48 高知で地震を避難 1 .南海トラフ地震は100年周期で、まず東海で発生する?

高知では、南海トラフで発生する地震、それに伴う津波の発生が確実である.

しかし、南海トラフ地震が予測される他地域、たとえば静岡、和歌山と比べて、特段に危険が高いというわけではない.

一方、この地震は100年ごとに、規則的に繰り返される.

突発的に、思いもかけなかった地震が発生するのではない.

予想ができる.

もっとも古い記録は、日本書紀に記された、684年の白鳳地震である.

それ以来、9回の地震が記録されている.

南海トラフ地震は、想定外の行動をしない.

必ず過去と似る.

 

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これらの地震は、三つのパターンに分類されると思われる.

2038年辺りと推定されている次回の地震も、どれかのパターンになるのではないか.

パターンごとに、いま住む状況を踏まえ、それぞれに避難を考えるのがよいのではないか.

 

2017年3月16日 修正版

 

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(室戸岬)

 

1.内容

 

記す内容は、末尾に示す文献を基にした、自分の考えである.

天気予報があっても、傘を持って行くかどうかは、個人の考えである.

それと同じで、地震にどう対応するかは、個人の状況と、個人の判断による.

3.11で、それははっきりしている.

情報は出るが、逃げ方をだれが教えてくれるわけでもない.

 

(写真はイメージで、特定の地域の危険を示すものではありません)

 

⒉ 南海トラフ地震

 

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(室戸方面・羽根岬)

 

駿河湾から日向灘まで、沖合100km、深さ3kmの辺りが南海トラフである.

南から来た海底にあるフィリピンプレートが、刻々移動して日本の下に潜り込んでいる.

日本のプレートはそれに引き込まれて沈む.

潜る、引き込まれる、その境界が細長く連なる溝状になっていて、「トラフ」と呼ばれる.

室戸岬では、年間7mm沈み、海底の土地は5cm移動している.

この引き込みに耐えられなくなって、100年ごとに瞬間的に大地が跳ね上がる現象が南海トラフ地震である.

ばねの元になる震源は、境界のトラフではなく、より陸側に近いところである.

100年で70cm沈むことになるが、長年押されてきたので、飛び跳ねる量は、過去の地震では1.2mである.

その差が積み上がって、室戸方面の海岸段丘がつくられている.

 

3.南海トラフ地震

 

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(2009年、3.11前の石巻駅.津波ですっかり流された)

 

南海トラフ地震の特徴である.

 

1)潮岬を境に、東の東海地震と、西の南海地震に分かれる

紀伊半島、潮岬はトラフに向かって突き出ている.

そのため、プレートが潜り難く、壁となって東西に分かれて起きる.

2)東海地震と南海地震は連動する

しかし、同じトラフだから、両地震は連動して発生する.

3)100年ごとに起きる

白鳳地震:684年11月

仁和地震:887年8月

永長、康和地震:東海で1096年12月、南海は2年半後の1099年2月

明応地震:東海で1498年9月、南海は不明

慶長地震:1605年2月、ただし揺れは局地的で、津波だけが大きかった

宝永地震:1707年10月に東西で同時に発生、有史以来最大でマグニチュード8.6

室戸岬の隆起は、後の地震では1.2mだが、2mと特段に大きい.

慶長では歪が解消されず、明応以来200年積み上がったためではないだろうか.

安政地震:東海で1854年12月、南海はその32時間後

昭和地震:東海で1944年12月、南海はその2年後の1946年12月

明応以前の間隔が長いが、古い時代で記録がないためで、発掘調査ではその間での地震の存在が認められている.

4)冬に起きる

9月から3月にかけて発生する(仁和は8月22日).

8月から10月にかけ、太平洋岸の潮位は高い.

その重みがトラフを押し付けるので地震が抑制される.

しかし、潮位が戻り始めると重みが減るので発生する.

 

 

 

5)まず東海で発生し、その後南海で起きる

歴史に残っている地震はみなそうである.

唯一、宝永地震だけが「同時発生」である.

このときの震源は潮岬の東西であるが、示し合わせたように東西同時に起こることは考えられない.

どちらかで破壊が始まり、それが波及したと思われる.

二つの震源間の距離を100km、破壊が伝わる速度を1km/秒とすれば、2分弱で波及する.

宝永地震は、10月28日未ノ刻に起きている.

未ノ刻とは13時から15時の間を言い、2時間の幅があるし、正確な時計のなかった当時、分秒まではわからない.

他と同じく、東海で発生し、影響されて短時間後に南海が発生したと考える方が自然である.

この東海、南海の時間差は、高知での避難に大きく影響する.

なぜ東海が先なのか、避難と関係するので、その2で推理を述べる.

 

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(遠州灘.1988年)

 

6) 南海地震の前後に、西日本、特に近畿で地震が起きる

フィリピンプレートは、日本の大地を西北方向に押し、移動させている.

時間が進むにつれ、陸地には歪がたまる.

地震が発生しやすくなる.

南海トラフ地震の発生により、今度は歪の分布が変わる.

それがまた地震の原因になる.

ただし、近畿一円を動かすという地震ではない.

2016年の熊本と同じく、局地的な地震である.

過去には、伏見地震、伊賀上野地震、福井地震、鳥取地震などがある.

近くなので、高知からの避難場所に関係する.

 

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(伊賀上野、安政地震の半年前に地震があった)

 

その2では、東海地震と南海地震の関係を述べ、これらの特徴を踏まえて、パターンごとに南海地震からの避難を考える.

 

リンク:高知で地震を避難 2

    高知で地震を避難 3

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(おわり)

2016年7月31日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一