49 高知で地震を避難 2:宝永地震タイプで、東海より分遅れで発生する場合

2038年辺りと予測される南海地震.

南海地震は、まず東海地震が起き、その次に発生する可能性が高い.

東海地震から南海地震が発生するまでの時間差、これを避難に生かすことができないだろうか.

時間差は、過去の地震からすると、分遅れ、時間遅れ、年遅れ、この3パターンがあるように思われる.

パターンごとに避難を考える.

 

2017年3月15日 修正版

 

 

1.地震の発生

 

南海トラフ地震は、100年ごとに発生する.

前の昭和地震は、1944年から1946年にかけてだから、100年後というと、2044年辺りになる.

しかし昭和地震は、規模が小さく、トラフの端の方に破壊残りがある.

そのため発生が早まるとされている.

また、その1で述べた、室戸岬の沈降量が70cmに達する年からも推定される.

これらのことから、2038年辺りとされる.

 

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(海底から上がった室戸岬の岩)

 

⒉ 東海地震

 

東海地震が、南海地震に先立って発生する理由を推理する.

伊豆半島は、もともとフィリピンプレートに乗って運ばれてきた島である.

それが本州に激突して、プレート共々、強引に大地を押している.

伊豆は、日本でもっとも地殻変動の激しい地域である.

地質帯を見ると、四国の山地から徳島、和歌山、伊勢、渥美半島までは一直線である.

ところが豊橋からは、伊豆を円の中心にして、諏訪、軽井沢、高崎と大きく湾曲している.

押し込まれた結果である.

南海トラフも、同じように、遠州灘から駿河湾にかけて湾曲している.

直線的な南海地震域より、曲がった東海地震域には、かなりの無理がかかっていると思われる.

 

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(気仙沼、2009年.3本の路線は震災後、1本を残してバスになった)

 

3.地震情報

 

避難時間と関係するので、地震波を復習する.

波には、縦波(P波)と横波(S波)がある.

ゴムひもの一端に錘を付け、反対側を持って上下に動かすと、ひもが伸び縮みする.

これがP波で、大地の伸び縮みになるが、大地の中なので伝わりは早く、5-7km/秒である.

一方、ゴムひもの端を持って振ると、波ができる.

これがS波で、辺りを揺らすので速度は遅く、3-4km/秒である.

しかし揺れは大きい.

P、Sの速度の差を利用し、早く来るPを捉え、次に来るSに対する警報を出す.

これが緊急地震速報である.

距離によって時間差は違うから、100kmなら50秒前、50kmなら25秒前くらい、直下なら0である.

ただ、波形収集に3秒、コンピュータの計算に数秒かかるので、10秒弱がロスとなる.

 

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(陸前高田、2016年)

 

4.宝永地震のパターン:分遅れの場合

 

いま南海トラフで、もっとも危険な地域は、駿河湾周辺とされている.

昭和では壊れ残り、2038年では(それまでに破壊が起こるかもしれないが)安政以来、200年のエネルギーが蓄積される.

この東海地震は、高知にどのように影響するだろうか.

次の南海地震の震源を、仮に昭和と同じく、潮岬沖100kmとする.

もし東日本と同じように、東海で起きた断層の破壊が雪崩を打つようにして伸び、地震を発生しつつ、ついに280km離れた潮岬まで達すればどうなるか.

断層の破壊は、広い範囲では、竹を割るようには進行しない.

東日本では1km/秒程度のようである.

そうすると、約4分半で南海域まで震源が広がってくる.

駿河湾は遠いが、もし東海地震が潮岬に近いところで発生すればどうか.

東海、南海の震源が100kmしか離れていないとする.

南海地震は1分半後に始まる.

上の南海仮想震源から室戸には150km、P波が到達するまで25秒で、そこで警報が発令される.

しかし、S波の大きい揺れは、たった45秒後である.

どちらにしても、南海地震の警報を待つことなく、東海地震発生の情報を受け、直ちに避難行動をとることが、断然有利である.

 

5.分単位の差

 

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(防災無線)

 

緊急地震速報は、全国をブロックに分けているので、静岡の速報が即座に高知に伝えられるだろうか.

また日頃、のんびりと役場のお知らせを流している「防災無線」が直ちに反応してくれるだろうか.

一方で、スマホのサイトやアプリで、指定地域の地震速報が得られるようになっている.

地域は3カ所指定できるので、高知と共に、御前崎、潮岬を登録し、個人的防災情報網?を敷いている.

 

 

次に、1分半から4分半の有利を生かしてどう逃げるかである.

これは場所で異なる.

高知市域は地震と共に1m沈下する.

山間部では山崩れの危険がある.

住んでいる地区でも、斜面や擁壁の様子、近隣の耐震性など、各戸で違う.

分単位の時間があるとするなら、自宅ではスマホと防寒着(冬だから)を持ち、家を飛び出し、庭の西の隅に逃げるのがよさそうだ.

市のマップによれば、津波到達時間は20-30 分となっている .

津波の心配より、まず揺れから逃げる方が先である.

それにしても、地震後の写真を見ると、傾いた電柱や垂れ下がった電線が避難を妨げている.

浸水予想地域と避難路は、電線の地中化を行う必要があるのではないだろうか.

 

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(国道の表示)

 

リンク:高知で地震を避難 1

    高知で地震を避難 3 

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(おわり)

2016年8月11日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一