高知学93 高知のぶらぶら町歩き2 商店街編

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どこか知らない土地に行ったとき、面白くて後からの印象に残るのは、案外土地の人の買物の場のように思う.

ミャンマーの裏通りでは香辛料をスコップで掬っていたし、フランスの市場ではウサギが皮を剥かれて吊るされていた.

それに比べれば「名所」の見物は、観光ガイドブックで見た写真の確認作業のようでもある.

第1編では高知の中心街を回ったが、次はディープに商店街を回ってみよう.

 

2018年6月7日 最終版

 

 

1.高知の商店街

 

高知の商店街は、中央の帯屋町は別格として市域にいくつかある.

ほとんどが夏のよさこい踊りの演舞場となっている.

菜園場、魚の棚、はりまや、愛宕、大橋通、天神橋通、桝形、などがある.

近くの商店街に行けば、生活すべてに必要な買物ができたのだ.

高知市民の買物の場として知られているのは日曜市だが、毎日ではない.

また仮設だから、どうしても野菜、果物など並ぶ品物が限られる.

 

(日曜市)

 

木曜市、火曜市もあるが規模は小さい.

「商店街」はいつでもよい.

いくつか回ってみよう.

 

2.菜園場

 

菜園場(さえんば)の名は、昔、藩主の野菜をつくった場所だったことから来ている.

はりまや橋から東へ、電車で一停留所だが歩いて行ける.

 

(菜園場入口)

 

(菜園場商店街)

 

入口にはパン屋がある.

パンには薄緑クリームのメロン、薄桃のいちごがある.

アンパンは普通の丸形でなくジャムパン形だが、しつこくなく和菓子的だ.

看板には「かすていら」とあるが、今は作っていないそうだ.

高知のカステラ屋は、電車通り南側の大変判り難い場所にある.

 

(青物)

 

野菜、果物は商店街の定番である.

おばさん方が店の前で待機?している.

荒物も売っている.

 

(漬物と洋品店)

 

洋品店も商店街に必ずある.

こういうものは「ユニクロ」「しまむら」にはない.

商品の回転率は高くなさそうだが、はやりすたりがないからいいのだろう.

「昔懐かしい」、「時間が止まったような」という表現になるのかもしれない.

しかし店を出す人も、買い物に来る人も、そういう理由なのではない.

「ここなら買える」、あるいはもっと積極的に「ここでなければ買えない」のである.

シャッターを閉めた店もある.

漬物屋のおばさんが言っていた.

道の向こうは揚げものの店であったが、設備を新しくするのにお金がかかるのでやめた.

それはそれで止むを得ない.

 

3.魚の棚

 

魚の棚は、菜園場からはりまや橋に戻る道の横丁である.

「はりまや橋」が渡る水路の傍から魚を上げていたので、この名があるそうだ.

商店街というには狭くて短いが、一通り揃っている.

 

(魚の棚)

 

(コロッケ)

 

カフェに居酒屋まである.

クチュールも若者向けだ.

 

4.大橋通

 

大橋通は高知城に近い一角である.

今「ひろめ市場」があって観光客で賑わうが、もともとは市民日常の買物の場であった.

すり身の揚げ物を高知では「てんぷら」というが、店先で揚げて売っている.

 

(てんぷら)

 

京都の錦小路は市民買物の場であったが、今は外国人観光客が串をくわえながら歩く通りになっている.

先日行ったら、一番人気はイイダコと卵の串刺しであった.

高知でも串には事欠かない.

 

(大橋通の魚)

 

魚屋は3軒ある.

新鮮で旨そうで安いアラが並んでいる.

お土産に持って帰るわけにはゆかないから、地元民の特権だ.

店の中の1軒の本店は電車で6停留所西の、上町(かみまち)にある.

 

(上町の魚屋)

 

メールで今日の入荷を知らせてくれる.

本日のお勧めは、活〆天然平スズキであった.

(喫茶店)

 

大橋通の突き当りに、2軒の「正統喫茶店」が並んでいる.

昼下がりに一休みした.

入ってきた若者は、迷わず「ヤキメシ!」と注文した.

隅では老婦人が一人、ランチセットをゆっくりゆっくり食べている.

奥では数人の男女が、テーブルを囲んで打ち合わせをしている.

カウンターでは高齢の男性がコーヒーを味わっている.

 

(お赤飯セット)

 

高知でお祝いの配り物の定番といえば、大橋通の角にある中納言の赤飯、紅白の饅頭または餅である.

展示の見本を見ると、赤飯の折詰めや餅の最大は1升だ.

店内にイートインスペースがあって、お赤飯や栗おこわが食べられる.

赤飯には、これでもかというくらい小豆が入っていた.

 

(餅ばあす)

 

高知では新築の家が出来上がったとき、紅白の餅投げをすることが普通である.

大学の新棟落成でも行われる.

袋麺、お菓子、玩具も投げられる.

缶ビールを投げた例もあるらしく、ナイスキャッチが必要だ.

高知で「餅ばあす」と言っている.

「ばあす」とは「奪う」の意味で、「餅奪い」なのである.

激烈な争奪戦に小さな子どもが巻き込まれるのは危ない.

そこで大人と子ども、2部制でやる場合もあるらしい.

まあ1升の餅を投げることはないだろうが.

 

(おわり)

2018年6月2日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一