県民を特徴づける「いごっそう・はちきん」です.

どこでもそうですが、そこに生まれたときから長く住んでいると、それが当たり前であって、特段変わってはいないように思う事柄があります.

しかし他所から来ると、その土地で当たり前のことであればあるほど、そこに異質さを感じます.

自分も高知に来た当初、「異文化との接触」に毎日が驚きでした.

22年過ごすうち、段々それを普通に思うようになってきたのですが.

 

(ピンクの部分をクリックすると関連記事にリンクします)

 

2018年10月17日 最終版

 

 

1.いごっそう・はちきんとは何か

 

一般に、高知の男性は「いごっそう」、女性は「はちきん」を自称している.

いごっそうとは頑固な男、はちきんとは活発な女を意味している.

それが愛すべき段階で留まっていればよいが、最高レベルになると問題を起こす.

 

(突然狭くなる道.何年経っても変わらない)

 

高知の道を走ると、突然狭くなったり、新道の建設が途中でストップしている光景によく出会う.

これにはいごっそうが関わっていると見てよい.

どの地域でも用地買収がこじれることはある.

しかし人口当たり、面積当たりでのこの光景は、日本で断トツではないだろうか.

自分が知っている範囲だけでも、近くの国道を始め5件はあり、解決の目途を一向に聞かない.

地域の事情通は「ああ、あそこは無理だね」と片付けている.

日常的な風景なのでだれも気に留めていない.

いごっそうは前向きであれば、幾多の困難があっても自分の信念を貫く、ということになる.

一方で「わしはいごっそうじゃきに」と、誰にも耳を貸さない免罪符となっている.

ではなぜ高知にいごっそう、はちきんが生まれたのか.

それは狩猟民族の土地だからである.

 

2.いごっそらーめん

 

(いごっそらーめん)

 

高知東部に「いごっそらーめん」の店がある.

最初知り合いに道を訊いたら、「車が沢山止まって整理のガードマンがいるのですぐわかる」と言われた.

大将は高知の出身で奈良で店をしていたが、あまりの人気で身体を壊しそうになり、ご夫婦で戻って来たという.

キャベツを縁にかけた茹湯の加減、網を振って湯を切る回数、冷蔵庫から出してモヤシを一袋破いて入れる手さばき、すべてが一定に間断なく繰り返される.

といって「俺のラーメンは黙って食え!」などと言う頑なな「職人」ではない.

また「秘伝のたれ」などとやたら効能書きがあるわけではない.

すべてがお客に旨く食べてもらおうという発想からきている.

「命がけで握っている」と評された寿司職人がいたが、同じである.

仮にもう10秒さますとより旨くなる(あり得ないが)、という「新発見」があれば、大将は間違いなくそうするであろう.

高知にはさらに、山の温泉、ご夫婦のとんかつなど、心が暖まる、いごっそう・はちきんが現れるのだ.

 

3.坂本龍馬

 

高知県民が愛してやまない坂本龍馬、龍馬はいごっそうなのだろうか.

 

(龍馬の生まれたまち記念館)

 

龍馬の目指すところは、現在の世の中が抱える問題を解消して新時代をつくる、ことであったといってよいであろう.

一貫しているところはいごっそうである.

しかしその狙いは、攘夷から始まり、国防、貿易、倒幕と移ってゆく.

目的のためには、旧師の武市半平太を死に追い込んだ後藤象二郎と、長崎で手を結ぶことも辞さない.

 

(長崎のグラバー邸)

 

とてもいごっそうではない.

暗殺で倒れはしたが、さらに薩長の先の大目標を考えていたのではないだろうか.

 

(津野町の吉村虎太郎像)

 

吉村虎太郎は龍馬と同じ武市門下で、脱藩を行い社会の改革を目指す.

ただ行動の規範は勤王党の尊王攘夷を徹底している.

大和の山間で天誅組を組織するが、世の流れはもうそこにない.

討死する結果となるが、これはいごっそうだ.

 

4.お山の大将

 

(越知町鎌井田)

 

いごっそう、はちきんを徹底するとどうなるか.

すべてを自分中心で考える.

結果、各人がお山の大将になる.

それぞれのお山に他人が侵入することを許さない.

 

(立札)

 

このことは高知への移住者の心得である.

と言って恐れる必要はさらさらない.

自分もその日から、即お山の大将になる.

しかし考えが違ったとしても、「お言葉を返すようですが」などと、相手を全否定する発言は厳に慎まなければならない.

大将としての自分の考えを堂々と述べればそれでよい.

相手もどうせ他人の意見など聞いていないのだ.

 

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高知学総集編 高知県民の行動2

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(おわり)

 

 

 

 

2018年10月14日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一