高知学15 高知の別荘地.どんなところ?だれがいる?住み方は?

高知は海に面した温暖な土地である.

高知は別荘に適している.

東京から高知に引越すとき、予定の土地は、別荘地として造成されたところであった.

参考のため、首都圏で別荘地として知られる、伊豆高原を訪ねた.

結論として、伊豆高原と高知は、ロケーションにしても、別荘の使われ方にしても、何ら変わりはない.

高知の別荘の現状を調べ、別荘を使う上での「別荘学」を考える.

 

(2018年2月4日 改訂版)

 

bessou099

 

1.高知の別荘地

 

(高知の海)

 

近隣である、香南市から芸西村にかけての「別荘地」の現状報告である.

高知市域から車で30分、東京ならほとんど都心で、空港から15分である.

しかし、はりまや橋を中心と考える高知県民は、この位置を「遠い」と思っている.

 

1)別荘地A

 

 

(別荘地A)

 

以下A、B、Cは、昔「別荘ブーム」の頃に、不動産会社によって造成された土地である.

別荘地なのであるが、交通が不便なところではないので、最近は日常の住宅地になっている.

Aは、国道55号の「海辺の果樹園」ホテルに近い、海に面した断崖の上で、もっとも別荘地らしい.

そのこともあって、早くから立派な別荘が建っている.

ウオーキングで調べたが、36軒あって、永住が14、手入れされている別荘が7、残り15は放置された空家である.

今も新しく別荘や住宅が建てられているが、空家が多いと何か寂しい雰囲気になってしまう.

 

⒉) 別荘地B

 

besso14

(別荘地B)

 

住んでいるので詳しい.

18年前は15軒で、永住6、別荘3、空家6であった.

現在は28軒で、永住18、別荘5、空家5である.

人口は18年前、大人16、子供9であった.

現在は、大人43、子供13で、大幅な人口増加である.

空地が多かったので、新築が容易であったためである.

 

3)別荘地C

 

bnessou10

(別荘地C)

 

国道から山に1kmほど入るので、少し不便だが閑静である.

今度、通学の小学生がでてきたので、コミュニティバスが寄るようになった.

ゴルフ場からバンカーのホームランで球が飛んでくる場所があって、苦情からグラスバンカーに改装された.

ただ、宅地としての使用を諦めたのか、ソーラー発電施設をつくった土地が目立つ.

そうすると住宅地と工場地帯が入り混じった印象になる.

 

4)別荘地D

 

kanngaerumura

(別荘地D)

 

研修施設の法人が造成した土地で、眺望は抜群である.

真下に黒潮カントリーが見えるが、山腹を直下するわけにはゆかない.

海岸から曲がりくねった山道を20分はかかる.

日常の居住には不便であり、ここはやはり別荘地である.

天体観測ドームを設けた別荘もある.

 

5)別荘地E

 

bessou4

(別荘地E)

 

別荘地というより、景勝の地に、自然発生的に住宅が集まった地域である.

以前古い老人ホームがあり、暗い印象であったが、移転したので雰囲気が変わった.

ただ計画的にはつくられていない.

道路が狭いのと、いい景観と思って建てても、すぐ前に別の家が建ったりするので、注意を要する.

 

2.別荘学

 

1)別荘は仙人の生活ではない

林の中や渓流沿いの道を走ると、とんでもない山の中に、朽ちた建物がぽつんと立っているのを見る.

別荘の残骸である.

人里離れた自然の中で、散策や読書に釣り、といった高邁な考えでつくったのであろうが、これは成り立たない.

草木は茂る、谷川は雨で濁る、虫も多い、買い物も容易でない、など自然との格闘で、ひと月で逃げ出したくなるのではないか.

過疎地の最後の住人を自分で作っているようなものである.

 

 

2)別荘は普段の家以上に快適でなくてはならない

別荘だから、田舎暮らしだから、ということで簡素な小屋が建てられていることがあるが、これも捨てられている.

一部屋で十分、隙間風も自然のうち、などと修行ではない.

わざわざ時間と金をかけて不自由な生活に来ることはない.

普段の住家より快適であって初めて、来ようという気持ちになる.

3)別荘は仕事の場である

軽井沢などに作家や画家が別荘を構えている.

これは静かな環境で仕事をするためのものである.

普通人でも、別荘に来て仕事をすることを楽しみにすると「別荘生活」が成り立つ.

近くにある別荘は、大阪で商売をしている女性の持ち物である.

年1回しか来ないが、来ると高圧噴水機を持って家を洗い、盛大に洗濯をしている.

これが楽しみらしい.

また、別の家で週末に来る人は、エンジン芝刈機で芝生の手入れをすることを主な目的にしているようだ.

別荘は仕事のためにある.

4)別荘は維持費がかかる

昔の軽井沢では、じいや・ばあや、が居て別荘を守っていた.

今はシルバー人材センターがその役を果たしている.

前述の女性の別荘には、週1回シルバーの人が来て、内外の手入れや掃除をしている.

これくらいしないと、1軒を維持することは困難である.

半年や年に1回の手入れでは、次第にみすぼらしくなる.

5)別荘は日本人に馴まない?

