高知学88 釣りとマリンスポーツ、オープンした廃校水族館

高知県は東から西まで、太平洋に面している.

瀬戸内の穏やかな海に島々が重なる、のんびりした風景ではない.

また、日本海のように北風が荒れ狂う厳しい海とも違う.

 

2018年5月15日 改訂版

 

1.釣り

 

(手結港)

 

近くの手結(てい)港の堤防は、穏やかな入江に面している.

釣果が多く、ファミリー恰好の釣場となっている.

一家で竿とお弁当を持って出かける.

「小鮒釣りし」ではなく、「小鯵釣りし彼の海」である.

鳥もファミリーの一員として、お裾分けを待っている.

 

(琴ヶ浜)

 

夕方の海岸では、車を降りて釣竿を出す仕事帰りの人をよく見る.

この人は「エギ」と呼ばれる疑似餌で、イカを狙っているようだ.

スーパーには釣具売場があり、さまざまなエギが置かれている.

 

(エギ)

 

(吉川漁港)

 

億はするだろうトローリングの高速艇の横で、のんびりと竿を出す.

これも同じ釣りである.

地元新聞には毎週釣り面があり、釣り人と釣果も載せている.

先日は、55cmのヒラメを釣り上げた、5歳の子どもの写真であった.

釣歴4年と書かれていた.

子どものコメント:「力が要ったが、がんばって回しました」

母親のコメント:「お腹にいるときから釣りに行っています」

 

(足摺岬)

 

(ウナギ捕り)

 

近くの川では老男性がウナギを捕っている.

流れのあちこちに石を積んでおく.

適当なときに石を崩して、中に潜んだウナギを捕まえる.

積んだり崩したり手間が大変だが、四万十川でもやっている.

ウナギを捕る筒状の仕掛けをホームセンターで売っているが、これは横取りする奴が出るらしい.

 

⒉.水族館

 

定置網は、沖合に大規模な配置の網を置くものである.

魚が網に沿って泳いでいるうちに、袋の鼠になる仕組みである.

室戸の先の椎名漁港で、定置網から帰ってきた運搬船を見た.

船倉一杯が魚で埋まり、クレーンともっこで荷卸しする.

巨大な青いプラスチックのコンテナがたちまち一杯になり、次々に積み上げられる.

定置網にはいろいろのお客が入ってくる.

ウミガメも入る.

ウミガメの卵は砂浜で孵化するが、その後の行動は全くわかっていないという.

漁師が持って帰ってくれたものを、保護団体が計測し、足にタグを付ける.

速い! 海に戻した途端、全速力で逃亡し、あっという間に姿を消した.

2018年、廃校になった椎名小学校を利用し、「廃校水族館」がオープンした.

 

(廃校水族館)

 

元の25mプールが大水槽になった.

漁師さん方の出身校でもあるから、ウミガメを始めいろいろの魚を持って来てくれる.

室内の水槽では子亀と対面した.

はや老成の風ぼうである.

 

(子亀)

 

(ジンベエザメの子ども)

 

足摺にも定置網があり、時々ジンベエザメが入る.

黒潮に乗って南の海からやってくるのである.

大阪の水族館の出張所があって、これをある期間育成する.

5mを超えるものが居たことがあったが、巨大な水槽でも曲がると尾がつかえる.

大きすぎるので再び海に戻したそうだ.

ジンベエザメと一緒に沖で泳ぐ催しもある.

タイワンイトマキエイを見たことがある.

幅3mで、頭に二本の長い角が突き出ている.

大阪に持って行ったが、残念なことに死んでしまったらしい.

 

3.海水浴

 

太平洋の波が寄せる高知の海岸は、砂浜が少なく、また離岸流が激しいため、意外に海水浴場がない.

しかし注意すれば波打際では遊べる.

 

(赤岡の海岸)

 

高知市の東、赤岡では毎年「どろめ祭り」が行われる.

大人はテントで酒盛りだが、その間子どもたちは波打際で遊ぶ.

 

(夜須の海岸)

 

近くの海岸にある公園「ヤ・シィパーク」の浜は海水浴場になっている.

