37  高知の移住者非公式ガイドブック 1:移住での人間関係、よそ者の心構え

都会から地方への移住、心構えは何だろうか.

新しい土地に住む場合、居住地、近隣との人間関係が最重要であることは言うまでもない.

それは、だれかが面倒をみてくれるものではない.

自分で築き上げるものである.

特に、高知は異文化の土地である.

3回に渡って述べる.

 

2017年7月28日 修正版

1.まえおき

 

これから述べる内容は、個人的な身辺の体験談ではないことを、お断りしておきたい.

大阪、東京では、古い村と新しい住宅地が混じった地域で暮らしてきた.

また日本各地を、仕事や旅行で歩いた.

高知については、移住して以降20年の中で、各地で見聞したケースを基にしている.

 

(写真は本文と関係ありません)

 

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2.移住

 

全国どこの自治体でも、移住者の誘致で述べていることは、ほぼ同じである.

1)生活費が安い

2)食べ物がうまい

3)人々が親切である

ホームページを見ると、観光ムードの写真で、何やら不動産業者の広告のようである.

しかし、人間社会、万事桃源郷のようにはゆかないのもまた真実である.

 

3.人間関係

 

地方への移住を考える場合、当たり前のようだが、大変誤解を生みやすいことがある.

「都会の人間関係で疲れたから、田舎の自然の中で過ごしたい」

 

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たしかに田舎に自然はある.

一方、都会での行動範囲は広く、そこで接触する人間は、ほとんどが不特定多数である.

しかし、田舎はクローズドな空間であり、周囲は顔を見知った少数の人間である.

それだけ人間関係は濃密である.

昔、ある山間部の工場を見学した.

「今月の目標」として、「告げ口、陰口はやめましょう」と掲示がされていた.

 

4.移住に伴う問題

 

田舎では、「よそ者」は嫌われるという.

しかしそれは、おおむね移住者に原因があるように思われる.

1)水路の補修、畦道の草刈り、清掃など、村の作業に出てこない

都会ではすべて自治体がやってくれる.

しかし田舎では、全部自分たちでやらなくてはならない.

これらの労働に対して、役場が「田役」として、地域の自治会に補助金を出す場合もある.

2)村の祭り、冠婚葬祭、防災訓練など、地域の行事に参加しない

共同体の維持には必須であるが、これらに参加しないようでは、村の一員とは認められない.

逆に言えば、上の2点さえ満足すれば、「よそ者」ではなくなる.

いくら過疎でも、これらができなければ、移住したとしても、単なる自治体施策の人数合わせでしかない.

「3年以内の離職者」となってしまう.

 

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5.移住者の心構え

 

移住者は、その地域にとっての「新入社員」である.

その心構えは参考になる.

以下は、日本経済新聞に掲載された「新社会人の心得」である.

1)訊くは一時の恥、訊かぬは末代の恥

(何でも訊けるのは最初の内だけ)

2)先輩や上司に好かれるよう努力する

(助けてあげたいと周囲に思わせる)

3)報、連、相

(報告、連絡、相談を欠かさない)

4)進んで雑用を引き受ける

(雑用をこなす内に仕事を覚える)

5)基本を大事に

(謙虚な気持ちで向き合う)

移住者に当てはまるのではないだろうか.

「これができるようなら、田舎に来ないわい」という人もいるかもしれないが.

 

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6.四国の文化

 

北海道から鹿児島まで、仕事で全国各地の工場を訪問した.

その中でもっとも印象に残ったのは、四国である.

何かいいところがあれば取り入れようという姿勢を感じる.

素直な意見交換ができる.

こちらも、何か共同でやりたい、役に立ちたい、という気持ちになる.

何故なのだろうか.

それは「四国島」という島国だからではないかと思われる.

九州も北海道も「島国」なのだが、それぞれ福岡、札幌を「首都」とする独立国である.

何かしらそこには独自の思想があって、他の介入を許さない印象がある.

四国にはこのような「首都」がない.

小規模な地域が、それぞれに島外とつながっている.

「なにするものぞ」の大国意識はなく、フレンドリーである.

東京から移住する機会があったとき、四国は良いと思った.

 

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7.高知に住む

 

移住は高知になった.

四国各県には行ったが、高知は周辺地域だけで、主要部には行ったことがない.

関係する工場が無かったからである.

その理由は、あまりにも用地の買収が進まなかったため、と聞いていた.

未知の土地だったので、期待した.

 

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どこに住むか、ということになる.

土地を手に入れ、家を建てた.

住み始めて、仕事をして、あちこちを訪ね、多くの人と接した.

直ちに、高知が日本の中で、非常に変わった文化の土地であることを知った.

そう思ううちに20 年近く経ったが、今もその印象は変わらない.

その2では、どこが変わっているのか、なぜそうなるのか、移住者はどう対応すればよいのか、考えてみよう.

 

リンク:

高知の移住非公式ガイド 2

高知の別荘地

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(おわり)

 

2016年2月21日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

36 高知の魚市場、サツマイモとスイカ.どんな?どこで? 

高知の魚、野菜、果物、豊富で新鮮である.

都会のスーパーに行くと、なにこれ!と思う.

ただし、日時や場所によって、出ているものが違うし、それぞれに良し悪しがある.

どこに行けば、何があるのか.

どこが違うのか.

卸売市場、日曜市、直販所など訪ねてみよう.

