59 JR四国のバースデイ切符で四国西部を回る

JR四国の「バースデイ切符」.

誕生月の3日間、特急グリーン車乗り放題で10,280円、同伴者も同じ金額のお得な切符である.

12月が誕生月で、毎年利用する.

いつも、乗り回す体力勝負になっているので、ウチのお母さんは遠慮する.

土讃線土佐山田を朝出て西に宿毛へ.

宿毛から宇和島へバスに乗るが、これは切符の範囲外で別途支払い.

宇和島から松山、丸亀を経由し、夜に土佐山田へ戻る.

 

2017年7月28日 修正版

 

 

  1. 土讃線

 

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(土佐山田)

 

非電化の駅には架線が無く、冬の凛とした空が広い.

高知城が朝日を受けている.

しかし、北の山並には、厚い雪雲がかかる.

西に、土佐久礼は海岸である.

運転席のディスプレイには、「津波浸水区間」と表示されている.

ここから12km登る.

 

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(久礼坂を登る)

 

登ったところは四万十川流域である.

窪川からは、土佐くろしお鉄道線となる.

長髪の運転士と、女性車掌に代わる.

先の川奥信号場で予土線と分岐し、ループ線となって1周して下り、信号場の真下に出てくる.

トンネル内の一定の曲率なので、ループを通っている実感はないが、運転席の前を見ているとかなりの急曲線である.

 

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(トンネルを出る)

 

出ると海岸である.

四万十川は、このループで降りてきた標高差によって、河口まで流れているわけである.

 

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(佐賀公園付近)

 

2.宿毛線

 

中村1037着   宿毛行普通列車1041発

 

特急は中村迄で、宿毛には乗り換える.

以前は、ほとんどの特急が宿毛迄運行されていたが、今は乗客減と経費節減で、上下併せて3本だけである.

しかし普通車両の窓は大きく、インテリアも明るい.

 

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(普通列車宿毛行)

 

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(四万十川)

 

四万十川の長い橋梁を渡る.

 

3.宇和島へ

 

1037  宿毛着  1042 宇和島行バス発

 

「ミッシングリンク」という言葉がある.

もともとは、猿人と人類の間を繋ぐ化石が見つからないことを意味している.

しかし昨今では、もっぱら環状となるべき高速道路の未開通区間として使われる.

四国の鉄道ならば、東の甲浦から室戸を回って奈半利まで、西の宿毛から宇和島までが「ミッシング」である.

高速道路も似たような区間が「ミッシング」である.

高速道路のミッシングリンクは大いに叫ばれるが、鉄道のミッシングリンク解消の「悲願」は聞かれない.

 

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(宿毛駅前)

 

宇和島行バスの車内に、時折澄んだ鈴の音が聞こえる.

老婦人のお遍路さんのものである.

どのような発心かはわからないが、バス、鉄道を乗り継ぐのも、回数が多い訳ではないし大変である.

40番、観自在寺のお参りである.

自分の車でこの辺りは通っているが、町は大体バイパスである.

バスは律儀に旧道の町々を通るので、印象は大分異なる.

城辺など、バスターミナル、ビジネスホテルや長い商店街があって、意外に大きい町である.

ただ多くはシャッターを閉ざしているが.

近くの山は白い.

豊後水道から吹きつける西風が冷たいのだろう.

宇和島に近づくころ雨が降り出してきた.

1,800円を支払って降りる.

 

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(宇和島駅)

 

4.松山へ

 

宇和島1228着 予讃線特急宇和海18号 1358発

 

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(宇和島駅ホーム)

 

宇和島城へとも思っていたが、慌ててコンビニ傘を買うような降りである.

地元の料理は何回か食べているので、横丁の落ち着いたラーメン屋に入った.

松山との間の特急宇和海は、松山でも宇和島でも、すぐに折り返す効率的な運用である.

そのため、基地に戻らず、ホームに停車中に給油ができるようになっている.

 

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(法華津峠へ)

 

法華津峠に向けて登る.

一帯はみかん畑である.

大体は取り入れされているが、ところどころ電燈がついたように橙色の実が残る.

 

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(雨上がり)

 

やがて雨は止み、雲だけが残る.

 

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(松山)

 

松山は高架化準備中で、車両基地、貨物ターミナルの移転工事が進められている.

乗換に便利なように、岡山行、宇和島行特急が、同じホームに付き合わせて停車する姿がなくなる日は遠くない.

 

5.予讃線

 

松山1628発 しおかぜ26号 丸亀1830 着

 

松山の改札で切符を見せると、駅員に「おめでとうございます」と言われた.

繁華街の大街道まで路面電車に乗る.

「坊っちゃん列車」に出会う.

乗務員は、吹きさらしだし、終点での人力による方向転換などハードな仕事である.

しかし、誇りを持ってやっている様子は、観光客にうれしい.

 

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(瀬戸の夕暮れ)

 

瀬戸内の島に冬の夕暮れの雲が広がる.

丸亀で土讃線に乗り換える.

 

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(電車特急しおかぜ)

 

駅前の猪熊玄一郎美術館のエントランスに明かりが点る.

 

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(丸亀駅前)

 

6.土讃線で帰る

 

丸亀1846発 南風21号  土佐山田2037着

 

土讃線は阿波池田を過ぎると山の中である.

窓外は真っ暗で、時折ぽつりと灯が見える.

他に誰もいない車室の中に、エンジンの音が絶え間なく高く低く響き、闇の中を右に左に曲がる.

この旅が行方知らずで、いつまでも続くような気持になる.

疲れたのかもしれない.

 

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(土佐山田)

 

夜の駅は無人である.

切符を集めて回る車掌の向こうに月が見える.

 

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(おわり)

 

 

2016年12月25日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一