かつて夏のレジャーといえば海水浴であったのだが、最近は意外に人気薄らしい.

今はどこにでも屋内プールがあり、水泳教室があり、年中泳ぐことができる.

子どもは、塩辛くて波がある海を敬遠する.

大人は紫外線を気にする.

昔、日焼けを競った「黒んぼ大会(差別用語だが)」が嘘のようだ.

 

(吉川の海岸)

 

4.マリンスポーツ

 

マリンスポーツの代表はサーフィンである.

高知では東から西まで、あちこちにスポットがある.

そのために移住する人もいて、海岸に西海岸風の住宅が建っていたりする.

玄関横にサーフボードを置いている住宅もよく見るが、ただの飾りではなさそうだ.

町内にはサーフショップがある.

 

(仁淀川河口)

 

近くの夜須川河口の入江には、台風が近づくとサーファーが集まってくる.

荒波に乗り出そうというのではない.

外洋からの波及で、湾内に緩やかな波が安定して立つ.

ビギナーの練習に好適なのである.

 

(ヨット教室)

 

夜須の浜ではヨット教室が開かれている.

一人乗りディンギーが多数置かれているが、大学のクラブのものだ.

これらが外洋に出ることはないが、たまに沖合を行くキャビン付ヨットを見ることがある.

室戸岬を回ってやってきたのだろう.

 

(琴ヶ浜で)

 

隣村の琴ヶ浜は、浜と松林が5km続く.

ただ荒い波が寄せる砂利の浜なので、時折釣り人を見るくらいである.

人がいないのでモーターグライダーの離発着に好適だ.

ゴルフ場を越えて上空にやってくる.

 

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(おわり)

 

2018年3月13日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

高知学87 高知の食卓、高知の食事 2

高知の食卓の主役は、何といっても魚である.

カツオだけではなく、太平洋からはいろいろの魚が揚がってくる.

鮮度は申し分ないが、高級魚であるほど、頭の上を通過してどこかに行ってしまう.

今回は、タイ、ヒラメ、サメ、シイラ、アジとしよう.

 

2018年5月16日 改訂版

 

 

1.タイ

 

春先、近くの西分(にしぶん)漁港には「鯛の日」がある.

いつかはわからない.

「鯛網」を使って、タイが大量に揚がる.

 

(西分漁港)

 

夕方、漁港に行ったら、丁度「鯛の日」であった.

タイが次々と発泡スチロールの箱に収められる.

一箱に5匹ほど入れられるが、袋に入ったLサイズは1匹だけで、箱にその重さが書かれている.

箱に入りきらなくて、尻尾がはみ出ているものもある.

最大は4.1kgで、「東京」と行先が書かれている.

優勝祝、当選祝にふさわしい.

 

(トラックに積む)

 

一つのパレットに箱が70個くらい、トラックに5パレット積んでいたから、一箱5匹とすると1,750匹になる.

鯛網はシラスを採る方法と似ている.

バッチと呼ばれる袋状の網を沖で2隻の船の間に下ろして、タイの群れをぐるりと囲む.

シラスは軽いから、これを狭めて海上で揚げるが、タイは重いのでそうはいかない.

網を狭めながら、時間をかけて浜に近づけ、最後は地引網の要領で、網の左右を2台の重機で引き上げる.

近くの直販市にこのタイが出た.

大きいのは千円台だが、二人では食べきれないので、700円にした.

 

(春の鯛)

 

この日は刺身とあら煮、翌日は寿司にした.

 

2.ヒラメ

 

タイと来れば、浦島太郎の昔からヒラメである.

昼前、近くの手結(てい)漁港に寄ったら、腰の曲がったご夫婦が、漁船からタイとヒラメを上げていた.

 

(魚を上げる)

 

老婦人では無理で、漁協の女性職員が走り寄って手伝う.

ヒラメは1kgのものが何枚か揚がっている.

 

(ヒラメ)

 

近くに居た人の話では、この人は以前シイラ漁をしていたが、体力的にきついので、今は凪の日だけ刺し網漁をしているそうだ.

