高知学75 コミュニティバスで高知観光3 仁淀川町、中土佐町、安芸市

市町村が運営するコミュニティバス.

地域の状況に合わせ、それぞれに特色がある.

話し好きの運転手さんがいて、格好の高知の観光となる.

31路線ある仁淀川町、緑ナンバーの中土佐町、安芸市の山奥を訪ねよう.

 

2018年6月20日 修正版

 

1.仁淀川町

 

(コミュニティバスが行く.長屋)

 

仁淀川町は高知の山間部、仁淀川流域に広がる.

仁淀川は急流の渓谷である.

川沿いに集落をつくることは困難で、山腹に家々が集まっている.

 

(国道から見上げる寺村.火曜日にバスがある)

 

町はこの12年で人口が2,200人減少し、2016年現在で5,650人、平均年令は60.4才である.

160ある集落は散在しているので、コミュニティバスの路線は31にも上る.

それぞれが万遍なく週に1往復で、曜日が決められている.

バスは山の集落を朝に出て、午後集落に戻る.

その間3時間ほどあり、買物、通院に充てる.

どこでも片道200円である.

 

(役場のある「大崎駅」を出るバス)

 

時刻表だけ見ると、バスが1週間山の上にいるようだが、もちろんそうではない.

回送で山に行き山から戻るのである.

これはなかなか乗るのが難しい.

事前に連絡すれば回送バスに乗れないことはないらしいが.

帰りの便は乗客がいないと運休になる.

町には大きいスーパーがないので、まとまった買い物は、国道を走る路線バスで越知、佐川に出る.

コミュニティバスのダイヤはその接続が意識されている.

31路線のダイヤ、乗務員の勤務体系など、編成は大変難しそうだ.

 

(手前の桜と向いの宗津集落とも、金曜日にバスがある)

 

(ひょうたん桜)

 

厳しい地域だが、山上の明るく開けた土地で暗い印象はない.

ひょうたん形のつぼみをつける「仁淀のひょうたん桜」は有名で、たくさんの花見客が来る.

 

2.中土佐町高樋線

 

高知県内ほとんどのコミュニティバスは、市町村がその自家用車で運営する白ナンバーバスである.

ところが中土佐町、四万十町だけは、都営バスなどと同じ緑ナンバーの路線バス事業になっている.

事業者は有限会社の地元タクシーである.

 

(仁淀川町の白ナンバーバス)

 

(四万十町の緑ナンバーバス.米奥)

 

事業用なら国交省の所管で、市町村営と違い、諸手続、管理など、より面倒と想像する.

どうしてそうなっているかはわからないが、既存路線バスの支線肩代わりという位置づけなのかもしれない.

 

(大野見.コミュニティバスが路線バスに接続)

 

中土佐町は、海岸の久礼と四万十川上流の大野見が合併してできた.

コミュニティバスはそれぞれの地区で独立に運行され、その間を既存の路線バスが結ぶ.

大野見発のコミュニティバスは、路線バスから乗り継いできた老夫婦の家の前で止まる.

見ず知らずの我々にも丁寧に挨拶をして降りられた.

 

(沈下橋)

 

集落を出て短い沈下橋を渡る.

四万十川に沈下橋は多いが、バスが通るのはここだけだろう.

 

(スーパーみどり屋)

 

田畑の中に1軒のスーパーがある.

どうしてこんなところにあるのか不思議に思うが、お客は多い.

名物は鶏の唐揚げ材料だそうで、種々の味付けの冷凍パックが店内で売られている.

おばさんが一人乗ってきた.

やがてバスは1軒の家の前で止まり、出てきた主婦に刺身のパックを手渡した.

運転手によれば、おばさんはこのバスを利用して乳酸飲料の配達をしているが、買物のメッセンジャーもやるらしい.

バスとタッグを組んだ地域生活支援である.

 

(高樋沈下橋)

 

沿線の高樋(たかひ)に四万十川最奥の沈下橋がある.

車窓からシャッターを押すと、運転手に、停めるから降りてゆっくり撮るようにと言われた.

事業用緑ナンバーだと雰囲気が違うかと思ったが、白ナンバーと変わりはない.

 

(終点)

 

まもなく終点である.

バスは3方向に運行され、それぞれが週2日、一日に3、4往復走る.

根元の部分は重なっているので、日曜を除く毎日になる.

運賃は100円.

 

3.安芸市東川線

 

高知県東部の川は、山から直線的に流れ出る急流である.

その一つ、伊尾木川を安芸市のコミュニティバスが遡る.

市の時刻表では、1時間くらいの大井までは日に5往復、2時間かかる最奥の別役までは週2日2往復となっている.

自分の車で通っているが、週2日にせよ、定期運行できるだけの住人がいるとは思えない.

 

(安芸市バス、奈比賀)

 

安芸市バスの色は鮮やかで目立つ.

地味な色だと、視力の衰えた高齢者には見つけ難い.

やってきたバスに乗り、運転手に「別役まで」と告げた.

動き出したバスが止まって「それは事前に申し込まないと」という.

案の定、デマンド区間になっているのである.

終点まで行くことは、月に一度あるかないかだそうだ.

「では大井まで」と言うと、何人か居た乗客は口々に「それは無理だ.大井から歩くと別役まで5時間かかるよ」と言ってくれる.

自分としてはこのバスに乗るだけでもよかったのだが、せっかく皆さんが親切に言ってくださるので「出直します」とバスを降りた.

デマンドの往復が2時間となると、そのために車両と運転手を手配することになる.

頼めば対応してくれるだろうが、住民でもない者が物好きで乗るのはやはり気が引ける.

 

(大井.デマンド運行のあるときは車を留置する)

 

そこで思い付いたのが、安芸市に「ふるさと納税」をすることである.

住民税を払っているようなものだから、大きな顔?で乗れるというものだ.

 

 

関連記事リンク:

最後の焼畑農業の地、椿山

伊尾木川を46km遡る

高知学トップに戻る

 

(おわり)

 

2017年8月26日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一