 

アメリカ人作家、ポール・セローの「海の王国」は、英国の海岸を徒歩と鉄道で一周した紀行である.

ロンドンに住む人たちが海岸で過ごす様子を次のように書いている.

「夫婦が乗った車が前を海に向けて並んでいる.

海岸には物置ほどの小さなバンガローが連なっている.

泊まることはできないが、所有したり、借りたりすることができる.

そこで人たちは、ぼんやり海を眺めるか、新聞を読んでいる.

サンドイッチを食べ、お茶を飲んでいる.

会話を交わすことはない」

海岸に来て21年になるが、このような人たちを見たことがない.

自分にしても、浜に寝転んで波の音を聞き、青い空を行く雲を眺めていると、いいなあ、と思う.

3分もすると、さて、と立ち上がる.

日がな一日寝ていると、変な人がいる、と通報されかねない.

リゾート地のパンフレットには、「時間がゆっくり流れる」、「非日常の世界で多忙を忘れ」などと書いてある.

実際に行けば、「スキューバで疲れた!さあディナーショー!次はテラピー!カラオケ!」と忙しく動くことは間違いない.

別荘も同じである.

最初は面白いが、やがて何をするの、ということになり、バーベキューで使うのが関の山となる.

日本人は絶えず何かをしていないと落ち着かない民族らしく、のんびり、ぼんやり、は馴染まないようだ.

 

関連記事リンク:

高知の移住非公式ガイド 1 

宿毛から柏島の断崖と入江

高知学トップページに戻る

 

(おわり)

2015年4月16日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一

高知学14 高知東部.山のこまどり温泉と奈半利のとんかつ

高知にもあちこちに温泉がある.

温泉には、火山のマグマで熱せられた火山性温泉と、地球の内部で熱せられた非火山性の温泉がある.

道後温泉は後者である.

地熱は、深さ1,000mで30度上昇するので、深くボーリングすれば熱水が出て「温泉」になる.

といって、それが道後温泉レベルかというとそうではない.

化学者によれば、水の分子は単なるH2Oではなく、いろいろな状態が存在するという.

そこに熟成があるのかもしれない.

薪の風呂は暖まるというのも、時間をかけて水から熱するためかもしれない.

一方、温度は低いが、有効成分を含む「鉱泉」があり、これは加熱すれば立派な「温泉」である.

山の温泉に入って山菜うどん、海岸に出てとんかつを楽しもう.

 

2018年4月21日 改訂版

 

shikanoonsen095

 

(入河内)

 

1.こまどり温泉

 

高知の東、安芸市から、伊尾木川を20分ほど遡ると、入河内の集落である.

小さい峠に向けてそれ、狭いトンネルを通って安芸川の支流に出る.

そこに「こまどり温泉」がある.

イノシシが道を歩いていた.

車に突進してもらっても困るので、ゆっくりと後を付けたが、やがて草叢に入って行った.

この日は下流で、オレンジ色のチョッキをつけ、犬を連れた狩人のグループに出会った.

離れていたので、そこから逃げてきたわけではないだろう.

 

komadoriinosisi

(イノシシ)

 

温泉は小さな浴槽一つであるが、いつも清潔な湯を湛えている.

日帰り入浴施設で、温泉宿ではない.

夕方は地元の客が入ってくるし、安芸市内からお年寄りのグループが来ることもある.

しかし、平日の昼間、大概は独占する.

食事も取ることができる.

 

komadorimenu

(食堂のメニュー)

 

入浴料400円で、500円の山菜うどんを食べる.

観光地でよくある、中国産の調理済山菜ではなく、本当に地元で採ったものである.

おつまみ付ビールを500円で飲み、畳の部屋で座布団を借りて昼寝をすれば、1,400円の旅となる.

 

komadoritatami

(和室)

 

平日のバスは通学のためで利用し難いが、土日は、昼に着いて3時間後に帰る便があって、ゆっくりできる.

今日は土曜日で、常連らしい老人が一人、バスで到着したようだ.

「こまどり」の名の由来を聞いたが、こまどりが多く生息しているわけではなく、イメージらしい.

 

2.奈半利のとんかつ

 

温泉は山の中だが、海岸に出れば奈半利町にとんかつ屋がある.

食堂の雰囲気には、あるじの風貌が影響する.

寿司屋の大将にビール腹の男性はそぐわないし、痩せて細身の人は鉄板ステーキのシェフに似つかわしくない.

その点、奈半利町にある、夫婦二人のとんかつ「豚福亭」は、十分である.

最初に行ったとき、窓越しに、コック帽をかぶった、でっぷりした年配の男性が、動くこともなく座っているのが見えた.

Kチキンと同じようなマネキンがあると思った.

しかし動いた.

ご夫婦ともだが、これほどとんかつ店にふさわしい風貌はない.

とんかつがなおさら美味しくなる.

とんかつ定食には大があるし、海老フライの大きさも高知で有名である.

うかつにこれらを頼んだ女性が持てあましても、奥さんが「コーン油で揚げているから、持って帰って温めて大丈夫」と包んでくれる.

 

(ロースかつ定食、並)

 

 

関連記事リンク:

トリュフ犬と馬路村

高知学トップページに戻る

 

(おわり)

 

2015年4月6日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一