夕方、魚の通り道に網を張る.

ヒラメは夜行性があって網に刺さるので、それを翌日の朝引き上げる.

ただしこれを狙ってサメが来るから、これも揚がる.

 

(シュモクザメ)

 

シュモクザメと普通の「サメ」型のサメがあるが、招かれざる客で、扱いはぞんざいだ.

皮に近いところを酢味噌で食べれば美味いそうだが、好んで食べるものでもないように思う.

テレビで見たオーストラリアの居酒屋では、ミンチにしてパイに入れていた.

 

(家に戻る)

 

老夫婦は船に戻って帰って行ったが、腰の曲がったドライバーが10トン車を運転している趣であった.

 

(ヒラメとアジ)

 

このヒラメは大き過ぎて家庭では持て余す.

さりとて切身にして売るには勿体ない.

やはり「業務用」だろう.

小さいヒラメが手に入ったことがあって、釣りのお裾分けのアジと共に寿司にした.

エンガワは刺身である.

 

3.シイラ

 

(シイラ)

 

シイラは、高知で年中よく獲れる.

大きい魚で体長2mにもなり、カジキマグロと共にトローリング競技のターゲットでもある.

シイラは、生きているときと死んだときとでは全く違うとされている.

 

(椎名の「廃校水族館」で、シイラの子ども)

 

(シイラ漁のヤマモモ)

 

漁は港から1時間の沖合に、長い竹を組んだ下にヤマモモの枝を吊るす.

シイラは物陰に集まる習性があり、あたりをぐるぐる回り出すので、そこを捕らえる.

1か所で1トン揚がることがあるという.

漁師さんが、連れていってやるよ、と言ってくれた.

刺身や切身で売っていて、沢山獲れるし大きいので安いが、大味ではある.

フライにして、フイッシュアンドチップスで売り出すのがよいと思っているのだが.

 

4.アジ

 

アジは高知でもっとも大衆的な魚である.

大きいの、小さいの、年中売り場にある.

刺身、寿司、塩焼き、干物、何でもよいが、アジのフライは総菜、弁当の定番である.

 

(地元スーパーの総菜売場)

 

直販所に活締めアジが出ていた.

何の動物でも絶命後すぐ血を抜かないと、血液が滞留して味が落ちる.

魚もそうで、活締めは船上ですぐ頭を切って血を流す.

しかし魚は生き造りでわかるように、血を出してもまだ筋肉は動いている.

そのままだと筋肉が疲労して老廃物が溜まり、鮮度が落ちる.

そのため背骨に針金を通し、神経を除く.

アジでは初めて見た.

漁師さんも工夫を凝らすが、見た目悪いのが難点かもしれない.

 

(活締めアジ)

 

5.シラス

 

シラスはチリメンとも言われるが、イワシの稚魚であり、高知の沿岸一帯が漁場である.

 

(シラス漁)

 

2艘の船が組になり、間に渡した細かい網をゆっくり引いて集める.

年中漁がある.

 

(ドロメ)

 

生のものがドロメで、毎日直販市にパックが山盛りになっている.

生だから、その日のものを、その日中に食べなくてはならない.

いつも夕方には無くなっているから、高知の人はとてもドロメが好きなのだなあと感心する.

ニンニクの葉のぬたをつけて食べるが、これもパックを売っている.

「のれそれ」というのがあるが、これはアナゴの稚魚である.

ドロメを茹でたものがシラスである.

茹で上がったものが「釜茹で」、その後30分ほど天日で干したものが「釜揚げ」、さらに干したものが「かちり」である.

炊き立てのご飯にシラスを山盛りにして、レモンと醤油を落としてかっ込む.

シラスが少なくなれば、どんどん継ぎ足す.

 

(シラス丼)

 

6.肉

 

では、高知では魚しか食べないのか.

いや、高知県民がファミリーやグループで外食となると、まず焼肉である.

人口当たりの焼肉屋数は日本有数ではないか.

いずれ探訪しよう.

 

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高知で魚グルメ

高知の食事、高知の食卓 1

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(おわり)

 

2018年3月3日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一