78 高知の観光船.のどかな浦戸湾と、スリルの足摺岬

あまり知られていないが、高知にも海の観光船がある.

浦戸湾と足摺岬で乗ってみよう.

・陸の展望台から見下ろすのと、海面から見上げる眺めは違う

・道路は必ずしも海岸を通っていないので、見る場所は限られる.

・陸では足が地に着いているが、海では波任せで揺れる

浦戸は入江なので揺れはしないが、足摺は波が荒いと欠航である.

そこが怖いという人と、スリリングだという人に分かれる.

 

2017年10月16日 最終版

 

1.浦戸湾

 

(高知市街)

 

高知市は太平洋に面しているイメージだが、実際は7km離れた浦戸湾の奥にある.

写真のアーチ型の橋の、左のたもとの先に見える森が高知城である.

かつての城下は、この橋の右奥一部だけであった.

国分川と鏡川の合流地点にあり、周囲は山と川と湿地に囲まれている.

龍馬の時代、狭い空間に様々な階級が暮らし、何かとストレスが大きかったことだろう.

 

(浦戸湾)

 

浦戸湾は、中がくびれたひょうたん型になっている.

その先に太平洋が見える.

桂浜は彼方の山の左端である.

 

2.浦戸湾観光船

 

(観光船、右は巡視艇)

 

観光船は昔、蒸気船のためにつくられた、埋立地の桟橋から出る.

向うはセメント工場だが、生産を止め、石灰石の搬出に使われている.

 

(船から見た市街)

 

湾には島や暗礁が多く、あちこちに浮標がある.

航行の妨げになるので、爆破された島もある.

 

(湾の最狭部)

 

「よさこい節」の月の名所は桂浜だが、実際は山越えで遠く、この辺りでの月見が多かったようだ.

 

(造船所)

 

昔は松林が連なっていたが、東側は埋め立てられ、造船所や市場がある.

湾内では、1メートルを越える巨大魚のアカメも釣れる.

ボラも跳ねている.

 

(クルス)

 

湾には干潟が広がっていて、大きい船は湾内に入ることができなかった.

1596年、メキシコに向かっていたスぺインの大型帆船、サン・フェリペが台風で遭難し、土佐沖を漂流した.

長曾我部元親がこの付近に誘導、擱座させる.

積荷は入手する(当時の日本で救助の際のルールであった).

乗員の事情聴取の中で、スペインは宣教師を前に立てて、領土を拡張しているという発言があった.

報告を受けた豊臣秀吉は、切支丹弾圧に乗り出し「26聖人」を磔にする結果となる.

この辺りを「クルス」と呼んでいるのは、ここに由来するとされる.

坂本龍馬は「大政奉還」が不首尾に終わった場合、クーデターも決意していた.

長崎でライフル銃1,000挺を購入し、土佐の板垣退助が率いる藩兵に届けた.

その時もここで積替えた.

暗殺の1か月余り前である.

 

(浦戸大橋)

 

湾口には1972年、東西の海岸を結ぶ浦戸大橋が架けられた.

 

(桂浜)

 

観光船は桂浜に近づく.

海から見ると大きい浜ではないが、前は太平洋である.

蒸気船が夢でなくなり、狭い城下と浦戸湾を出て、日本各地を行き来し、万国と応対する.

龍馬を始め一党は、これからの活動に胸を躍らせつつ離れたことだろう.

 

3.渡船

 

(御畳瀬の渡船)

 

浦戸大橋は車は便利だが、歩道はないに等しいし、バイク、自転車もつらい.

そのため、昔からあった湾口の御畳瀬(みませ)と種崎を結ぶ県営渡船が、今も運行されている.

1時間に1本、5分の航海で、無料である.

32番禅師峰寺と33番雪蹊寺を結ぶルートなので、お遍路さんもよく利用する.

 

(浦戸大橋)

 

(種崎)

 

津波警戒のため、桟橋の扉は常に閉ざされ、乗降の時だけ開かれる.

 

 

4.足摺岬

 

(足摺岬)

 

足摺岬の展望台には、NHKの遠隔操作カメラがあって、天気予報や台風中継でお馴染みの景色である.

海から見るとどうだろう.

観光船が運行されている.

 

(海上から見た足摺岬)

 

(観光船)

 

船は漁船である.

当日の天気予報では波高1.5mで、高知の海で普通である.

縦横に揺れるが、遊園地の設備のように、悲鳴を上げるようなものではない.

船長さんによれば、凪ならば更に岬に近づけるそうだ.

 

(岩壁)

 

岩壁は荒波で侵食され、脈理が浮き出ている.

秋は磯釣りでグレのシーズンである.

 

(洞窟)

 

足摺岬には洞窟も多い.

ただ狭いので、カプリ島のように通り抜けはできない.

夕陽が洞内に一直線に射す日があるそうだ.

 

(臼碆)

 

船の先に、突き出た臼碆(うすばえ)が見える.

黒潮が最初に陸に当るところというのが頷ける.

 

関連記事リンク:

龍馬のレポート1 集団と個人

高知の海、台風と竜巻

高知学トップページに戻る

 

(おわり)