 

2017年3月30日 修正版

 

 

1.卸売市場

 

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(高知市卸売市場)

 

浦戸湾の岸に、高知市卸売市場がある.

月一度、開放日がある.

朝5時半からセリの見学ができる.

ご飯を買って、各店で買った刺身などを載せて食べる、北海道スタイルの海鮮丼がある.

干物を買って七輪の炭火で焼くこともできる.

マグロにせよ、カツオのたたきにせよ、純粋そのもので、全く雑味がない.

築地と違って大混雑はしていないので、あちこち見て回れる.

近くの地元スーパーの店主を見かけた.

今日これが並ぶのだろう.

 

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(マグロをさばく)

 

競り落とされたマグロはすぐさばかれ、丁寧に紙で包んで保管される.

店でここをこのくらい、と頼んで切り分けてもらうことができる.

 

⒉.実業高校

 

水産高校で、マグロの解体をマスターする女子生徒が毎年いる.

高校ではハワイへの実習航海があるが、昔は獲ったマグロで、使いきれないほどの金が入ったという.

授業でマグロの缶詰をつくっていた.

市販と違って、缶詰がこんなに美味いものかと思う.

学園祭で販売するが、すぐに売り切れる.

農業高校でも、育てた豚肉やハムの販売があり、これもすぐ売り切れる.

以前ダチョウを飼育していて、その大きい卵を分けていただいたことがある.

鋸で殻を切って、ダチョウのカステラをつくった.

「ぐりとぐら」の世界である.

昼休みになると、生徒は自分が弁当を食べるより先に、まず動物のところに行って餌をやるそうだ.

人間力が高い.

 

3.直販所

 

多くの市町村に、農産物などの直販所がある.

農家が直接持ってくるため新鮮である.

農家も工夫していて、自家のラベルを貼ったり、コメントをつけたりしている.

どこでも何でも買えるが、ユズだけは、なぜか「統制経済」である.

農家で分けてほしい、と言うと、農協に行ってほしい、と言われるし、農協に行くと、選果場に行ってほしい、と言われる.

 

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(夜須町の直販所)

 

2月になるとタケノコが出る.

小さいのが300円で、高いが春の味である.

1月末から始まり、道端でも売っているが、その後雪が降った.

孝子が、病の老母のために雪を掘って筍を求めたという故事は、あながち誇張ではないようだ.

 

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(2月6日の筍)

 

高知市内の「日曜市」は有名だが、「直販所」の原型で、近在の農家が週1回、通りに並んで販売する.

多くの各地の「朝市」は、観光客目当ての土産物売場になっている.

しかし日曜市は、今も市民が徒歩や自転車で来る日常の買物の場である.

南国の生活を覗くところが見どころである.

果物は送れるが、観光客が大根や葱を持って帰るわけにもゆかない.

土産物を求めるには不足だし、トルコのバザールと違って、衣類や宝飾品はない.

それには近くの商店街を歩けばよい.

もっと小規模なものが「良心市」である.

無人スタンドで、支払いは良心にまかせるからこの名がある.

 

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(トマトの良心市)

 

4.オーガニック市

 

毎土曜日に、高知市近郊の公園で「オーガニック市」が開かれる.

有機栽培野菜のフリーマーケットであるが、米もあるし、ドラム缶の炉で全粒粉パンを焼いている.

クッキー、ケーキ、珈琲、カレーの他、図書、アクセサリー、子供服交換(合成洗剤で洗っていないこと)等々、エコな活動のすべてを含んでいる.

これだけ変人、と言っては失礼で、「一家言」ある人が多いのか、そして一堂に会することができるのか、さすが高知である.

 

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(オーガニック市、早朝で準備中)

 

5.サツマイモとスイカ

 

住んでいる手結山のサツマイモは高知ではブランドである.

川越は黒土だが、こちらは赤土で、乾燥気味の土地がいいらしい.

海風が関係するかもしれない.

ウチのお母さんの姪は英国に住んでいるが、正月に京都の実家に帰ってきた.

頼まれたので、芋を「爆買い」して送った.

大きいキャリーバッグに詰め込んで持ち帰った.

 

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英国にはこんな甘い芋がないという.

その娘はロンドンの私立学校に通っているが、友達が弁当にドライフルーツを持ってくる.

高知で食べた干し芋を持って行くというので、これも送った.

龍ケ迫の干し芋はブランド品で、ワンパックが2,500円する.

 

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(スイカ栽培のハウス)

 

手結山のスイカもブランドである.

夏休みの子どもの定番はスイカ割りである.

食べ物を粗末にして、遊びに使うというのではない.

チンパンジーは石で果実を割り、道具の起源とされる.

スイカ割りは、もっとも古い道具の使い方、調理の仕方として、ヒトのDNAに組み込まれているのではないだろうか.

芋と一緒に小玉スイカを送った.

前記の女の子は、夏の高知での体験から、見るなり「スイカ割り!」と叫んで、正月に「屋内スイカ割り」をしたという.

子どもの頃、大人たちがスイカを半分に割り、中を少しえぐって、ウイスキーを入れて食べているのを見た.

以下はスイカのカクテル例である.

・ウオッカ 50ml

・シュガーシロップ 10ml

・スイカを切り、皮を取り、砕く

以上をシェイクして、冷えたグラスに注ぎ、スイカのスライスを飾る.

 

関連記事リンク:高知のおすすめ野菜、果物

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(おわり)

2016年2月8日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一