3 高知の山道ランク付け.出会う棚田と山の子ども

このエントリーをはてなブックマークに追加

高知県を地図で見ると、東から西まで大きく湾曲して、太平洋に向かっている.

桂浜のイメージもあって、県外の人は、九十九里浜や遠州灘のように、広大な砂浜が連続するように思っている.

しかし海に面した平地は、高知市周辺などのごくわずかの部分で、高知県の84%は山林である.

海に面していても背後はすぐ山である.

また、各地域は岬や崖でセパレートされているので、山の間に海があると言ってよい.

高知は山国である.

高知に来たので、高知らしいところで住みたいと考え、海を見下ろすところに家がある.

高知の人が来て、「高知とは思えないね!」と感想を述べた.

高知の観光では、山道のドライブが入ると、範囲が広がる.

 

(2017年7月27日 修正版)

 

 

(暮れ行く西熊渓谷)

 

1. 山道

 

山道は狭い.

何万年に渡って土地が隆起し、侵食されて谷ができているので、斜面は急峻であり、大雨があると崩落が続く.

広い道をつくることができない.

主要な国道は2車線だが、山道はほとんど1車線である.

程度はさまざまである.

通行容易な順からA,B,C,Dとランク付けする.

 

A:1.5車線と称される.

センターラインはないが、普通車同士なら離合に差支えない.

トラックが来ても、端に寄ればやりすごすことができる.

 

(Aランク.安芸市畑山)

 

B:文字通りの1車線である.

 

(Bランク.県道香北赤岡線)

 

高知の山道は、ほとんどこれである.

対向車がくるかどうか、カーブミラーや先を確認しつつ、運転する.

滅多に来ないが、来そうなら、ところどころのやや広くなったところで早めに待つか、または向こうが待ってくれる.

互いにハンドルから手を挙げ、礼をして離合する.

材木を満載したトラックや、工事の大型ダンプが来ることがある.

普通は離合できるが、死角で運悪く鉢合わせすることがある.

この時は乗用車がバックせざるを得ない.

どうしてもバックに自信がなければ、向こうの運転手に頼むという手がある.

仕事のない日曜は、その心配がない.

C: もっと狭く急カーブで、大型車は通れない.

中型トラックは通るから、乗用車も通行不可能ではない.

ただ、ほとんど車に出会わないので、バックするような場面はまずない.

 

(Cランク.香南市中西川)

 

(かなりのDランク.島ノ川林道)

 

D: 舗装がないダートである.

ガタガタするが、手入れがしてあれば、必ずしも困難ではない.

 

観光と道の関係には難しいところがある.

秘境に通じる道路が整備されたのはよいが、行けば観光バスの大型駐車場と土産物センターばかりの「がっかり秘境」もある.

また、屈曲の激しい峠を越えてたどり着いたので、「はるばる来た」という気持で休憩、食事をした.

ところが、ショートカットするトンネルができた途端、見物が終われば、「はい次」と店にも寄らず、早々に立ち去る.

 

2. 棚田

 

高知は平地が少ないから、各地に棚田がある.

棚田は絶好の山岳ドライブアイテムである.

それぞれに美しい景色をつくっているが、特に大豊町、本山町、土佐町の吉野川南岸に、広く棚田が広がっている.

大豊町八畝(ようね)、怒田(ぬた)では、見た人が、「マチュピチュだ!」 と言った.

頂近くから谷底まで、棚田と家々が広がっている.

棚田の耕作は大変であるが、朝昼の温度差が大きいので、おいしい米ができるとされる.

細やかな手入れの下で、「棚田米」としてブランド化されている.

 

 nukutaaki

(大豊町・怒田)

 

3. 山の子ども

 

(夜須町.耕作放棄地を遊び場として活用?)

 

棚田でスケッチをしていると、小学生の男の子が二人、山道を上ってきた.

絵をのぞき込んで、 「おっちゃん、うまいな!どこから来たん?」と言う.

もう一人は、「あれこれ訊いたら失礼やんか!」と注意する.

「図画は好きか?」

「きらいや!描くのんしんどい」

「何が好きや?」

「体育! ぼくらこれから家まで30分かかるねん」

「迎えに来ないんか」

「おとうちゃん町で働いているんや. そやけど帰りにパチンコするから遅うなってあかんねん」

などと話して、「さよなら」 と棚田を上って行った.

 

(大豊町 八畝)

 

なかなかの体力練磨であるが、これは例外的である.

山の学校の校長先生が話してくれた.

集落が離れ離れになっているから、生徒の登下校は通学バスになる.

少し歩かせたいと思うが、保護者には、危ないからできるだけ家の近くまで送ってほしい、という要望が強い.

したがって歩かなくなる.

家に帰っても近所に友達がいないから、ゲームなどやって外に出ない.

せめてもの対策として、朝に校庭を走ることにしている.

体育でも生徒数が少ないから、サッカーやソフトボールなどできない.

勢い体育館でバドミントンなどすることになり、日にあたらない.

山の子どもほど色白で足も弱い.

 

(安芸城跡)

 

20年前高知に来た頃、安芸市の城跡に行った.

水を湛えた堀の石垣の中ほどを、男女の子どもたちが五、六人、石に手足をかけ、横に伝っている.

中にガキ大将がいて、「そこの石に手をかけて!」などと指示をしている.

洟を二本棒垂らしたのもいて、文化財だな!と感心したが、今はどうだろうか.

 

 

(廃校になった物部村・久保小学校)

 

関連記事リンク:

外国人観光と本山の棚田

楮佐古林道のダート道

高知学トップページに戻る

 

(おわり)

2015年1月11日 | カテゴリー : 高知学 | 投稿者 : 河田 耕一