74 高知の夏祭り、絵金、よさこい、夜須盆踊り

夏は祭りの季節である.

高知でも、8月初めのよさこい祭りをピークに、各地で祭りが行われる.

7月の赤岡絵金祭りがトップ、そして高知最大のよさこい祭り.

各地がそれに続く.

 

2017年8月18日 最終版

 

 

1.絵金祭り

 

幕末から明治にかけ、高知に絵師の金蔵(略して絵金)がいた.

江戸で狩野派を学び、高知の城下で活動したが、贋作の疑いをかけられて追放される.

やがて高知東部の赤岡に滞在し、依頼に応じ、芝居絵を多く描く.

赤岡は香宗川の河口にあり、富裕な商業の町であった.

時計、眼鏡、宝石の店が3軒あることからも賑わいがわかる.

昔からの家並があり、電柱、電線がなければ、いい町になるが.

 

(赤岡の旧道)

 

7月の夜、各家所蔵の芝居絵屏風が20点あまり、旧道沿いの店先に、ろうそくの明かりで照らされて展示される.

絵金祭りである.

 

(屏風絵の展示)

 

ただ、血飛沫が飛ぶ、など凄惨な絵なので、あまり子ども向きではない.

夜店もあるが、広場のビヤガーデン、ライブ、仮設バーなど、どちらかと言えば大人の祭りである.

 

(弁天座)

 

祭りに併せ、町内の芝居小屋、弁天座では、地域の人たちによる「絵金歌舞伎」が上演される.

三番叟などとともに、新作、絵金の生涯が加わった.

 

(ラスト、スタッフが総出)

 

着ぐるみや悪魔、外国人の侍が出たり、場面転換も早く、子どもが楽しめる歌舞伎であった.

絵に歌舞伎に、高知で一番ユニークな夏祭りである.

 

2.よさこい祭り

 

よさこい祭りは、1954年に、徳島の阿波踊りに対抗して始まった.

 

(徳島の阿波踊り)

 

当初は、いかにも阿波踊りの二番煎じであったが、1980年代にコンセプトを覆す大ブレークをした.

指揮と掛け声を行うトラック(地方車という)が先導する.

背面一杯のスピーカーから、大音響で音楽が流される.

「よさこい節」の一節を入れれば、あとはロック、レゲエ、和太鼓、何でもよし.

トラック上でバンド演奏のこともある.

 

(じかた車)

 

(踊り子さん)

 

踊りはマスゲームで、振付けは自由である.

手にした鳴子を打ち鳴らす、前進する、それだけが条件である.

衣装はチームごとに趣向を凝らすが、「よさこいファッション」というほかはない、派手かつ奇抜なデザインである.

 

(休憩中)

 

踊り、鳴り物、衣装など、基本には変わりがない阿波踊りとは大違いである.

そこが、個性を重んじ、自己顕示欲が強い?高知県民にアピールした理由であろう.

よさこいには、200チームあまり、18,000人が参加するが、ほとんどのチームは踊り子を公募する.

1チームは最大150人である.

5月、それぞれの公募の要項が、スーパーなどに置かれた掲示板、ネット、チラシで公開される.

参加費は、衣装、弁当、移動のバス代などが含まれるが、4万から2万円である.

有名であるほど高く、実績のないところは安い.

これを見比べて、自分の売り、衣装デザイン、クチコミを基にして応募する.

自分がその中でアピールできるかどうかが重要である.

チームとしての表彰はあるが、それと別に個人表彰がある.

9箇所の競演場(踊るだけの場所は他に7箇所)ごとに審査員がいて、優れた踊り子に、その場でメダルをかける.

 

(メダルをもらう)

 

有名なチームがいいかというと、そこでは目立ち難いということがある.

メダルが重なるほど、実績となり、自己のタレント性が高まるというものである.

札幌には飛び火した「よさこいそーらん」があるが、踊りのスタイルは似ていても、札幌市民がこの意識を持っているとは思えない.

 

3.手結盆踊り

 

夏祭りの三大要素は、花火、夜店、踊りである.

どれが欠けても夏祭りらしくない.

いま、盆踊りの輪に積極的に入る人は少ない.

子どもの頃、大阪の南河内に住んでいた.

古くからの集落で行われる河内音頭は、先端カジュアルウェアで踊る若い男女の交歓の場であった.

先日のテレビでは、踊りはもっぱら保存会風の人たちで、河内音頭よお前もか、と感じたのだが.

といってこれが無ければ、ただの花火大会である.

高知の夜須町・手結(てい)には、鎌倉時代の念仏踊りの流れとされる、400年来の踊りがある.

 

(手結の踊り)

 

音頭は4曲続き、それぞれに踊りがある.

歌詞にストーリーはなく、時代と共に順次フレーズがつけ加わってできたものと思われる.

音曲も民謡のようなメロディはないが、ご婦人が朗々と大声で歌い上げる.

踊りは地元で練習会があるが、学校では地域の文化として習う.

小さい子どもは友達を真似て踊る.

 

(夜店)

 

催しは海水浴場で行われるが、鉄道には臨時列車が出る.

夜店も賑わう.

航空路に近いので、花火は最終便が着陸してから始まる.

盆踊り開始から花火の終了まで、3時間近くあることも関係するだろう.

 

(花火の観客)

 

花火は海水浴場で行われる.

砂浜、階段になった護岸、ボードウォーク、芝生が観客席である.

ブルーシートで席を確保したりもするが、広いので、争ってということではない.

 

(水中花火)

 

花火は防波堤から打ち上げられるが、海面に向けて発射することもある.

水面で爆発し、波に映える.

 

(上空から)

 

近くの漁港や、丘でも見ることができるが、やはり頭上に降ってくるような至近距離に迫力がある.

 

関連記事リンク:

日本一喫茶店が多い高知

高知移住非公式ガイド2-いごっそう、はちきんとの付き合い

高知学ホームページに戻る

 

(おわり)

 

2017年8月7日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一